じっくりと試聴 iBasso Audio CF01 TWS+ Bluetooth IEM Adapter

イヤホン

amahikasです。
まだワイヤード(有線)環境をメインで使ってますが、Bluetoothワイヤレス環境も音質の向上が日進月歩と実感してます。さて、今回はiBasso Audioが発売したCF01について書いていきます。

iBasso Audio CF01

このブログで改めてiBasso Audioを紹介することもなかろうと思いますが、簡単に紹介しておきます。古くから高音質を追求するオーディオ好きのためにDAP(デジタルオーディオプレーヤー)やポータブルアンプを開発してきました。個人的にはiPodとWalkmanの2強時代にポータブルアンプを使ってました。

今回紹介するCF01ですが、Bluetooth製品にしては変わった仕様となっています。まず、いまもっとも人気のあるTWS(True Wireless Stereo)を採用しつつ、MMCXコネクタタイプのイヤホン(IEM)なら本体の付け替えが可能です。すなわち自分のお気に入りのイヤホンをCF01と組み合わせて使うことができるため、「お気に入りのイヤホンをTWS化できる」のが最大の特徴です。
CF01のもうひとつの強みはTWS+(True Wireless Stereo Plus)に対応していることです。TWSでは片方のイヤホンが送信機から音声データを受信し、もう片方のイヤホンに音声データを送信します。TWS+ではそれぞれのイヤホンを送信機とペアリングします。このため、片方のイヤホンが送信と受信の二役をこなす必要がありません。一般的には通音声データの通信が安定し、バッテリーの消費も左右で均一になると言われています。詳細は下図を参考にしてください。

米クアルコムのWebサイトより引用。左がTWS、右がTWS+

左右のイヤホンの遅延を抑制できるというメリットもあるため、今後はTWS+が主流になっていくと思います。

CF01に話を戻すとBluetooth 5.0に対応していたQualcomm QCC3020を搭載し、コーデックはaptX、AAC、SBCに対応しています。独立したアンプチップを搭載しているのも強みですね。本体側のバッテリーは最大で4時間持続し、1.5時間でフル充電が可能です。専用ケースにもバッテリーが搭載されていてこちらは本体を20時間充電することができます。専用ケースはUSB充電の他、ワイヤレス充電にも対応しています。本体側のバッテリー持続時間は少し短い気がしますが、アンプチップを独立させて音質を優先した結果なんだろうと思います。
その他、CF01はIPX5の防水規格に、音声アシスタント、ノイズキャンセリングに対応しています。

なお、CF01はアダプターなのでイヤホン本体は同梱されません。CF01だけだと音楽を聴くことはできません。必ずMMCXコネクタのイヤホン(IEM)を用意しましょう。

詳細については公式サイトを参考にしてください。

iBasso Audio CF01
musin国际
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試聴環境

試聴にはAndroidスマートフォンのOPPO Find X2 ProとDAP(デジタルオーディオプレーヤー)のCayin N6ii/E01を使いました。MMCXイヤホンはPinnacle P1を最初に試したのですが、CF01との相性がいまいちだったため、CayinのYB04と組み合わせました。YB04は2Pinコネクタのため、2PinをMMCXコネクタに変換するアダプタを使用しました。本来、こういった変換アダプタは本体側のコネクタを傷めそうなので常用はしないのですが、試聴のために規格を合わせるには便利です。

最終的にはCF01 + YB04を組み合わせて、OPPO Find X2 ProとiPhone XS Max、Cayin N6ii/E01とBluetoothでペアリングしています。コーデックはaptXかAACです。これから書く感想はCF01 + YB04 + N6ii/E01の組合せでコーデックはAACです。何故この組合せなのかは後述します。
試聴に使う音源はいつもと同じ曲です。
主にCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)で、試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。

オーディオの試聴によく使う曲と聴きどころ(2020年1月改訂版)
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試聴結果

Bisso Baba / Bob James

少し中域から低域にかけての量感に物足りなさがありますが、全体的に滑らかできめ細かい音を聴かせてくれます。個人的には高域が気に入っていて、ワイヤレスとは思えないくらいの滑らかさと開放感があります。低域の量感についてはさほど不満はありませんが、下までしっかりと出ているとは感じないです。もう一歩というところでしょうかね。

Golden Faders / Fourplay

出だしのシンバル音が有線と遜色がないくらい滑らかです。ピアノの音はもう少しアタック音が強くて目立って欲しいところですが、違和感はありません。ベースの音はタイトでキレがあります。ただ、この曲でももう少し下まで出て欲しいと感じます。また、包み込むような感覚はちょっと薄いです。

Master of Puppets / Metallica

この曲は良いですね。中域にさほど量感はないので物足りなく感じる方もいるかもしれませんが、個人的には全体的にすっきりとしていてスピード感のある表現が好きです。メタルなので迫力や音圧を求めるとつらいかなとは思います。

