じっくりと試聴 Cayin iDAC-6 MK2 デジタルアナログコンバーター(DAC)

オーディオ

amahikasです。
先日、久しぶりに店頭試聴をしてきたんですが、FostexのTH610とGradoのThe Hemp Headphoneが非常に良かったです。TH610は2016年にイベントで試聴していて好印象だったものの、当時からメインで使っていたDT 1770 PROと併用するほどではなかったようです。当時の上流は「iPhone 6s Plus +Vantam Red」だったことも影響していそうですが、今回CayinのN6ii/E01との組合せでは素晴らしい音を聴かせてくれました。というわけで、ようやく1770と同じレベルで使えそうな密閉型ヘッドホンを見つけて少し興奮しています。

さて、この記事で紹介するのはCayinの据え置きDACのiDAC-6 MK2です。iDAC-6 MK2はコペックジャパン様の協力により貸していただいております。いつもありがとうございます。本来なら同時に発売されたヘッドホンアンプのiHA-6も一緒に試聴をするところなんですが、iDAC-6 MK2はスピーカー用の真空管アンプ SPARK 884Aと組み合わせるつもりなので、iDAC-6 MK2のみをお借りしました。

Cayin iDAC-6 MK2

iDAC-6 MK2

iDAC-6 MK2は2020年7月にヘッドホンアンプのiHA-6と一緒に発売されました。CayinというブランドはDAP(デジタルオーディオプレーヤー)ですっかり日本でも有名かつ人気になりましたが、据え置きタイプの製品についてはまだ評価がそれほど高くないと感じています。Cayinは据え置きの真空管アンプからブランドを形成してきたので、個人的に据え置き製品も早く試してみたいと思っていました。
これまで日本国内では真空管ヘッド本アンプのHA-1A MK2とHA-300を発売しています。HA-300についてはスピーカーも接続ができるため、実機をお借りして試聴したんですが、お金があればすぐにでも買いたい製品でした。
個人的な話になりますが、自宅ではスピーカーから音楽を聴くのがほとんどでヘッドホンすら出番はあまりありません。よって、据え置きタイプの製品はスピーカーを接続できるのが前提となります。今回発売されたiDAC-6 MK2とiHA-6はヘッドホンアンプとして販売されていますが、私はiDAC-6 MK2を真空管アンプのSPARK 884Aの前段として使ってみたいと思っています。

自分語りが長くなりました。iDAC-6 MK2はデスクトップサイズのDAC(デジタルアナログコンバーター)で、幅240mm、高さ69mm、奥行き252mm、重量3.6kgとなっています。3.6kgはオーディオ製品としてはそれほど重くありませんが、実際に持ってみるとずっしりと真ん中あたりに重みを感じます。2017年に発売されたiDAC-6の後継機となりますが、iDAC-6はAKM4490を、iDAC-6 MK2はES9028PROをDACとして搭載しています。DAPのN6ii/E01がES9038PROを搭載していますので、同じような音が出てくれば個人的には満足です。

入力と出力は豊富です。
まず、デジタル入力にはUSB(USB-B)、XLR(AES/EBU)、I2S、同軸、光を備えています。アナログ出力にはRCAとXLR(バランス)があります。アナログ出力はプリとラインアウトから選択することができます。Cayinらしい機能として、アナログ出力は真空管とソリッドステートの2モードを用意しています。どの組合せでも使用可能になっているため、「真空管、プリアウト、バランス」や「ソリッドステート、ラインアウト、シングルエンド」などと好みや用途に応じて使い分けることができます。

ワイヤレス接続はできませんが、前段、後段にどのような機器を持って来ても対応が可能になっているかなと思います。価格は128,000円弱です。

詳細については公式サイトを参考にしてください。

Cayin iDAC-6 MK2 | kopek|
Cayin iDAC-6 MK2は、ESS社製ES9028PROをDACに採用したDACです。音質の選択が出来るよう真空管とソリッドステートの切り替えが可能(バランス接続対応)。豊富なデジタル入力のみならず、標準的なDACラインアウトと専用プリアンプ出力を搭載し、用途に応じた選択が可能なデュアル・アウトプットを実現。
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試聴環境

以下のような構成で試聴しました。

・構成1
YAMAHA NP-S303 → iDAC-6 MK2 → SPARK 884A → B&W CDM1NT

・構成2
Cayin N6ii → iDAC-6 MK2 → SPARK 884A → B&W CDM1NT

NPS303はネットワークプレーヤーでiDAC-6 MK2とは名も無い光ケーブルで接続しています。iDAC-6 MK2とSPARK 884AはRCAケーブルで、Cayin N6iiとiDAC-6 MK2はUSBケーブルで接続しています。

試聴結果

iDAC-6 MK2

試聴というよりも自宅でがっつりと聴かせていただきました(笑)
基本的に現在のNP-S303 → SPARK 884A → B&W CDM1NTの構成にも満足しているんですが、iDAC-6 MK2をSPARK 884Aの前に持ってくることによって以下の変化がありました。

  • 解像力が上がり、情報量が増える
  • 音の粒が細かくなり、滑らかさが上がった
  • 音の広がり方が自然かつ広くなった
  • 背景の静けさが感じられるようになった
  • 小音量でも聞き取りやすい

