AKG N5005 ハイブリッド型イヤホン 購入三ヶ月後のレビュー

amahikasです。
N5005を購入してから三ヶ月近くが経過しました。ここらで正式なレビューを書きたいと思います。

AKG N5005について

AKG N5005

ファーストインプレッションの記事でN5005がどういう製品なのかを紹介しましたが、正式なレビューなので改めて簡単に製品紹介をしておきます。
N5005はAKG社のフラグシップとなるイヤホン(IEM)です。過去にK3003という名機を発売していますが、資本や開発状況も変わったので、N5005はK3003の後継機というよりもN40の上位機種と私は捉えています。

N5005は中高音域用のバランスド・アーマチュア・ドライバー4基と低音域用のダイナミック・ドライバー1基の合計5基を搭載しています。4種類のメカニカル・チューニング・フィルターで音質をカスタマイズすることができます。
着脱式ケーブルはMMCXを採用していますが、一般的なMMCXコネクタだと接続することができない独自のMMCX仕様になっています。

ケーブルが着脱式になっていて、3.5mmのリモコン付きケーブル、2.5mmのバランスケーブル、BluetoothケーブルとAKG純正アップグレードリケーブル「CN120-3.5」の4種類のケーブルが同梱される豪華な仕様となっています。ちなみに純正アップグレードリケーブルが付属するのは日本の独自仕様です。

価格は10万円弱です。
N5005の詳細については公式サイトを参考にしてください。

フラッグシップイヤホン「K3003」の最上級サウンドと「N40」の技術を継承したハイレゾ対応4ウェイカナルイヤホン。

ちなみに、ハーマンの公式通販サイトだと「N5005本体+サウンドフィルター」のみのセットが6万円で販売されてます。

AKG純正アップグレードリケーブル「CN120-3.5」は12,880円なので、ワイヤレスケーブルなどが不要な方にはこちらで購入することをお薦めします。私も購入前に知りたかった(笑)

N5005の音

肝心の音について書いていきます。
N5005は4種類メカニカル・チューニング・フィルターを使って好みの音に近づけることができますが、ここで書く感想は購入時に装着されている「REFERENCE」を使用しています。
私自身はまだフィルターの交換をしていないので、「REFERENCE」しか聴いていませんが「HIGH BOOST」、「MID-HIGH BOOST」、「BASS BOOST」から選ぶことができます。
なお、店頭試聴での音の感想も参考までに読んでいただければと思います。

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音質的に気に入っている点

前口上はこれくらいにしてN5005の音で気に入ってる点を挙げていきます。

  • 高域の質と量
  • 低域のキレと量感
  • 音の粒の細かさと滑らかさ

まず、高域ですが、私が所有している製品(ヘッドホン含む)の中でもっとも量が多いです。よく目立ちます。これまでいろんなイヤホン(IEM)を聴いてもなかなか高域に満足することはなかったんですが、N5005は高域の量が多いのに粗くなったり、軽くなったりせずに滑らかに聴かせてくれる点が気に入っています。ただし、音源が悪い場合は、悪さも素直に鳴らしますのでどんな音源でも滑らかというわけではありません。
高域は量が多いだけでなく、音の抜けも良いです。私がメインで使ってる開放型ヘッドホンのDT 1990 PROに似た音の抜け方をします。音が変に反射せずに抜けていくので結果的に開放感が強いと感じます。
最近はすっかりと高域に耳が集中することが多いのですが、N5005はようやく満足できる高域を出してくれるイヤホンということで購入した一番の理由となります。

高域と同じくらい気に入っているのが低域です。最近の私といえば高域、高域とうるさく騒いでいますが、やはり量感があって適度なキレがある低域、メタル系の音楽を聴いても迫力が出る中域がないと不満を感じてしまいます。
N5005の低域はメインで使っている密閉型ヘッドホンのDT 1770 PROと少し似ていてキレと量感のバランスが良いです。DT 1770 PROほどナチュラルな低域というわけではなくてBAドライバとダイナミックドライバの低域が少し重なっているように聞こえます。購入当初は特にこの傾向が顕著でBAドライバが出す低音より少し遅れてダイナミックドライバの低音が聞こえるように感じました。少し不自然だったのですが、バーンイン(エージング)が進むにつれてこの不自然さはなくなり、お互いの役割がよりはっきりとするようになりました。
低域はかなり低いところ(重低音)まで出しますが、高域と同じで音源に対して素直です。重低音が含まれない音源の場合は低音も出ず、高域寄りのバランスになります。逆に重低音がしっかりと含まれている音源だとDT 1770 PROやPinnacle P1では聞くことのできない低音も出します。音源によってはちょっと過剰かなと思うこともあります。そういう意味では前述の通り、ナチュラルな音かというとそうではなく、多少の味つけはあると思っています。

