ALO Audio イヤホン(IEM)用ケーブルReference 8 IEM CableとLitz Wire Earphone Cableの聞き比べ

amahikasです。
今年はいろんなイヤホンとIEM(インイヤーモニター)を試聴しています。
前はあまり興味がなかったリケーブル(イヤホンのケーブルを変えること)にも挑戦をして、ケーブルで結構音が変わることがわかってきました。

メインで使っているダイナミックドライバを採用したPinnacle P1だとリケーブルによってさらにP1の力を引き出せると感じているので、メーカーが標準で用意しているケーブルが必ずしもいいとは言えないということもわかってきました。
以前であれば、メーカーが聴かせたいと思う音をあまり変えたくなかったのですが、イヤホン(IEM)に関しては考え方が変わってきました。
より自分が好きな音を突き詰めるとケーブルを変えることが前提になるのだなと。

今回はCampfire Audioのイヤホン(IEM)に標準で用意されているALOのケーブルを2種類聞き比べることにしました。
Campfire Audioのイヤホン(IEM)は最近よく試聴をしているんですが、高域だけが好みに合わないことが多いです。
また、友人がリケーブルをしたDoradoを先日聴いたところ、私が店頭で試聴をしたときとまるで違う音が出ていたので、今回の聞き比べをやってみたくなったというわけです。

聞き比べ環境

再生機はMacBook ProにインストールしてあるAudirvana Plus 3を使いました。
MacBook Proには先日友人から譲っていただいたGrace Designのm9XXを使います。
通常、イヤホン(IEM)はDAPに接続して聴くんですが、m9XXは6.3mmのヘッドホン端子が二つあるので、こういう聞き比べの時に便利です。

ALOの2本のケーブルですが、ひとつは前述のDoradoに標準でついてくるLitz Wire Earphone Cableです。
もう1本は同社のReference 8 IEM Cableです。
Litz Wireは市販されているものを購入すると約2万円、Reference 8は4万円です。
Reference 8は2.5mmのバランス端子なので個人的に所有しているALOの変換プラグ(2.5→3.5mm)を使用しています。

Reference 8の詳細は以下の公式サイトを参考にしてください。

使用するイヤホン(IEM)は私がメインで使っているPinnacle P1です。
P1はORB社のClear forceをつけて聴いていますので、ケーブルを変えたことによる違いを感じやすいと思って選びました。

要約すると以下のような接続構成になります。
MacBook Pro→m9XX→ALO Litz WireかReference 8→Pinnacle P1

聞き比べに使う音源はいつも試聴の時に使っている曲です。
主にCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)で、試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。

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聞き比べの結果

Bisso Baba / Bob James

まずはReference 8(以下、「Ref 8」)から聴きました。
普段聴いているClear forceに比べるとカラッとした音です。高域に特徴があってシンバルの音がパーッと広がります。やや人工的に聞こえますが、この曲はClear forceで聴いても同じ傾向にあります。Clear forceだとパーッと広がりはしないのとカラッとした音ではないのですが、やや人工的に聞こえる点は一緒です。

中域はMid Highが少し控えめという印象でピアノの音があまり目立ちません。
低域は量感がたっぷりです。Mid Lowも量が多めなので全体的には低音寄りのバランスに聞こえます。

次にLitz Wire(以下、「Litz」)です。
全体的な音の傾向は一緒です。カラッとした明るい音で、耳に優しいです。この耳に優しいという特徴は同社のDAC/AMP Continental Dual Monoでも同じように感じました。

Ref 8に比べると低域が控えめで高域が目立ちます。バランスはよりフラットに近くなっています。
高域の特徴もRef 8と一緒でパーッと広がります。Ref 8に比べて高域が目立つのでより人工的且つ軽く聞こえます。

Rio Rush / Fourplay

Litzから聴きます。
この曲も基本的には同じような傾向ですが、シンバル音の軽さが目立ちます。もう少し落ち着いた音で鳴って欲しいところです。ただ、軽快に明るく聴きたい気分の時には合うと思います。
ピアノの音は変わらず控えめです。ベース音はキレよりも広がりがあってこの曲には合っています。量感は十分ですが、それほど下までは出ていないという印象です。

続いてRef 8です。
低域が下まで出るようになりました。またキレもこちらの方が上です。
ドラム(特にスネア)のアタック音が少し鋭くなります。
ピアノの音が少し目立つようになりますが、Clear forceに比べるとまだ足りないという印象です。
高域は少し控えめになってより自然な鳴り方に変わります。

At The End Of The Day / Les Miserables

Ref 8から聴きます。
冒頭のパーカッションと歓声はClear force以上に目立ちます。人工的で軽いということもなく、この曲に関しては好印象です。ただし、クラッシュシンバルは音が広がりすぎるのと残響音が残りすぎるように思います。
オーケストラの迫力もよく出ています。ただ弦楽器の中でも高い音を出すバイオリンが少し聴きとりにくいです。
女性ボーカルとコーラスはいい感じに聴かせてくれますね。
迫力はあるんですが、スピード感は欠ける傾向があります。

