密閉型ヘッドフォン beyerdynamic DT 770 PRO X Limited Edition ファーストインプレッション

ヘッドホン
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amahikasです。
ご無沙汰してます。更新のペースは落ちてますが音楽は聴いてます。外出をする機会も増えたのでポータブルオーディオ機器も出番が増えました。とは言え、オフィスに行くのは月に二回程度なので以前のようにポータブルオーディオ機器を購入するには至ってません。
久しぶりににブログを更新して気がついたのですが、2023年11月に購入したDUNU TALOSについて何も書いてませんでした。今さら書いても仕方がないので更新はしないでおきますが、現在使ってる機器には入れておきました。

さて、今回久しぶりにブログを更新した理由はDT 770 PRO X Limited Edition(以後、770 PRO X LE)を購入したからです。ポータブルオーディオを購入してこんなに興奮するのは何年ぶりでしょう。
まず、770 PRO X LEとはどういう製品かを紹介してから、ファーストインプレッションについて書いていきたいと思います。

DT 770 PRO X Limited Edition

770 PRO X LEは私が非常に気に入っているbeyerdynamic社が2024年4月に発売をした密閉型ヘッドフォンです。当ブログでbeyerdynamicを紹介するのは今さらという気もしますが、久しぶりの記事なので簡単に紹介しておきます。
beyerdynamicは1924年にEugen Beyerによって設立されたドイツのメーカーです。設立当初は映画館向けに大型スピーカーを開発していたようですが、1937年にヘッドホンのDT48、1931年にマイクロホンのM19と録音スタジオで私用する機器を開発しています。
第二次世界大戦を挟んでbeyerdynamicはスタジオで使用する機器を中心に開発を続け現在ではコンシューマー向けの製品も数多く開発、発売しています。
そんなわけでbeyerdynamicはポータルオーディオに限らずスタジオでプロが使うような製品を100年にわたって作り続けている世界的な老舗メーカーと言えます。

そんなbeyerdynamicですが、今年は設立100周年になります。その100周年を記念して発売されたのがこの記事で紹介する770 PRO X LEとなります。
私自身は30年近く密閉型のヘッドフォンを外出先で使用しているのですが、beyerdynamicの製品を初めて購入したのは2015年のDT 1770 PRO(以後、1770)です。ロングセラーとなっている名機のDT 770 PROは2015年以前にもよく試聴をしていたのですが音漏れがするのと装着感が合わなくて購入に至りませんでした。しかし1770は音だけでなくすべての面で自分に合っているので今でも愛用しています。1770のおかげでここ10年は密閉型ヘッドフォンへの散財をしなくて済んでいます。
770 PRO X LEに話を戻します。
770 PRO X LEは個人的に非常に惹かれる製品です。敬愛するbeyerdynamic社の100周年限定モデルというだけでなく、DT 900 PRO X用に新規開発されたSTELLAR.45ドライバーを搭載しています。DT 770 PRO X Limited EditionがDT 770 PROと同じドライバーを搭載していたらさほど気にならなかったです。STELLAR.45ドライバーは開放型のDT 900 PRO Xと密閉型のDT 700 PRO Xで採用されています。この2製品は残念ながらまだ試聴をしていません。
ケーブルとイヤーパッドが1770とDT 1990 PRO(以後、1990)と使い回せるのも魅力です。
最終的に購入しようと決めたのは約35,000円という価格です。円安のこの時代にこの価格はありがたく、失敗してもいいやと思えました。

そんなわけで770 PRO X LEは私にとって買わない理由が無い製品でした。普段は念入りに試聴をしてからオーディオ製品を購入するのですが、価格がリーズナブルということもあって試聴をせずに予約をしました。

視聴環境

770 PRO X LEで視聴をする環境を紹介しておきます。
私は自宅ではスピーカーで音楽を聴くので770 PRO X LEは主に外出先で使用します。よって現在使っているDAP(デジタルオーディオプレーヤー)のDX300と組み合わせるのがメインとなります。室内で聴く場合はCayin HA-300と接続をするかヘッドフォンDAC/AMPのGrace Design m9XXと接続をしています。

聴いている音楽はメタル系から女性ボーカル、ジャズ、フュージョンと雑多です。最近はボーカルものが少なくてInstrumentalを聴くことが多いですね。音源はCDから取り込むか配信サイトから購入をしています。試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。

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デザインと外観

ここからは画像で770 PRO X LEを紹介していきます。

外箱

外箱

まずは外箱です。
1770と比べると小さめです。

開封

開封

開封をすると本体とケーブルなどが梱包されています。

本体

本体

本体です。形は1770とよく似ているので個人的に新鮮さはありませんが、ベロアのイヤーパッドがシルバーなのは初めてなのでちょっとまぶしいですね。

左からDT 1990 PRO、DT 770 PRO X LE、DT 1770 PRO

左から1990、DT 770 PRO X LE、1770

1990、1770と並べてみました。ヘッドバンドはよく見ると770 PRO X LEのほうが少し細いようです。アームの部分も形状が少し違います。
イヤーカップは770 PRO X LEはプラスチックなので高級感は1770と1990が上ですが、軽量なのが770 PRO X LEのメリットかと思います。1770は外で使うには重すぎるという声も多いですが、770 PRO X LEであれば問題ないかもしれません。
ちなみに770 PRO X LEは305gで1770は388gです。