最後が「音の粒の細かさと滑らかさ」です。解像力が全体的に高いのですが、音の先端が尖っていて聴きづらいということはなく、全帯域にわたって滑らかに聴かせてくれます。高域に比べると低域はややウォームな傾向にあります。

バランス

バランスは音源によって変わるところもありますが、低域がしっかりと出る音源ならばフラットに近いです。低音が含まれていない音源だと高域寄りに聞こえます。中域は主張するわけでもなく不足するわけでもない程度ですが、音楽全体をいい具合に支えています。
高域は天井が高く、低域もかなり深いところまで出ます。
私がこれまで聴いてきたかぎりだと、ダイナミック一発だと高域が粗くなったり、量的に物足りなかったりしてました。BAの多ドライバだと中域から低域にかけて音のつながりに不自然さのある谷を感じることが多いです。また、低域の量に物足りなさを感じることもあります。N5005はBAとダイナミックの良いところをうまく活かしていますし、音のつながりにも不自然さを感じませんので、私にとっては理想的なバランスになっています。
高域についてはもう少し大人しくてもいいかなと思うこともあるのが正直なところです。やはりあまりナチュラルとは言えないくらいの量が出ています。50歳前後の私の耳にはいいのですが、若い方だと高域過多と感じるかもしれません。

音場

音場は少しクセがあります。
高域は上方向に抜けていく傾向にあります。低域は左右、前後ともに広いです。よって全体的に音場が広いと感じがちなんですが、中域はさほど広くなく、音源に合わせるタイプと感じます。
それぞれの帯域で音の広がり方が違うので少し不自然さを感じるかもしれません。これはハイブリッドとしてもう少し改良の余地があるのかなと思っています。特に録音状態のいい新しめの音源だと多い情報量を余すところなく伝えていて好感なんですが、少し人工的に作られた音と感じることがあります。少なくともライブだとこうは聞こえないだろうなと思うことがあるのが正直なところです。

音質的なデメリット

デメリットについて書いていきます。

  • 高域が多すぎるかも
  • ナチュラルさに欠ける点もある
  • 情報量が多い

前述の通りですが、高域は量が多いです。質は問題を感じていませんが、この量は好みの分かれるところだと思います。
また、高域と低域はイヤホン(IEM)にしては独特な鳴り方をします。ナチュラルではないとまで言いませんが、人工的に感じることもあるのが正直な感想です。特に私がメインで使っているヘッドホンのDT 1770 PROとDT 1990 PROと比べると違いは感じます。
最後の情報量ですが縦のレンジが広く、解像力も高いので音源によっては聴き疲れします。とにかくどの帯域も細かい音がちゃんと出るので、ひとつひとつを追いかけてると疲れることがあります。少し遠方から音楽を楽しみたいところですが、イヤホン(IEM)は耳の近くで音が鳴るのでなかなか難しいところがあります。

デザインと質感

こちらはファーストインプレッションの記事に詳しく書いたので、そちらを参考にしてください。

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基本的に色気のないデザインですが、メインで使っているヘッドホンのDT 1770 PRODT 1990 PROと同じように質実剛健で私は気に入っています。汚れが取りやすいのもポイント高いです。

音漏れと遮音性

一番の難点です。
まず、遮音性は悪いです。私が所有しているイヤホン(IEM:インイヤーモニター)の中でも一番悪いです。特に電車に乗っているときは外の音がかなり入ってくるので、音楽に集中できないことがあります。地下鉄が一番ひどくて地上を走る電車はまだマシです。
本体に穴が空いてるように音漏れもそれなりにあります。妻に確認をしてもらった結果、Pinnacle P1よりも少し漏れますが、音量に気をつければ日常的に使うには問題ないという結論に達しました。ただし、遮音性が良くないのでついつい音量を上げたくなるんですが、音漏れを考慮するとなかなか音量も上げづらいというのが難点です。

