amahikasです。
引き続き、ポタフェス 2017冬の感想を書いていきます。
試聴環境
今回はほとんとイヤホンを試聴しました。
よって特に断りがない限り、DAP(デジタルオーディオプレーヤー)にはCayin i5 DAPを使用しています。
Cayin i5 DAPの設定はLOW GAINでイコライザーやエフェクト類はすべて無効にしてあります。
音源は主にCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)です。
試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。
DUNU Falcon-C隼
久しぶりのDUNUです。
前にDN-1000やDN-2000を購入の候補としたことがあって印象は良いです。
Bisso Baba / Bob James
第一印象ですが中域に厚みがあると感じました。
高域は量が少なめであまり主張をしませんが、音のほうはそこそこ細かくて滑らか。
全体的なバランスはやや低域寄りです。
低域はほどほどの沈み込みで量は十分。解像力もそこそこといったところです。
Rio Rush / Fourplay
シンバル音がきれいに出ますね。粗くなったり軽くなることがありません。
全体的に落ち着いて聴かせるという印象で好感です。
この曲でも中域が厚いと感じます。
Flesh and The Power It Holds / Death
冒頭のギターの高域がきれいでヒステリックな表現もいいです。
バンド部分では迫力もよく出ています。
解像力がものすごく高いというわけではありませんが、音が混然一体とならずに分離されてるのも好印象。
どちらかと言えば、リスニング寄りの傾向にある製品ですが、高域が乾いているので、ウォームという印象はあまり受けません。
そのためか、スピード感も出ていて応答速度は良さそうです。
At The End Of The Day / Les Miserables
冒頭のパーカッションと歓声はよく聞こえます。
オーケストラの迫力も十分で情報の多さにも負けずに丁寧に一音一音を鳴らしてるという印象です。
Master of Puppets / Metallica
この曲もいいですね。
高域が粗くなることなくきれいに出ています。
ギターリフの歪みもうまく表現しています。
Last Train Home / Pat Metheny Group
冒頭のシンバルを確認するために聴きましたが、問題なしでした。
この曲の音場の広さもよく表現できています。
DUNU Falcon-C隼の総括
まず音量ですがCayin i5に直接接続して45前後で聴きました。
装着感は良かったです。標準ケーブルはゴム製の素材で覆われていてタッチノイズはありませんでした。ただ、少し絡まりやすいように感じます。
イヤーピースは純正品を使いましたが、Spinfitも標準でついてくるとのことです。
音質は全体的にやや濃厚な味付けではあるのですが、高域がカラッと乾いていて必要以上にくどいと感じません。むしろ曲によっては寒色系でモニター寄りの音と感じることもありました。
最近試聴をしてお気に入りのHS1551にも似ているんですが、Falconは高域がカラッとしている分、表現力が豊かになっています。
ただし、HS1551のほうが全体的に音にまとまりがあって聞きやすいです。
Falconは店頭試聴ができるようになったら再度聴いてみたいと思います。
DITA試作品 FidelityとFealty
ヘッドホン祭でも評判の良かったDITAの試作品を聴いてきました。
まずはFidelityの感想を書いていきます。
Bisso Baba / Bob James
少し軽い音にはなりますが、こちらも高域はなかなかきれいです。
高域はカラッとしていて開放感もあります。
中域に厚みがあって低域もよく出てますね。
Rio Rush / Fourplay
この曲も同様の感想ですが、シンバルの音はさらに軽くなりました。
この音源はそもそもシンバルが少し軽めなので鳴らすのが難しいと最近感じますね。
Master of Puppets / Metallica
この曲もシンバル音がいまひとつでした。
また、上品に鳴らすのが得意のようで、この曲には合わないと感じました。
次にFealtyの感想です。
Master of Puppets / Metallica
こちらのほうが中域に厚みがあって迫力が表現できてます。
高域の軽さもほぼ無くなってますね。
DITAの音作りの特徴だと思っていますが、全体的にはすっきりとした音で好印象です。
Rio Rush / Fourplay
この曲もシンバル音が良くなってます。
解像力が高くて、上品な鳴らし方をします。
BAドライバのようなすっきりとした聴感にも似ていますが、ダイナミックドライバの良さもしっかりと出ています。
Bisso Baba / Bob James
全体的にフラットに近いバランスでどちらかといえばモニター寄りの音と感じます。
解像力はそこそこでとびっきり高いというわけではなくちょうど良い具合にチューニングされています。
DITA試作品 FidelityとFealtyの総括
基本的にFidelityもFealtyも同じ系統の音と感じましたが、わずかなチューニングの違いで聴感は随分と変わるという印象です。
共通しているのはフラットに近いバランスとモニター寄りの音ということです。
Fidelityのほうは中域の量を少なめにしている分、高域が目立ちやすいです。
私は中域は目立ちすぎるとダメなんですが、曲をしっかりと支える程度には出ていないと満足しないのでFealtyの中域の量が好みに合っているようです。
濃厚というよりもすっきりとした聴感になっているのも特徴的で、DITAはこの手の音作りがうまいと感じます。
解像力はFidelityのほうがわずかに高いと感じましたが、Fealtyでも十分です。
両方とも高域に開放感があるのも好印象です。
最終的にFidelityは高域が聴きづらいと感じたので、個人的にはFealtyが好みでした。
音量の方は42前後で聴きました。