DX300で聴く

DX300で聴く

早速DX300と接続して聴いてみました。

HA-300で聴く

HA-300で聴く

こちらはCayinのHA-300です。普段はスピーカー用のアンプとして使っているのですが、770 PRO X LEと1770を聞き比べるのに使いたいと思います。

音の印象をちゃんと語るには聞き込みが足りていませんが、第一印象ではbeyerdynamicらしい音と感じます。1770と比べると全体的に少し柔らかさがあって、中域から低域にかけて量感があります。1770はどちらかというとシャープでキレのある低域を聴かせますが、770 PRO X LEはよりリスニングに合った音を聴かせてくれます。高域は少し粗さが目立ちますが、おそらくバーンインで解消されると思います。
音の細かさや解像力、各楽器の分離は1770のほうが優れていますが、770 PRO X LEも健闘しています。1770と比べて明らかに格下というようには聞こえません。
1770は正確に鳴らす傾向にありますが、770 PRO X LEは空間が広くてゆったりと聴かせる傾向にあります。私がもうひとつ愛用している密閉型ヘッドフォンにMEZE 99シリーズがありますが、こちらの聴きやすさと似ています。MEZE 99シリーズほどリスニング寄りではなくて基本的にモニター寄りの製品ですが、1770と比べるとって話ですね。

現在、手元にないので確かなことは言えないのですが、同じbeyerdynamic社のAMIRON HOMEあたりに似ているのではないかと思います。
ちゃんとした聞き比べは後日、記事にしたいと思います。

音量

インピーダンスが250Ωの1770と比べて770 PRO X LEのインピーダンスは48Ωです。
音量は基本的に取りやすいのでポータブルオーディオ機器と組み合わせる場合は770 PRO X LEにメリットがあるかと思います。

装着感

1770や1990と変わらない装着感で良好です。1770よりも軽量なので頭を振ったりするとズレるかなと思ったのですが心配無用でした。
また、1770には合皮パッドをつけていますが、770 PRO X LEにはベロアパッドをつけています。ベロアパッドのほうがズレやすい印象があるのですが、意外とよく収まっています。

イヤーパッド

前述の通り、シルバーのベロアパッドが付属します。
1770や1990と同じ規格なのでイヤーパッドは使い回すことができます。
1770と1990で試したかぎり、ベロアパッドよりも合皮パッドのほうが音漏れはしづらいのでいずれはDT 770 PRO X LE用に合皮イヤーパッドを購入したいと思っています。
イヤーパッドはbeyerdynamic社の製品以外にYAXI社やDekoni社などを試しましたが最終的にbeyerdynamicの製品に落ち着いています。beyerdynamic以外だとYAXIのK240SEがお薦めです。

ケーブル

お馴染みの着脱式の3Pin miniXLRケーブル(3m)が付属します。
室内で使うぶんには問題ありませんが、外で使う場合は短めのケーブルを購入することをお薦めします。私はORB AudioのClear force mini XLRと音光堂のBELDEN 88760ケーブルを愛用しています。ただ、Clear forceは結構高価になってますね。BELDEN 88760はかなり堅いので強くはお薦めできません。
私も1770と1990用のケーブルを決めるのに苦労をしました。長いとは言え標準ケーブルの質がいいのも理由のひとつです。3Pin miniXLRケーブルはAKGのヘッドフォンにも採用されている規格なので探せば色んなケーブルがあります。高ければ良いってものでもないので楽しみながらいろんなケーブルを試すのがいいかと思います。

音漏れと遮音性

770 PRO X LEは外で使うので音漏れは非常に重要です。
ベロアパッドをつけた770 PRO X LEと合皮パッドをつけた1770を比較しました。
DAP(デジタルオーディオプレーヤー)はDX300です。DX300の設定はHIGH GAINです。
1770だと音量を70まで上げても漏れませんでした。770 PRO X LEは42を超えるあたりから漏れ出します。1770のインピーダンスは250Ωで770 PRO X LEは48Ωです。単純に音量で比較はできませんが、1770で音量70だと私の耳でも音量は大きいと感じます。770 PRO X LEで音量42は物足りなさがあります。770 PRO X LEは音量を50くらいまで上げたいところです。

経験上、ベロアパッドは合皮パッドよりも音が漏れますので、一概に1770よりも770 PRO X LEは音が漏れるとは言えません。
音漏れに関する最終的な判断は770 PRO X LEに合皮パッドをつけてから判断をしたいと思います。

まとめ

音については今のところ期待以上です。beyerdynamicのヘッドフォンは50〜100時間ほど鳴らせばバーンインは終わると感じているのでしっかりと慣らした上で最終的な判断をしますが、今のところかなり満足です。外で使う密閉型のヘッドフォンは1770とMEZE 99 NEOを併用していますがそこに割って入ると予想しています。
現在、1770が約95,000円で販売されていることを考えると35,000円は破格と感じます。

音の他では音量の取りやすさと軽量であることがメリットになると思います。
さほどパワーの無い機器でも鳴らせますし、1770よりも外に持ち出しやすいです。
1770や1990を愛用している方ならイヤーパッドやケーブルを使い回せるのも魅力です。私もいろんなイヤーパッドとケーブルを試したので無駄に多く所有しているのですが、1770と1990で好みのケーブルは変わったりするので、770 PRO X LEに合うケーブルを探すのも楽しみです。

音漏れについては判断を保留します。私は他人よりも音量を大きくして聴く傾向にあるので、音漏れについては参考程度にしてもらえればと思います。

今回は以上です。

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