At The End Of The Day / Les Miserables

情報量と音の数の多さに負けてないですね。冒頭の歓声とパーカッションも滑らかに聞こえます。さすがに低音を担当する弦楽器の低い音は表現が甘いですが、オーケストラの密度の高さやコーラスの細かさは表現できてます。迫力はそこそこですがスピード感の表現が優秀です。

Crush / Kelly Sweet

アコギの音は繊細に表現できてるのとベースのキレと包み込むような柔らかさを同時に表現してるのはポイントが高いです。女性ボーカルは前に出すぎず、後ろに下がりすぎずという感じです。
低域の深度については少し物足りないのは他の曲と一緒ですが、音の深さと奥行き感も少し物足りないです。

Days of Wonder(Original Mix) / M6

高域は滑らかさと開放感があって有線環境に迫る音なんですが、低域はやはり物足りないです。量感はそれなりにあるのですが、下まで出てこないので不足感があるという印象です。

デザインと外観

写真で見ていきましょう。

 

CF01箱

箱はコンパクトで好印象です。

ケース

箱を開けるとCF01のケースが入ってます。ケースが収納されている仕切を外すと下にUSBケーブル、説明書、保証書が入っています。

ケースの内側

ケースを開けました。工場出荷時の状態だと、CF01本体のみが収納されています。この写真ではCF01にPinnacle P1をつけています。
比較的大きなスペースがあるので大きめのイヤホン(IEM)でも収納できます。先に紹介したAusoundsのAU-Stream Hybridのケースはコンパクトなのは好印象なのですが、純正品以外のイヤーピースをつけただけでケースが閉まらなくなるギリギリの設計だったので、苦労しました。多少、大きくなっても実用上は広い空間を持つケースのほうが使いやすいと感じました。

ケース(充電中)

CF01をケースにしまうと充電が始まります。ケースにはLEDがあって充電中は点滅するようになっています。このケースはUSBケーブル(Type-C)とワイヤレスのふたつの方法で充電が可能です。

CF01本体

こちらはCF01本体です。本体下部には充電用の端子があり、ケースに正しく収めないと充電はされません。

本体上部

こちらはCF01の本体上部です。先ほどのPinnacle P1をつけた状態です。CF01の本体上部にはスイッチがあり、長押しで電源ONとペアリング開始といった操作が可能です。

CF01とPinnacle P1

CF01とYB04

 YB04は2PinコネクタなのでMMCXに変換するアダプタを挟んでます。

装着感

CF01本体とイヤホン(IEM)はケーブルで接続されているため、耳掛け型とほとんど同じ装着感となりました。個人的には耳掛け型じゃないと十分な装着感が得られないため、TWSと言っても装着感で悩まなくても良いのはありがたいです。

音漏れと遮音性

これは組み合わせるイヤホンによって変わります。私が試したPinnacle P1とYB04はどちらも有線接続をした時と同じ遮音性が得られ、音漏れについても同じでした。

Bluetoothの接続性と音質

いろんな組合せで試しました。もっとも安定したのはiPhone XS MaxとCF01をAACで接続したときです。音質的にも尖ったところがなく安心して聴くことができました。AndroidスマートフォンのOPPO Find X2 Proとの組合せは、iPhone XS MaxとAACに比べて帯域バランスが広く、解像力も高いです。細かい音を聴くには最適なんですが、高域の高いところと低域の低いところは少し音がゆがみます。上と下がザラッとした聴感になるのであまりお薦めはできません。それとaptXは途切れることが多いです。OPPO Find X2 ProでもAACを試しましたが、こちらはBluetooth通信も安定しますし、音質的にも違和感はありませんでした。
最後にメインで使ってるDAP(デジタルオーディオプレーヤー)のCayin N6ii/E01との組合せですが、こちらもOPPO Find X2 Proと同じでした。aptXで接続すると少し不安定で、音質的にも違和感があります。AACでつないだほうが接続性も音質も安定します。

Bluetooth接続についてはLDACがもっとも音は良いと感じています。しかし、LDACは接続性が少し不安定になります。CF01はLDACに対応していないので、今回はaptXを試しましたが、あまりいい印象は受けませんでした。LDACは接続性が不安定になるものの有線接続に近い音を聴かせてくれます。aptXは音質的に違和感がありました。

CF01の操作

CF01の操作方法についても紹介しておきます。
一般的なTWS製品だとイヤホン本体を触ることによって操作をしますが、CF01は耳の裏側にある本体上部のスイッチを触って操作します。

・再生/停止  左右共通1回押し
・電源ON/OFF  左右共通3秒間長押し
・ペアリング  左右共通5秒間長押し
・曲送り  右側2回押し
・曲戻し  左側2回押し

最近、先にレビューをしたAusoundsのAU-Stream Hybridを使っていたので、慣れるまで時間がかかりましたが、慣れてしまえば特に問題はありません。

まとめ

まずはメリットとデメリットをまとめます。

メリット

  • MMCXコネクタであればお気に入りのイヤホン(IEM)が使える
  • 今まで聴いたBluetooth製品でトップクラスの音
  • ケースのサイズ
  • 装着感