装着感は私にとって最高ではありませんが、これまでのDITA製品と同様に良好でした。
Ar:tio RK01
茶楽音人(さらうんど)ブランドで有名なTTR社がAr:tioというブランドを立ち上げました。
今回は私が試聴をしたRK01の他にCU1も展示されていました。
詳細については公式サイトを参考にしてください。
Bisso Baba / Bob James
まず低域の量が多くてインパクトが強すぎると感じました。下までよく沈み込む良質な低音ですが、もう少し量が減ると好みに合いそうです。
高域はこの製品もカラッとしていてきれいでした。
中域はやや低域に隠れてしまってましたが、ピアノの響き方は良かったです。
Rio Rush / Fourplay
シンバル音は少し軽いと感じましたが、許容範囲でした。
中域はいいですね。主張しすぎずにしっかりと曲を支えてます。
Master of Puppets / Metallica
この曲には合いました。モニター系でもリスニング寄りの音でもなく中庸な音と感じました。
迫力とスピード感もよく出てますし、この手の音楽には合っているようです。
Last Train Home / Pat Metheny Group
シンバル音を確認するために聴きましたが、適度な滑らかさがあって良かったです。
音場の広さは今ひとつ表現できてないように感じまが、ひとつひとつの楽器の音は丁寧に鳴らしていて正確だなと思います。
Ar:tio RK01の総括
音量は40くらいで聴きました。
装着感はいまひとつでした。本体は金属製でとても美しいのですが、装着感を考えるともう一工夫欲しいところです。
音についてはダイナミックドライバーながらも細かさや繊細さもあって好印象でした。
高域がきれいに出るのもいいですね。
低域の量感が多いのが気になりました。もう少し控えめのほうが私の好みに合うと感じます。
中域は質量ともにちょうど良かったです。おそらく全体的に私の好みに合ったのは中域によるものと思われます。
2018年にCU1とRK01が発売されるそうなので引き続き注目していきたいと思います。
その他の製品
その他に聴いてきた製品の感想を書いていきます。
SIMGOT EM5とEM3
EM5はCayin i5と直接接続をして音量は44で聴きました。
EM5は同社のイヤホンでも評判の高いEN700系に近い音でした。
個人的には低域の主張が強すぎると感じました。
EM3は全体的に滑らかさがなく聴きづらかったです。低域の主張が強いのはEM5と一緒で、好みに合わないかなという印象です。
それとEM3は音のつながりにも不自然さを感じました。
個人的にはこれまでのEN700シリーズが好みに合うという結果になりました。
デザインもEN700のほうが好みですね。
Brise Audio+KuraDa+SYM KD-Ex
お次はBrise Audio+KuraDa+SYMの三社共同プロジェクトのKD-Exです。
こちらはなかなか面白い鳴り方をしました。
まずジャズ/フュージョン系では全体的に落ち着いた鳴り方で低域の深みが印象でした。
バランスはやや低域寄りで中域は必要最低限の量、高域は少し軽めの音でした。
個人的には低域が出すぎかなと感じました。
メタル系の音楽では低域の主張が少なくなってスピード感が出ました。
ただし、中域の量が少なく、高域は粗くなるのでメタルには合わないという印象です。
女性ボーカルものでは高域の刺さり具合が気になりました。またボーカルはかなり前に出てきます。
音源の特徴を強調するタイプの音作りなのかなと感じました。
また落ち着いた深みのある音なのは好感ですが、メタル系を聴くには中域の量がもう少しないと厳しいですね。
まだ試作品なので今後のチューニングでどのように変わるか楽しみにしています。
SENNHEISER HD 660 S
最後にゼンハイザー社の開放型ヘッドホンを聴いてきました。
HD 660 Sは人気の高いHD 650の後継機です。
本当はヘッドホン祭で聴く予定だったんですが、ゼンハイザーブースがとても混んでいたので聞き逃しました。
いつものFourplayとBob Jamesで聴いた結果、ゆったりとまろやかな音を聴くには合うと思いました。
高域はやや粗くなるんですが、中域と低域は落ち着いていてしっとりと聴かせるタイプですね。
メタル系には合わないと感じました。どうにも中域に音が集中してしまって、抜けや開放感が感じられませんでした。
ポタフェス 2017冬の総括
11月開催のヘッドホン祭で私が買いたいと思う製品を聞き尽くしたので、今回のポタフェスは気軽に参加することができました。
真剣に試聴をするのも楽しいのですが、お気楽にいろんな製品を聴いて回るのも楽しいです。
そういう意味で今回のポタフェスは普段なら聴かないような製品も聴くことができました。会場にいながらTwitterを見ていると評判のいい製品を聴いたりするのも楽しかったですね。
収穫はSTAXのイヤースピーカーです。
どのような音と価格で販売されるのかわかりませんが、とても好印象でした。
私はどうしてもスピーカーのような音を出すヘッドホン、ヘッドホンのような音を出すイヤホンを求める傾向が強いので、今回のSTAXの密閉型イヤースピーカーは私にとっての最適解かもしれないと思いました。
他ではDUNU、DITA、Ar:tioのイヤホンも印象が良かったです。
現在、メインで使っているイヤホン(IEM)のP1やVE5、Westone 4Rからすぐに乗り換えたいと思うほどではありませんでしたが、知見を広げるという意味では成果がありました。
まったくの私感ですが、フジヤエービックが中野で開催するヘッドホン祭とポタ研はマニアックで、eイヤホンが秋葉原で開催するポタフェスはコンシューマー向けという印象があったのですが、今年はこの印象が逆転しました。
良い悪いは特になくて面白いなと思いましたね。
いちユーザーとしては健全な形で切磋琢磨してもらえればと思います。
今回は以上です。
以下の記事も参考にしてくださいませ。
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