amahikasです。
ポタフェス2018のレポートその4です。この記事でポタフェス2018の記事は最後になります。
試聴環境
本題に入る前に今回のイベントの試聴環境を紹介しておきます。
悲しいことにメインで使っているふたつのDAP(Cayin i5、OPUS #3)が故障をしているため、ヘッドホンやイヤホンの試聴は諦めていました。ありがたいことに友人がCayin i5を貸してくれたので、今回のイベントはCayin i5で試聴することができました。
ということで、今回の試聴にはCayin i5をDAP(デジタルオーディオプレーヤー)として使用しました。ヘッドホンはメインで使っているbeyerdynamicのDT 1770 PROです。
暑くなってきてからDT 1770 PROは使ってないんですが、涼しい電車の中で久しぶりに聴きました。やはりいいですね。(笑)
Cayin i5はLOW GAINでイコライザーやエフェクト類はすべて無効にしてあります。DT 1770 PROにはORBのClear forceといういつもの私の環境で試聴をしました。
音源は主にCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)です。
たまにHF PlayerでFLACの96kHz/24bitの音源も聴きます。
試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。

GRADO GW100
あのGRADOがワイヤレスヘッドホンを出すというのでちょっと驚きました。GRADOは以前も書いたのですが、過去に友人に聴かせてもらっていい印象があります。特にZZ TopやAC/DCといったギターリフを多用するロックによく合うという印象を持っています。
ただ、GRADOは開放型ヘッドホンをメインで作るメーカーなので密閉型はないんですよね。開放型ヘッドホンは使用頻度が少ないので買うのは控えてます。
ワイヤレスとなれば密閉型なのかなと期待したのですが、残念ながらセミオープンでした。(笑)
今回イベントで聴いたGW100ですが、Bluetoothのスイッチ部分が故障してしまったため、有線でしか聴くことができませんでした。
音の感想
i5の音量は57で聴きました。
Rio Rush / Fourplay
音が出てすぐに「GRADOの音だ」と思いました。全体的に開放感があって音の抜け方が気持ちいいです。音がこもることがないので自然と高域寄りになりますが、GW100はセミオープンだからか低域も量感があって下まで出てます。
ギターリフの音が軽快に鳴るのももちろんいいのですが、ドラムのタムのアタック音が快適でした。
Sharp Dressed Man / ZZ Top
期待していた以上によく合ってました。GW100は約2.5万円を予定しているので、この価格でこの音ならかなり魅力的です。
Bisso Baba / Bob James
低域の聞こえ方を確認するためにこの曲を聴いてみました。思っていた以上に低域が目立ちました。ピアノの響き方もいいですし、シンバル音も歯切れが良くて好みの鳴り方でした。この手の音楽にも合うのは新たな発見です。
GW100のデザイン
GRADOらしいデザインですが、質感がいいのと細部の作り込みもよくできています。これまで見てきたGRADO製品は民芸品という表現がピッタリの作りだったのでちょっと意外でした。(笑)
ワイヤレスモデルなのでケーブルの着脱も可能です。私が見たかぎりでは特殊な形状ではないので比較的どのようなプラグでも挿さるんじゃないかと思います。
装着感
装着感は柔らかめです。側圧もあまり感じませんでした。長時間、装着をしても耳が痛くなるようなこともないかなという印象です。そうかといってちゃんと装着できずに音が変わってしまうということもありませんでした。
その代わり、外で歩きながら使うにはさすがに無理があると感じました。ちょっと頭を振るとヘッドホンの位置がずれて音が変わってしまいます。あくまでも室内で頭をあまり動かさない状態で使うことが前提で作られてるようです。
ゼンハイザー HD 820
ようやくHD 820を聴くことができました。
HD 820はゼンハイザー社の密閉型ヘッドホンのフラグシップとなる製品です。HD 800 Sの密閉型バージョンとも言われています。
昨年、HD 800とHD 800 Sとの聞き比べをしました。ポータブルオーディオは密閉型ヘッドホンをメインで使っていますので、あの音を外に持ち歩けるならいいなぁと思って聴いてみました。
音の感想
据え置きのヘッドホンアンプで聴いたほうが本領を発揮するんだと思いますが、実際に私が外で使うならDAP(デジタルオーディオプレーヤー)に直接試聴をすることになるので、i5直で試聴しました。
i5の音量は73から81で聴きました。DT 1990 PRO並みに鳴らしづらいですね。
