ようやく夏に慣れてきて体が楽になってたamahikasです。
ヘッドホンも使えないですし、夏はあまり好きじゃないんですが、ホッピーがおいしいのは良いですね。
さて、前回に引き続き、Twitterのフォロワーさんからお借りしているオリオラスのDAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプBD10 (CEIBA)を単体で聴いてみたいと思います。
前回のBD10とBA10(OAK)をセットで聴いた感想については以下の記事を参考にしてください。
好みは分かれるかなと思うものの、個人的にはとても気に入りました。
特に私の環境だとなかなか出ない傾向の音で質も良いと感じています。
Oriolus BD10 (CEIBA)
前回と同じ内容ですが、初めて読む方のために簡単に製品を紹介しておきます。
BD10はDACにES9018Sを2基搭載し、PCMは最大32bit/384kHz、DSD256のネイティブ再生に対応します。
入力はUSB、Coaxial、Optical、アナログライン入力と豊富です。
出力はヘッドホン出力(3.5mm)とアナログライン出力、バランス接続となっています。
詳細については公式サイトを参考にしてください。
BD10の写真
続いて写真です。
こちらも前の記事と同じ写真になります。すでに見た方は飛ばしてください。
BD10の前面は左から3.5mmヘッドホン端子、バランス端子、ラインアウト、ゲインスイッチ、入力切り替えスイッチ、ボリュームつまみと配置されています。
電源はボリュームつまみを回すことによって入るようになっています。
BD10の背面は左からUSB入力端子、同軸入力端子、光入力端子、USB電源入力端子が配置されています。
USB端子が二つありますが、音声用と電源用はそれぞれ独立しています。
試聴環境
試聴環境にはMacBook ProとAudirvana Plusを使いました。
Audirvana Plusはいつも通りの設定ですが、余分な要素は省きたかったのでアップサンプリングは無効にしました。
ヘッドホンはDT 1990 PROとDT 1770 PROをメインで聴きました。1990はORBのClear Forceを、1770にはADL iHP-35X IIをつけました。これは私が普段自宅で聴いている環境です。
音源はいつも通り、主にCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)です。
試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。
なお、この記事ではせっかくなのでBD10単体とBD10+BA10セットの聞き比べをしたいと思います。
BD10単体とBD10+BA10セットの聞き比べ
Bisso Baba / Bob James
音の傾向は変わりませんが、BD10+BA10のほうが中域と低域に量感が出ます。特に低域はわかりやすいと思います。
高域もBD10+BA10のほうが良くて解像力が高く、音の粒が細かいです。また、前回の試聴で感じた乾いた音質が強調されます。
Rio Rush / Fourplay
前の曲と同じような違いを感じることができました。ただし、この曲に関しては高域はさほど差がないように思います。
全体的な力強さ、迫力はBD10+BA10のセットのほうが出るのにかわりはないです。
At The End Of The Day / Les Miserables
この曲では特に高域の差が顕著でした。解像力が高く、音の粒が細かく、全体的に滑らかな聴感となります。
前の2曲と比べると重低音が含まれる音源ではないので低域の量感についてはそれほど差を感じませんでした。ただし、中域も含めたオーケストラの迫力はBD10+BA10のほうが出ますね。
Flesh and The Power It Holds / Death
この曲ではBD10のほうがすっきりとした音に聞こえます。いわゆる付帯音がカットされていてクリアな音になりますね。一方、BD10+BA10は残響音がよく残るのと、音場が少し広がるように感じます。
聴きやすいのはBD10+BA10のほうですが、モニター的な用途だとBD10単体のほうが合うと思います。
これまでの曲だとBD10+BA10のほうがはっきりと好みと言えたんですが、この曲の場合はどちらも好きです。
特にギターソロのパートではギターのヒステリックな音がシャープですし、バックで流れるベースの音もタイトです。
Master of Puppets / Metallica
この曲ではさほど大きな違いは感じません。
高域は少し乾いた音になりますが、注意をして聴かないとわからないレベルです。
それと、中域と低域にやや量感が出て音場が広がるかなというくらいですね。
Crush / Kelly Sweet
この曲はBisso BabaやRio Rushと同じ違いを感じることができました。
ボーカルがわずかに刺さる曲でもあるんですが、BD10+BA10では刺さることなく柔らかい音に変わります。
この手の音の密度が低く、録音状態も良い曲に関してはBD10+BA10のほうが好みという傾向にあります。
Rock the Blues Away / AC/DC
前回の試聴で非常に相性の良かったAC/DCです。
この曲ではBisso BabaやRio Rushで感じたのと同じ違いを感じることができました。
もっとも大きな違いは乾いた高域です。
まとめ
BD10単体でも高いパフォーマンスを発揮してくれるというのが率直な感想です。
モニター系の音が基本ですが、リスニングにも適した音というのはBD10+BA10と共通しています。解像力は全体的に高く、音の粒も滑らかです。
全体的なバランスはフラットに近く、特定の音域を強調することもないですし、自然な鳴り方をするので音源に対して素直だと感じます。
BD10+BA10との違いはいくつかあるんですが、特徴的なのは高域だと思います。
前回の試聴レビューで非常に印象的だった高域の乾いた音質はBA10によるところが大きいと感じました。BD10単体でも同じような傾向の音は出るのですが、AC/DCやZZ Topなどで比較をするとBA10と組み合わせたほうが効果は大きいです。
BA10と組み合わせると中域から低域の量感が増えて全体的に聴きやすくなります。音場が広がるのもポイントですね。
BD10単体だと高性能なモニター系DACアンプとなるところですが、BA10と組み合わせることによって個性が出る製品という印象を受けました。
おそらくBD10単体だけだったら私の印象はこれほど良くはなかったでしょう。
音の違いはDT 1770 PROとDT 1990 PRO、どちらで聴いても同じような印象を受けました。
メタル系の音楽の場合、BD10単体とDT 1990 PROの組合せだと少し迫力が不足します。
1990には1990の良さもあるんですが、メタル系に関してはBD10+BA10と1770の組合せのほうが好みに合います。
今回は以上です。
次回はBA10単体でどのような音が出るか試してみたいと思います。
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