続いてLitzです。
こちらも似た傾向にありますが、ベルの音がとてもきれいに出ます。元々、P1はベルのような金物の音を出すのが得意ですが、Litzと組み合わせることでより目立つようになります。

オーケストラの出す低域はRef 8のほうが目立ちましたが、Litzのほうが誇張がなく自然に聞こえます。その分、スピード感はLitzのほうが出ています。迫力も不足するようなことはないですね。

この曲に関してはLitzのほうが好みと感じました。
それとRef 8、Litzに共通していることですが、全体的に柔らかい音になるので聴きやすいですね。
この曲はライブ録音なので”Bisso Baba”や”Rio Rush”と比べると粗もあるんですが、そういった粗もうまく隠してくれると感じました。

Master of Puppets / Metallica

Litzから聴きます。
ギターリフが重たくて良いですね。迫力は十分でスピード感はそこそこという感じです。
シンバル音は思っていたほど軽くなりませんでした。もっと目立ってしまって好みに合わないかなと思っていたんですが、意外といけますね。
これは、さっきの曲でも感じた柔らかさが影響してると思います。
ギターソロのギター音についてはもう少し音量とキレが欲しいところですね。

Ref 8は迫力がワンランク上がります。低域に量感があってパワフルに聞こえますね。
心配していた高域はこちらも大丈夫でした。音量を上げるとさすがに人工的な音が目立ちますが、低域に音量を合わせてやると良い具合になります。

Crush / Kelly Sweet

Ref 8から聴きます。
アコギの音がよく目立ちますね。元々は控えめにバックで鳴っているはずなんですが、前に出てきました。ボーカルも同様にいつも以上に前に出てきます。
アコギとボーカルが前に出てくる以外は問題なく聴いていたんですが、シンバルを多用する中盤以降はシンバル音が気になりました。

Litzはさらにアコギとボーカルが前に出てきますね。
普段はベースラインとボーカルを耳が追うんですが、アコギとボーカルがとても目立ちます。
音の質は悪くなくてバランスの問題だと思います。
そしてLitzでもシンバル音がやっぱり気になりました。

Near the End / Mat Zo

トランスも聴いてみます。
Litzですが、低域の量感と音場の広がり方が快適です。パーカッションとシンバル音はやはり違和感があります。
ドラムのアタック音がぼやけてしまうのも気になりますね。もう少しタイトさが欲しいところです。

続いてRef 8ですが、Litzよりも量感があって下まで出るので、低音が出過ぎなくらいの鳴りっぷりです。
Ref 8もパーカッションとシンバル音に不自然さがあって2分50秒あたりから顕著になりました。

The Millionaire Waltz / Queen

ちょっと古い音源も聴いてみます。
まずはRef 8から。
これくらいの音源だとそれほどクリアではないのでよく合いますね。付帯音が多めなのも気になりません。
フレディーのボーカルはやはり前に出てきます。ジョンのベースが適度にウォームになっていて心地良いです。
ただし、2分30秒で全パートが参加して盛り上がる部分では、シンバルとギターの音が誇張されすぎて違和感があります。

Litzにするとさらに高域が強調されますね。音量を小さめにしないと聴きづらくなります。
その中域と低域は心地良く聴くことができました。

まとめ

おおむね想像通りの結果となりました。
Litzを採用しているCampfire Audioのイヤホン(IEM)を聴いてことごとく高域が好みに合わないのはケーブルに原因があるようです。

最初にRef 8ですが、全体的なバランスは低域寄りになります。中域はMid High(中域の高い帯域)が控えめで、Mid Low(中域の低い帯域)が目立ちます。
高域は低域に比べると量は少なく感じますが、埋もれるほどではありません。細部を聴くこともできます。

全体的にカラッと乾いた音質になります。特に高域は明るく、滑らかさも適度にあって耳に優しい音です。
解像力は抜群に高いというわけではなくそこそこという印象です。音場は少し広くなる傾向にあります。キレとアタック音もそこそこで、強いというよりも柔らかめの音になります。

付帯音が多めなのも特徴だと思います。特にエレキギターのリフやシンバル音は付帯音が多く、すっきりと聞かせたり、メリハリを効かせるのは苦手かなと思います。
残響音の残り方にも特徴があります。特に高域とMid Highはやや大げさとも思えるくらいパーッと音が広がります。
この残響音は同じALO社のDAC/AMPであるContinental Dual Monoでも感じた点で、同社の音の特徴なんだと思います。

LitzはRef 8と似た傾向ですが、低域の量が少ないので高域がよく目立ちます。結果的に私の好みではない傾向になりがちです。
Ref 8と比べると軽快且つ明るい音になると感じました。また柔らかい音になるので、アコースティックな楽器との相性は良いように思います。

Ref 8よりも劣ると感じたのは解像力で、全体的にぼやけた印象になります。特に高域と中域ですね。
逆に低域は量が少なめなので曲によってはスピード感があると感じました。

Ref 8もLitzも高域を度外視すれば古めの音源との相性が良かったです。録音状態があまり良くない音源だと柔らかめの音になるのがいい効果を生むようです。

今回は以上です。
こうなってくるとLitzでも好印象だったLYRA IIをClear forceにつけて聴きたくなってきました。

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