気ままに試聴 FOCAL 開放型ヘッドホン ELEAR

amahikasです。
Twitterのほうでは度々つぶやいているのですが、2016年秋にフランスのオーディオメーカーのFOCALからELEARという開放型ヘッドホンが発売されました。
友人からたまたま聴かせてもらう機会があったので、少し聴いてみたのですが、あまりにも音の出来が良く、私の好みにも非常に合いました。
現在、開放型ヘッドホンというとbeyerdynamicのDT 1990 PROを使用していて、これも非常に気に入っているのですが、ELEARはDT 1990 PROを手放してでも欲しいと素直に思わせるほど好みでした。

ただし、現状では在庫が不足しているのと、国内で買うと価格が高い(約17万)こともあって購入は見合わせています。
今年はDAPのOPUS #3やスピーカーとアンプも購入したということもありますが、いくら気に入ったとは言え17万もする製品を即購入するのは難しいです。(笑)

そんなELEARですが、友人にちょっとわがままを言って貸してもらうことになりました。
自分の感想を記事にしておきたかったというのもありますし、店頭で試聴をするよりもしっかりと聴き込むことができるからです。

そんなわけで今回はFOCAL社のELEARをじっくりと紹介していきたいと思います。

ELEAR

ELEARは2016年秋に発売をされた開放型ヘッドホンです。
国内での価格は約17万円とそれなりに高額です。

ELEARの最大の特徴は同時に発売された同社のフラグシップ機UTOPIAと同様に、スピーカー用のドライバーを採用していることです。
FOCALはヘッドホン業界ではまだ比較的新しいメーカーですが、スピーカーメーカーとしては老舗です。Spiritシリーズでヘッドホンのノウハウを蓄積し、いよいよスピーカーメーカーが本気で作ってきたヘッドホンという印象を持っています。

詳細については公式サイトを参考にしてください。

ELEARの販売について

先ほど公式サイトとして、ロッキーインターナショナル社のサイトを紹介しましたが、FOCAL製品の日本での販売はラックスマンに移管されることが最近、発表されました。

まだ詳細は発表されていませんがラックスマンがスピーカーだけでなくヘッドホンも扱うことになる模様です。

残念ながらELEARは現在、国内での在庫がないようで購入することができません。ラックスマンから価格などの正式発表があってから販売再開となると思っています。

試聴環境

試聴環境にはCayin i5 DAPとOPUS #3をメインで使いました。i5はLOWゲインで、OPUS #3はHIGHゲインで聴きました。イコライザー類はすべてオフにしてあります。
ケーブルは標準ケーブルを使用しました。

その他の環境としては、MacBook ProとAudirvana Plus 3も試しました。
この場合、MacBook ProにはUSB DACを接続しています。USB DACとしては手元にあるHERUS+やこれまた友人からお借りしているオリオラスのBD10とBA10を使います。

音源はいつも通り、主にCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)です。
試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。

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ELEARの試聴結果

Bisso Baba / Bob James

まずはOPUS #3から聴きます。非常にナチュラルで柔らかい音が出ます。
解像力はOPUS #3の性能もあるのでとても高いというわけではありません。特に最近はBD10とBA10という非常に解像力の高い製品を聴いているので余計に違いを感じます。

音場の広さが特徴だと思います。無理矢理広げるということはないのですが、音源のもつ音場を素直に表現しているという印象です。
全体的にはフラットに近いバランスでクセはないです。リスニング寄りの傾向にあり、モニター系ではないです。ただ、ひとつひとつの音の粒はそれなりに細かいですし、音の分離もそこそこです。
高域は必要以上に強調されていませんが、シンバルやピアノの音は質が高く、刺さったり粗くなることもありません。とても滑らかです。
中域は中庸であまり主張をしませんがしっかりと全体を支えています。
低域はよく出ています。深さもありますし、量感もあります。これまで聴いてきた開放型とは一線を画します。どちらかというと密閉型のDT 1770 PROやMM400に近い低音の深さと量です。

i5に変えるとやや硬質な音に変わりました。高域は繊細に聴かせながらも、中域と低域には力強さと迫力が増します。低域に関しては量感も少し増えます。
OPUS #3と異なる点としてもうひとつあげたいのはピアノのアタック音です。
i5のほうがアタック音がやや強くなります。ピアノの音に限定すると”Bisso Baba”のような曲はi5のほうが好みです。

Rio Rush / Fourplay

まずはi5で聴きました。
前の曲と同じ特徴を感じます。全体的に開放感があり音の抜けも良いです。同じ開放型のDT 1990 PROもそうですが、こもるという感覚がまったくないですね。
その割に、中域と低域に適度な厚みと量感があるのがELEARの特徴だと思います。

私が初めて聴いた開放型ヘッドホンはAKGの712 Proで、現在所有しているのはDT 1990 PROです。開放型のヘッドホンは密閉型特食べて音の抜けが良く、スピーカーに近い音を聴かせてくれるという印象があるんですが、中域と低域については大人しくなると感じています。
DT 1990 PROも密閉型のDT 1770 PROに比べると中域と低域の量感が少ないので、「開放型とはこういうもんなんだ」と思っていたんですが、ELEARはいい意味で私の開放型ヘッドホンに対するイメージを壊してくれます。