私はこのブログで何度か書いてるとおり、遮音性については寛容で、音漏れについては厳しいです。遮音性が高すぎると周囲の音が聞こえなくて危険を感じるほうなので、外の音が少しは入ってきたほうがいいのですが、N5005は寛容な私でも耐えるのが難しいと感じるレベルです。Pinnacle P1と併用していると遮音性という観点でP1の快適さが際立つくらいです。遮音性のありがたみを今さらながら思い知らされることとなりました(笑)

装着感

装着感は基本的に良いのですが、中途半端な装着の仕方だと低域の量が減ってしまって、スカスカな音になったりします。しっかりと耳に合うイヤーピースじゃないとN5005の真価を発揮できないと感じています。
サイズと形状はSHUREやWestoneといった装着感に定評のあるメーカーと似ていますので、比較的どんな方にも合うと思いますが、試着は必須ですね。

イヤーピース

試したのは以下のイヤーピースです。

  • SpinFit CP100
  • SpinFit CP145
  • SpinFit CP230(ダブルフランジ)
  • ortofon
  • Acoustune AET06a(ダブルフランジ)

私が普段使用しているのはSpinFitのCP100とortofonです。
試聴時にはCP100がいい感じだったので、最初はCP100とortofonを試しました。結果的にCP100が良いということになったのですが、遮音性がいまひとつでした。
そこで、遮音性が高くなるかなと思って試したのがCP230とAET06aです。CP230は装着感と音が合わなくてダメでした。AET06aは装着感、音がともに良かったのですが遮音性は期待したほど高くなりませんでした。
最後に試したのがCP145です。そもそもSpinFitのCP145はN5005用に開発されていますので、最初から試せよって話しなんですけどね(笑)

装着感と音だけで判断するとCP145のSサイズが一番良かったです。遮音性を考えるとCP145のLサイズが一番いいです。LサイズはSサイズほどの装着感ではないのと、ちゃんと耳に収まらないと音も安定しないのですが、遮音性を高めるほうを優先したいので現在はCP145のLサイズに落ち着きました。

ケーブル

日本版パッケージだとケーブルは4種類が付属します。
3.5mmのリモコン付きツイストケーブル、φ2.5mmのツイストバランスケーブル、Bluetoothケーブル、AKG純正アップグレードリケーブル「CN120-3.5」(日本版パッケージのみに付属)です。私は「CN120-3.5」のみを使用していますので、本記事の音の感想も「CN120-3.5」での感想です。
ケーブルは好みや使い勝手に合わせて使い分ければいいと思いますが、一般的にMMCX対応ケーブルだとほとんど接続ができないので注意が必要です。

CN120-3.5

「CN120-3.5」は布製のケーブルとなっていて、Y字分岐以降はラバー素材です。耳元は汗が付着しやすいので汚れを簡単に拭き取ることのできるラバー素材で正解だと思います。「CN120-3.5」にはひとつだけ難点があってY字分岐以降の2本のケーブルを束ねる仕組みがありません。結果的にケースなどに入れておくと絡まります。タッチノイズもありませんし、音も気に入っているだけにここだけが残念です。

詳細は公式サイトを参考にしてください。

導体に6F-ONCを採用し高解像度を実現したN40/N30対応AKG純正リケーブル。

音量(鳴らしやすさ)

最近はすっかりメインで使っているPinnacle P1と比べて10から15%くらいの音量で十分です。Pinnacle P1はiPhoneと直接接続だと少し物足りないと感じることもあるんですが、N5005はiPhone直でも問題ないです。

購入してからの経過

購入してからの経過と感じたことについて書いていきたいと思います。

バーンイン

今のところ、バーンインと通常の視聴を合わせて300時間ほど鳴らしています。変化を感じたのは50から100時間鳴らしたあたりです。
最初は低域に不自然さがありました。具体的に言うとBAドライバーとダイナミックドライバーの低域のタイミングが少しズレていて、BAから先に低音が出てダイナミックは遅れてやってくるように聞こえました。重低音が多く含まれる且つ、わりと最近の音源にでこの傾向が強かったです。よってエコー効果が過剰で不自然さがあったのですが、50から100時間鳴らすとこの不自然さがなくなりました。
高域と中域は最初から滑らかでしたが、やはり20時間を過ぎたあたりからさらに滑らかになりました。少なくとも一生懸命に何百時間もバーンインをするタイプの製品ではないと感じています。