全体的にレベルアップした音になりました。昼と夜ほどの違いがあるわけではないのですが、80点が90点に近くなったくらいの違いです。オーディオというのは80点くらいから一点ずつ上げていくのがとても難しい厄介な性質を持っていることを考えるとiDAC-6 MK2の効果は大きいと感じます。
DACは音の入り口(上流)側のため音の違いがなかなかわかりづらいものですが、全体的なレベルアップをするには下流ではなく上流の底上げが必須です。下流側でいくらレベルアップをしようとしても限界があり、音の傾向が変わったのをレベルアップしたと勘違いしてしまうケースが多いです。私の場合、最近だとiPhone + Vantam Redの構成からCayin i5とOPUS #3に変えたときにこの底上げを感じました。

iDAC-6 MK2の音の傾向ですが、同じ系統のDACを採用しているN6ii/E01と似た傾向にあります。N6ii/E01と拙宅のスピーカーオーディオ環境は一緒ではないので、まったく同じではないのですが、ES9028PROとES9038PROのDACチップの特徴は似てます。基本的に解像力が高く、音の粒が細かいです。下流によっては音の情報量が多すぎて聴き疲れをしますが、粒の細かさをうまく滑らかにするととても心地良い音を聴かせてくれます。どのようなジャンルでも万能に使えると思いますが、情報量が増える傾向にあるので、下流によっては聴きづらくなることもあると思います。

デザインと外観

写真で見ていきましょう。

iDAC-6 MK2本体正面

本体正面は左から電源ボタン、切替スイッチ×3、3.95インチのAMOLEDディスプレイ、音量ホイールと並んでいます。シンプルなデザインでビルドクオリティーは高いです。高級感はそれなりですが質感は良いです。

iDAC-6 MK2本体正面左

切替スイッチは「Source」入力ソース切替、「Timbre」真空管とソリッドステートの切替、「Line/Pre」ラインとプリアウト切替の三つです。ソリッドステートから真空管モードに切替る際には真空管をあっためるために5〜10秒程度の時間がかかります。また、この時に電源ボタンがホワイトに点滅します。(通常は点灯)

iDAC-6 MK2本体正面右

正面右側に配置されている音量ホイールですが、押すと設定メニューがディスプレイに表示されます。この機能は見落としがちなので注意が必要です。
設定メニューには以下の項目があります。

  • PCM FILTER
  • DSD FILTER
  • OUTPUT MODE
  • ABOUT DEVICE

「PCM FILTER」ではSLOW-L、SLOW-M、APODIZ、BRICKWALL、FAST-L、FAST-M、HYBRIDの7つから選択ができます。今回は主にHYBRIDで聴きました。「DSD FILTER」ではIIR47K、IIR50K、IIR60K、IIR70Kの四つから無限インパルス応答を選択できます。
「OUTPUT MODE」はラインとプリアウトを選択できます。
最後の「ABOUT DEVICE」は製品名とファームウェアのバージョンが表示されます。

iDAC-6 MK2本体背面

次に背面を見ていきましょう。

iDAC-6 MK2本体背面左

背面左側にはRCAとXLRの出力端子が配置されています。

iDAC-6 MK2本体背面右

背面右側はUSB B、光、同軸×2、I2S、XLRの入力端子が配置されています。一番右側は電源入力ソケットです。

N6ii、iPhone XS Maxと

N6iiとiPhone XS Maxと撮影しました。

NP-S303と

幅が435mmと一般的なオーディオ製品のサイズのNP-S303と比較しました。

まとめ

本来であれば、iHA-6とセットで評価をすべきところなのですが、コペックジャパン様に無理を言って、iDAC-6 MK2単体とスピーカー環境で評価をさせていただきました。オーディオの難しいところは上流のほうが重要なのに、下流を変えるほうが違いがわかりやすい点と思います。逆に言うとある程度の環境になったら、下流を変えて音が変わるのに一喜一憂するよりも上流をレベルアップをするのが手っ取り早いと思ってます。

今回、iDAC-6 MK2を単体でお借りしたのにはふたつ理由があって、私のスピーカーオーディオ環境にiDAC-6 MK2がどういう影響を与えるかがひとつ。もうひとつは単純に高性能なDACを導入してレベルアップができるかという点です。結論としては十分にレベルアップができました。前述の通り上流側なので昼と夜ほどの違いは出ませんでしたが、期待していたよりも基礎的な部分が全体的に向上しました。そしてiDAC-6 MK2を導入することによって下流側を少しいじれば改善する余地も大きくなると感じました。

iDAC-6 MK2の試聴ではネットワークプレーヤーのNP-S303、N6iiからのUSB出力などの構成を試しました。もっとも音が良かったのはN6iiからのUSB出力ですが、NP-S303を使ったAirPlayもMacBook Pro、iPhoneとどのデバイスでも大きな差がなかったです。DACだけで音が決まるわけではありませんが、DACがしっかりしていればソースの粗はある程度吸収してくれますね。

新型コロナの影響でポータブルオーディオを使う頻度が激減してるのは私だけではないでしょう。しばらくは使用頻度の高くなった据え置きオーディオを強化したいと思っていて、その第一弾が今回試聴したDACです。DACとアンプのどっちを先に強化したら良いんだろうと迷ってましたが、iDAC-6 MK2なら将来的にどんな構成になっても活かせそうですね。ヘッドフォンアンプの上流としても良いですし、今回のようにスピーカーの入り口に使っても優秀です。

今回は以上です。
iDAC-6 MK2は予算と相談しつつ、早めに購入したいと思います。
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