OPUS #3で聴いた場合、i5と違って全体的に柔らかくて優しい音になります。
上流(再生機)の特性もちゃんと出ていますので、ELEARは割と素直だなと感じます。

全体的に聴きやすい傾向の音ですが、立ち上がりや応答速度も速いです。
モニターとしても優秀な性能ですが、聴きやすさの点においても優秀です。

At The End Of The Day / Les Miserables

OPUS #3から聴きました。
出だしのパーカッションの高域が細かくてきれいです。クラッシュシンバルの音も自然で無理のない高音を聴くことができます。

中域に厚みがあるので、オーケストラの迫力も伝わりますし、その上で鳴る女声コーラスも迫力があります。コーラスに関しては細かく聞き分けることもできますね。解像力も優秀です。
低域については量感だけでなく、下までよく出てると思います。低いパートを担当する弦楽器の低い音もちゃんと鳴らしてます。

i5だと少しスピード感が上がります。また、オーケストラの迫力も増しました。

この曲はライブ録音ということもあって音質はとびっきり良いというわけではありません。
製品によっては粗くなったりするんですが、ELEARは細かい音を鳴らしながらも全体的に心地良く聴かせてくれます。
音の粒の先端が尖ることなく丸まっているので、適度な滑らかさの聴感となるという印象です。

それと音の強弱や明暗を表現するのもうまいと感じました。
この辺は前にメインで使っていたP7とよく似ています。
ただし、P7ほどわかりやすい表現ではなく、あくまでも自然な表現となっています。

Flesh and The Power It Holds / Death

メタル系も聴いてみました。
迫力、スピード感、たたみかけるような暴力性も表現されていてまったく問題ないですね。
1990だと中域と低域の厚みが少し不足するので全体的に迫力が不足したりするのですが、ELEARではそういうことがないです。

OPUS #3で聴くとスピード感と迫力はi5よりもやや落ちるものの、聴きやすさという点では勝ると感じます。またあくまでもi5と比べた場合であって、OPUS #3とELEARの組合せでも十分にこの曲の魅力は伝えてると感じます。

Master of Puppets / Metallica

メタル系が続きます。
最近はこの曲で違和感を感じる製品が多いんですが、ELEARはまったく問題ないですね。
むしろ、こう鳴らして欲しいという音が鳴っています。

OPUS #3とi5の違いはこれまでに書いたのと同じです。スネアのアタック音はi5だと力強く、OPUS #3は少し柔らかいです。ここは好みが分かれるところかもしれません。
OPUS #3、i5ともに特にいいと感じたのはジェームズ・ヘットフィールドのボーカルです。少しエコーがかかったように録音されているんですが、それがきちんと表現できてます。

Crush / Kelly Sweet

女性ボーカルをi5から聴いてみます。
ベース音はタイトさと量感のバランスが良いです。アコギの音が細かくて繊細に鳴るのも印象的です。
高域のシンバル音も粗くなったり刺さることはないです。
女性ボーカルも刺さらないのですが、音源通りだと少し刺さるはずなので、ELEARがいかに聴きやすいように作られてるかがわかります。

Rangers / A Fine Frenzy

もうひとつ女性ボーカルものを聴いてみます。
ちょっと驚いたのはスピード感がよく表現されていることです。もう少しまったりと聞かせてもいいのですが、意外とスピード感が表現されることに驚きました。

うねるようなベース、シンバル、女性ボーカルと、今までに聴いたことがないくらいのレベルで表現されています。
この曲は女性ボーカルものとは言え、各楽器で聴きどころが多いのですが、すべての楽器が生き生きと鳴ってるなという印象です。

Near the End / Mat Zo

最近、聴き始めたトランスも1曲聴いてみます。
この曲とアーティストは今のところ一番気に入っています。

音場は広めに感じます。
各楽器の細かい表現もよく聴きとることができます。トランスというジャンルですが、音が変に跳ねて必要以上に元気な音に鳴らず、落ち着いた聴感となります。
ここも私の好みに合います。

次ページに続きます。

コメント

  1. Shinya より:

    こんにちは。
    私もFocalのElearの音はとても好みです。
    これにもっとも近いのは(密閉型で意外ですが)DENONのAH-D7200だと思います。
    昨年秋に公開された際の試作機をお聞きになられたようですが、そのときとは大きく変わっていますので、改めて製品をお聴きになれれてみてはいかがでしょうか。
    http://pansaku.exblog.jp/25115394/

    • amahikas より:

      Shinyaさん、コメントありがとうございます。
      ブログも拝見しております。(^^)

      D7200ですが、おっしゃる通り私が昨年聴いた印象ではあまり良くなかったです。
      ELEARとは開放型と密閉型で方式も違うのでまったく別物という気がしてますね。
      ただ、MM400を使ってるように好きなメーカーでもありますので、D7200はもう一度聴きたいと思ってました。
      機会を作って聴いてみますね。