Bluetooth製品のレビューの度に書いてる気がしますが、やはり普段から有線で使っているお気に入りの製品を無線化できるのは嬉しいものです。ただでさえ有線タイプのイヤホン(IEM)で音も装着感も気に入る製品というのはあまりないので、無線タイプも一から選び直しになるよりも楽です。
お気に入りの有線イヤホンを無線化するというとES100Shanling Q1といったワイヤレスDAC/AMPをお薦めしてきました。今回のCF01は製品コンセプトこそ異なるものの「お気に入りのイヤホンを無線化」できるという点ではワイヤレスDAC/AMPをさらに突き詰めて「お気に入りのイヤホンをTWS化」できるというメーカーの売り文句に納得をしました。

音質についてはShanling Q1には及びませんが、ES100は超えてます。ただし前述の通り、aptXではなくAACでペアリングすることをお薦めします。個人的にAACは無難な音質であまり攻めたところがないという印象なんですが、CF01やShanling Q1のように上流の音作りがしっかりとしているとAACでも十分だったりします。今回、CF01をAACで使ってこの思いは強まりました。

CF01のケースですが高級感や質感が高いタイプではありません。しかし、サイズが大きいので大きめのイヤホン(IEM)と一緒にケースに入れても大体は収まると思います。

装着感についてはTWSタイプの製品であるものの、本体を耳にかけることができるので、非常に安定します。個人的にはネックバンド型の製品のほうが安定するので好きなんですが、CF01はネックバンド型と同じくらい安定しました。

デメリット

  • 電池持ちがいまひとつ
  • 接続性

音質が良いので仕方がない部分もありますが、最大4時間のバッテリーは少し物足りないです。うっかりケースに入れ忘れて数時間放置した後に使ったらボイスアシスタントに「Low Battery」と怒られました(笑)
とは言え、90分程度の通勤で使用して、オフィスで充電ができる環境ならまず困ることはないと思います。

最後の接続性ですが、aptXはLDAC並みに途切れることが多かったです。その割に音質はLDACほど良いとは感じなかったので、CF01はAACで使いたいですね。

総評

有線環境を思い浮かべながら聴いたので辛口の評価になったかもしれませんが、実際はとても気に入りました。ワイヤレス製品としてはShanling Q1と同等の音質で、ES100や最近試聴したワイヤレス製品よりも印象が良かったです。やっぱり普段使ってるイヤホンをそのままTWS化できるのは恩恵が大きいですし、有線環境を思い浮かべるくらい音が良かったと思っていただければと思います。

音質的な特徴ですが、iBasso Audioらしい音でメリハリがあります。素直でクセがないというよりもどんな音源でも気持ちよく聴かせるタイプです。帯域バランスはやや高域寄りです。Pinnacle P1のように高域に特徴のあるイヤホンと組み合わせると高域が目立ちすぎて聴きづらくなりました。CF01は好みに合わないかなと思ったんですが、クセのないYB04と組み合わせてみたらCF01の特徴が無理なく表現されたので、2PinからMMCXコネクタを使ってでもYB04で試聴をしたわけです。
CF01の特徴に話を戻すと、解像力はワイヤレス製品にしては高めです。ダイナミックレンジは高域が特に広めで開放的な雰囲気も出ます。低域については下まで出てないと感じることが多かったです。量感も少なめですね。中域と低域はナチュラルで聴きやすい傾向にありますが、高域は音源によってはやや人工的に聞こえることがありました。ジャンルは選ばない万能タイプで、多少録音状態のよろしくない音源でも気持ちよく聴かせてくれます。全体的に適度な滑らかさがあり、ややウォームな音です。低音がボンボン出るとか、分厚くて迫力が出やすいというタイプの音ではありません。

使い勝手については他のワイヤレス製品とさほど変わりません。面白いと思ったのはペアリングですね。TWS+に対応しているFind X2 Proだと本体の右側と左側の両方をペアリングする必要があります。TWS+に対応していないiPhone XS MaxとN6iiだと片側しかペアリング出来ません。右側をペアリングした後に左側をペアリング使用とすると右側を切断してから左側とペアリングします。
ペアリングといえばコーデックですね。aptXは音源によって高域と低域がゆがむことがあったのでBluetooth接続の安定性も含めて考えるとAACをお薦めします。

TWS製品には苦手意識があったのが正直なところですが、CF01は苦手意識を払拭してくれるだけの音質を備えてました。使い勝手についてもバッテリーの持ちには不満が残るものの、「お気に入りのイヤホンをTWS化できる」というコンセプトには共感できますし、実際に使ってみて納得をしたという結果です。
CF01は18,000円台で販売されています。追加でMMCXコネクタを採用しているイヤホンを買うとなるとそれなりの価格になりますが、すでにMMCXコネクタのイヤホンを所有してる方にはお薦めできます。イヤホン付きのTWS製品を購入して装着感や音に悩むよりもすでに音も装着感も気に入ってるイヤホンをTWS化したほうが早いです。

今回は以上です。
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