amahikasです。
先日、メインで使っている密閉型ヘッドホンのDT 1770 PROが故障してしまいました。
半年くらい前から右側の調子が悪くなることがあって様子を見ていたんですが、いよいよ慢性的に右側の音の出方がおかしくなったので修理に出すことにしました。
症状としては右側のみ音がかすれて低音がすかすかになるというものです。ドライバが定位置から少し外れたような音が出てました。
さほど時間はかからないだろうと楽観していたんですが、購入店のほうから早くても三月下旬になりそうという連絡がありました。
幸いなことにDT 1770 PROには2年間のメーカー保証があるので費用は多分かからないのですが、三月下旬というとヘッドホンの季節が終わってしまいます。
ヘッドホンをメインで使う私にとってこれは非常に大きな機会損失(笑)なので、DT 1770 PROがない間のつなぎのヘッドホンを買おうかなと思っています。
先日レビューをしたMezeの99 Classicsも手元にあって大活躍してくれているのですが、99 Classicsは少々味つけが濃いのでさっぱりとした音が懐かしく感じられてしまうんですよね。
DT 1770 PROのような音を出すヘッドホンはなかなかないのですが、Twitterのフォロワーさんが聞かせてくれたFocalのSpirit Classicの印象が非常に良く、DT 1770 PROに似た音の傾向だったので試聴をしてきました。
試聴環境
Cayin i5 DAP直で聴いてきました。音量は55から60でした。
iPhoneでも問題なく使うことができそうです。
試聴に使ったのはいつもの試聴曲です。
今回は直前まで99 ClassicsをCayin i5 DAP直で聴いていました。
Spirit Classicの試聴結果
At The End Of The Day / Les Miserables
冒頭の高域はきれいで細かい。パーカッションと歓声がよく聞こえます。
オーケストラの迫力は十分です。
低音の沈み込みはそこそこですが、低音の量は1770や99 Classicsよりも少ないです。
バランスは1770や99 Classicsに比べるとフラットに近いです。やや高音寄りで開放型のDT 1990 PROによく似ています。
音場がいつも聴いている以上に広く感じました。奥行き、左右ともに広いですね。
Flesh and The Power It Holds / Death
出だしのヒステリックなギターもいい感じに表現できてますね。
ドラムとベースが入ってくるパートでは疾走感もあります。
シンバル、ベースともによく表現されていて高域と低域はうまく共存できてるように聞こえます。ギターの歪みも良いですね。
音の密度が高いパートでは高域が少し聴きづらくなります。
解像力は99 Classicsより上ですが、1770よりは低いかなと感じます。
高域寄りなせいか、全体的に開放的で1770に似てます。
Master of Puppets / Metallica
この曲では音の余韻がきれいと感じました。また、フラットに近いバランスと全体的な解像力の高さ、開放的な音はこの曲でも聴くことができます。
ただし、中域がやや物足りないと感じました。迫力がなくなってしまうのでもう少し厚みがほしいところです。
低域についてもやや物足りなさがありますが、それほど気になりません。
Rio Rush / Fourplay
この曲にはとても合います。音の密度が低いせいか低音の沈み込みや量にも不足しているとは感じません。
解像力が高いので各楽器が聞き取りやすいですね。音もクリアで楽器の音色がキレイです。
それとこの曲でも音の余韻の残り方がきれいだなと感じました。
音場は99 Classicsや1770よりも広いですね。
Bisso Baba / Bob James
低音の沈み込みはやや物足りないものの許容範囲です。
それよりも曲のもつ雰囲気をうまく表現してくれますね。解像力は負けますが、1770よりリスニング寄りなので聴いていて気持ちがいいです。
Rock the Blues Away / AC/DC
この曲ではギターとシンバル音がやや尖っていて少し聴きづらさを感じます。
中域はやっぱり物足りないですね。もう少し量があるとこの手の曲も非常に聴きやすくなるんですが、製品名に「Classic」とあるので仕方がないところですかね。
Eighteen Angels / Michael Monroe
もう1曲ハードロックを聴いてみます。
この曲は気持ちよく聴くことができました。MetallicaやAC/DCよりも合うという印象です。
特にベースのノリがよく表現されていて自由奔放なギターもよく表現されてます。
Come Sail Away / STYX
出だしのピアノとボーカルはとてもきれいでDENONのAH-MM400を思い出します。
空間表現に長けていて高域と音の余韻がきれいです。
サビの部分では高域が粗くなってシンバルがやや聴きづらくなりますが、この曲は99 ClassicsやWestone 4Rの用にリスニング向けの製品じゃないかぎりは聴きづらくなるので問題ないです。
Crush / Kelly Sweet
女性ボーカルにも良く合いますね。
ちょっとした発生や声の生々しさが心地良いです。
ベースとアコギの鳴り方も自然で滑らかです。
解像力は1770ほどではないですが、Spirit Classicのほうが温もりがあるのがいいですね。
密閉型なのに開放感があるのがSpirit Classicの一番の特長と感じました。
Rangers / A Fine Frenzy
最後にもう1曲女性ボーカルを聴きます。
ベースのうねりとシンバルの音がよくマッチしてます。
ボーカルも変わらずきれいですね。
バックで鳴るアコギもいい雰囲気で聴かせてくれます。
まとめ
じっくりと選んでる時間がないのでいつもより入念に試聴をしました。
まず、音に関してはDT 1770 PROと99 Classicsに比べて特徴がはっきりしていました。
低音はもっとも量が少なく、沈み込みも浅いです。
中域はすこし量が少ないと感じます。このおかげでメタル系の音楽で物足りなさを感じました。
高域は1770と似ていて解像力が高く開放的です。
低域の量が少ないため、相対的に目立つので全体的に音楽を聴いた印象としては1770よりも開放的に感じます。どちらかというと開放型のDT 1990 PROに近いです。
音場は99 Classicsと1770寄りも広いと感じました。また、音の余韻の残り方が印象的でした。1770よりもリスニング寄りにチューニングしてるからかなと思います。
装着感は良好です。
イヤーパッドは99 Classicsと同じくらいで耳を覆うと言うわけでもなく、耳の上に乗せるというわけでもありません。ちょうど中間くらいです。
側圧は1770よりも少しきついでのでしっかりと耳に密着してくれると感じました。
音漏れを考慮するとこれくらいが好きですね。
遮音性は特に問題ありませんでした。
音漏れについては確認をしていませんが、おそらく1770以上、P7未満だと思います。
外観はこんな感じです。
FocalのSpiritシリーズ共通のデザインですね。
イヤーパッドはモチモチ。
個人的にありがたいのは折りたたみができることです。
現状、使用している密閉型ヘッドホンはすべて折りたたむことができないので携帯性がいまひとつなんですが、Spirit Classicは携帯性が良さそうです。
ケーブルのプラグはこのような形になります。
高級感のあるプラグで好感です。
携帯性の良さと1770、99 Classicsと違った音を聴かせてくれることを考えると、個人的には非常に魅力のある製品です。
メタル系の音楽にはいまひとつ合いませんでしたが、ジャズや女性ボーカルものは1770、99 Classicsと違った魅力を聴かせてくれるのは個人的に魅力を感じる点です。
早く決めたいのですが、今日のところは即決とはいきませんでした。
1770の代わりになる製品はそうそうないことはわかっていますので、あまり長く考えるつもりはありませんので数日で結論を出したいと思います。
今回は以上です。
以下の記事も参考にしてくださいませ。
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