Master of Puppets / Metallica
中域に量感がなく、全体的に迫力不足となりました。HD 800で聞いたときとおおむね同じ感想です。
Bisso Baba / Bob James
この曲にはよく合います。落ち着いた上品な鳴りっぷり。全体的にクリアですっきりとした聴感となり、ピアノの音と響き方がきれいです。ベースは下まで出てるし量感も十分です。
Rio Rush / Fourplay
シンバル音もきれいに鳴らしてますし、ベースのグルーブも表現できてます。この曲もピアノがいいです。
ここまで聴いてHD 820は密閉型ですが密閉されてる感覚が少ないと感じます。密閉型の1770と開放型の1990の違いは明らかですが、HD 820はHD 800と比べてさほど大きな違いを感じません。
Crush / Kelly Sweet
ボーカルは音源通りに少し刺さる程度です。前に出てくることもなく奥に引っ込むここともないです。音場が通常よりも少し広めに感じます。目立つベースの音も少し温もりがあるもののキレ重視の傾向です。バックで静かに流れるアコギもとても心地良いです。
各楽器の音がしっかりと鳴らせてるなぁと感じます。
Flesh and The Power It Holds / Death
この曲では少し中域の量が物足りないのと、ややパワー不足に感じます。それと高域が少し聞きづらくなることがあります。ちゃんとしたアンプがあったほうがいいのでしょうね。
しかしi5直でも不満というレベルではなく、それなりに聞かせてくれます。
At The End Of The Day / Les Miserables
HD 800とHD 800 Sと同様にこの手の曲にはよく合いますね。音場がグッと広がってアリーナで演奏されているということを思い出させてくれます。
HD 820のデザイン
HD 820はHD 800とHD 800 Sとほぼ同じ外観です。写真ではわかりづらいのですが、HD 820はハウジング部分に透明なガラストランスデューサーカバーを搭載しています。
また、HD 800とHD 800 Sと比べて少し厚みがあるように見えます。イヤーパッドも合皮で少し厚みがありますね。
せっかくなので前にHD 800とHD 800 Sを聞き比べたときの写真も掲載しておきます。双方とも本体とイヤーパッドが少し薄いのが伝わればと思います。
装着感と遮音性
側圧は緩めで、長時間装着をしても問題のないタイプと感じました。HD 800とHD 800 Sと似た装着感ですが、イヤーパッドの材質も違うのでHD 800とHD 800 Sのほうが快適化とは思います。
イベント会場で聴いてもその音が気になることはなかったので遮音性は高いです。残念ながら音漏れについてはチェックできませんでした。
音漏れがなければ外でも使えると思いますが、装着感が緩いので多少は漏れてしまうのかなと思います。
まとめ
まず、GRADOのGW100ですが、とても気に入りました。今週の発売を予定していて25,000円前後になるとのことです。
GRADOのヘッドホンはひとつ欲しいなと思っていたので、引き続き注目して見ようと思います。また、私はワイヤレス機能は不要なので、同社のSRシリーズも試聴してみようと思いました。GW100を買っても外で使うことはないでしょうから、初めっから開放型を買うほうが良いという判断です。
続いてHD 820は開放型のHD 800とHD 800 Sとあまり変わらない音を出すことに驚きました。音が漏れないのであれば、HD 800やHD 800 Sの音を外で聴くことができるので非常に魅力的な製品と感じました。
ただし、メーカーの方に価格を聞いたところ、30万円弱という回答だったので私には買えないことも判明しました(笑)
ちゃんと聞き比べたわけではありませんので参考程度に読んでほしいのですが、HD 800 SとHD 820の違いは高域にあると思いました。HD 820は密閉型にしてはよくHD 800 Sの音を再現してると思いますが、やはり高域が少し聴きづらくなります。HD 800 Sのほうが滑らかだったと記憶しています。
文中にも書いたようにもしかするとそれなりのアンプを通すことで解消されるかもしれません。HD 800 Sは据え置きのヘッドホンアンプm9XXで聴きましたからね。
最後にポタフェス2018の感想を書いておきますが、広々としたフロアなので今回も快適でした。並んでるブースもそこそこありましたが、他のブースの迷惑になることもないので気持ちがいいです。
展示をしているメーカーについてもマニア向けから一般層にも訴求する製品があったりと幅広くて良いんじゃないかと思いました。
今回は以上です。
以下の記事も合わせて参考にしてください。




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