視聴環境での違い

購入してからこれまでいろんな環境で聴いてみました。
まず、メインDAP(デジタルオーディオプレーヤー)のひとつであるCayin i5ですが、若干硬めの音になります。i5は出力も強いので音源によっては全体的にやや雑な聞き心地になると感じます。
試しにポータブルヘッドホンアンプのSoundBombe_CHRGを挟んだら、デメリットが解消されました。SoundBombe_CHRGはレビューにも書いたように上流(DAP)と下流(N5005)のクセはほとんど変えないのですが、いい感じに緩衝体になってくれているようです。

もうひとつのメインDAPのOPUS #3は直接接続でも問題ありません。全体的に柔らかくてアナログっぽいOPUS #3の特徴との相性が良いです。特に気に入っているのは高域です。解像力が高く、音の粒も細かくて滑らかです。全体的なバランスを考えても高域の量が多く、情報量も多いのですが、適度な柔らかさがあるため、ほとんどの音源で聴きづらくなることはありません。

iPhoneとBluetoothポータブルアンプのES100の組合せも良かったです。Cayin i5 DAPやOPUS #3と比べると解像力が一段落ちるのと、高域のエッジが少し立ちすぎてしまって人工的な聞き心地になりますが、ES100はあくまでも予備の環境なので、携帯性の良さや手軽さを考慮すると十分な音です。

一番気に入ってるのはMacBook Pro(再生ソフトはAudirvana)からm9XXの構成です。この構成は開放型ヘッドホンのDT 1990 PROを聴くときに使っています。自宅でイヤホン(IEM)を使うことはないのであくまでもお試しで使ってみただけですが、Cayin i5 DAPやOPUS #3よりも音場が全体的に広がるのと、奥行きが出ます。
静かな自宅で聴いてるため、周囲の音も気にする必要がないので非常に快適です。

まとめ

音は非常に気に入っています。これまでいろんなイヤホン(IEM)を聴いてきた中でもドンピシャで私の好みに合います。
問題は遮音性です。私の場合、SpinFit CP145のSサイズで安定した音と装着感を得ることができますが、遮音性がいまひとつなのでSpinFit CP145のLサイズを使っています。それでも遮音性の問題は残るので、一時は手放して他に気に入っていたRK01HS1650 CU、同じAKGのN40を買おうかなと考えたくらいです。
最終的にはあまりにも音が好みに合うのでN5005はこのまま使うことにしました。遮音性は地下鉄だけを我慢すれば他はなんとかなると感じたからです。長いこといろんなイヤホンを試聴してきてこれだけ好みに合うものにはなかなか出会えないでしょうしね。

N5005にはメインで使っている密閉ヘッドホンのDT 1770 PROと同じような役割を担ってもらいたいという期待がありました。1770はリスニング用途として使うのも気に入っていますが、どちらかというとモニター寄りの製品です。音源に素直でナチュラル、高域も低域も広くて解像力も高いという私の好みの傾向ですね。
試聴時にはかなり期待していたのですが、残念ながら実際に使ってみると1770とは違う傾向だったのが正直な感想です。N5005は1770と違って音源を選ぶ傾向にあります。まだはっきりと傾向はつかめていないのですが、古い音源や録音状態が悪い音源でも気持ちよく聴かせてくれることもあれば、いい音源が不自然に聞こえたりとなかなか難しくてつかみづらいところがあると感じています。

ということで、悪い点もありながらもN5005が私にとって理想的なイヤホンであることにかわりはありません。ようやく出会うことができたのは良かったのですが、ここまで来るのに長い時間とお金を要しました。今回のイヤホン選びもWestone 4Rの代わりを見つけるところから始まっているので、三年以上かかってることになります。
イヤホンよりもスピーカーやヘッドホンの使用頻度が高い私にとっては、この辺でイヤホンは落ち着きたいなと思います。N5005の10万円という価格を出してもDT 1770 PROのように満足することはできないので、Pinnacle P1は私にとって音と価格のバランスが非常に良かったんだなと改めて感じました。今後、10万円前後のイヤホンは控えるとして、買うとしても5万円前後が私の使い方としては合うのだろうという結論です。

今回は以上です。
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コメント

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