ワイヤレスヘッドホンアンプ Radsone earstudio ES100のレビュー

amahikasです。
iPhoneで音楽を聴くのをやめてDAP(デジタルオーディオプレーヤー)で聴くようになってから一年半が経ちます。iTunesとの連携など不便な点もありますが、おおむね満足しています。何よりも一番重要な音が良いです。
最初に購入したDAPはCayin i5 DAPですが、故障したときのためにOPUS #3を買い足したのが一年前です。二台体制で問題なくポータルブルオーディオライフを謳歌(笑)していたのですが、先日OPUS #3に続いてCayin i5も修理に出すことになりました。OPUS #3はバッテリーの膨張、Cayin i5は3.5mmジャックの接触不良です。

これまで最後の手段としてiPhoneで音楽を聴いていましたが、iPhone直だと音質的に不満。かつて使用していたHERUS+をiPhoneと組合せたりもしたんですが、こちらは携帯をするのに不便です。昔、よくこれを持ち歩いてたなと自分を感心したくらい不便です。
ということで、DAPがない間になにか代替となる製品がないか色々と探していたところ、今回紹介するearstudio ES100に出会いました。
前置きが長くなりましたが、ES100について紹介していきます。

earstudio ES100について

earstudio ES100はワイヤレスヘッドホンアンプです。DACを搭載したBluetoothレシーバという言い方も出来ると思います。基本的にBluetoothのレシーバ側であれば、音声信号をデジタルからアナログに変換して増幅をする必要がありますが、ES100はDACに旭化成のAK4375Aを2基搭載しているのが特徴です。
AK4375Aは2014年に発表されたDACで小型、低消費電力がウリとあってスマートフォン向けに設計開発されています。SONYのBluetoothイヤホンMDR-EX750BTなんかにも搭載されていますし、私が所有しているbeyerdynamicのAventho wirelessにはAK4375Aの後継となるAK4376Aが搭載されています。

ES100の使い方はシンプルです。スマートフォンなどとES100をBluetoothで接続し、ES100とイヤホンは有線で接続します。ES100には3.5mmと2.5mm(バランス)のジャックがふたつあるので、アンバランスとバランス接続を好みに応じて使い分けることができます。なお、バランス接続をする場合は、専用アプリをスマートフォンにインストールしておく必要がありますとあるんですが、私の場合専用アプリはiPhoneにインストールしていますが、特に操作はしていません。

USB Micro-B端子も備えていて、充電とデータ転送の両方に対応しています。パソコンに接続すれば16bit/48kHzのUSB DACとして使用することも可能です。私の場合、MacBook Pro用のUSB DACはいくつかあるので、ES100をUSB DACとして使うことはないと思いますが、MacBook Proを外に持ち出すときにはいいかもしれませんね。

BluetoothはSBC、AACといった一般的なコーデックだけでなく、aptX、aptX HD、LDAC(Version 1.3.0以降)にも対応しています。

その他、ES100の詳細については公式サイトを参考にしてください。

高音質なワイヤレス体験!24bit Bluetooth DUAL DAC搭載。バランス接続対応ワイレスレシーバー『EarStudio』について。コンピューター及び周辺機器の販売、卸、輸入業のフリーウェイ株式会社は一人のお客様の”楽しい”を次のお客様へおつなぎし、全力で付加価値を生み出し続けます。

外観とデザイン

ES100の外観を写真で見ていきましょう。

正面と底面

本体正面は電源の状態やBluetoothのペアリングを示すLEDが点灯します。LEDがあるだけでその他は特に点灯しません。
底面にはUSB Micro-B端子があります。Micro-B端子は主に充電用に使いますが、MacBook ProのUSB DACとしても使用できますし、ES100のファームウェアをアップデートするときにも使いますので、電力とデータ通信両方が伝送可能です。
個人的には端子がUSB Type-Cだったら最高でした。端子の数はなるべく少なくしたいです。

裏面

本体裏面です。クリップがついてます。このクリップが洋服なんかに留めるときに便利なんですが、ちょっと力が弱いのが残念です。今後改良して欲しい点ですね。

左側面

左側面には3.5mmアンバランス端子と音量調節ボタン、マイクがついてます。ES100は通話にも対応していますので、このマイクを通して自分の声をBluetoothでiPhoneに飛ばすことができます。電話がかかってきてもイヤホンを外したり、接続を変えたりせずにそのまま使えるのは便利です。これはワイヤレスの良いところですね。

右側面

右側面には曲送り/曲戻しボタンと停止/再生兼電源ボタン、2.5mmバランス端子があります。

使い勝手

それでは使い勝手について書いてきましょう。

接続方法

イメージがしづらいかもしれませんので説明しておくとワイヤレスになるのはiPhoneとES100です。ES100とイヤホン(ヘッドホン)は有線で接続する必要があります。

ES100とN5005を接続

ES100には3.5mmのアンバランス端子と2.5mmのバランス端子があるため、任意の端子にイヤホン(ヘッドホン)を有線でつないで、再生側機器(私の場合はiPhone)をワイヤレスで接続すれば音が出る状態となります。
3.5mmのアンバランス端子と2.5mmのバランス端子は排他仕様です。両方の端子から音が出ることはありません。

接続性

ES100の電源を入れると自動的にiPhoneとペアリングされます。満員電車の中で二週間ほど使いましたが、接続が途切れたりすることはありませんでした。
前にB&WのP7 WirelessをiPhoneとワイヤレス接続で使ってみたことがありますが、あの頃から意外と安定してるなと実感しています。

携帯性

写真はweb上で見ていましたが、実際に製品が届くとその小ささに驚きました。

iPhone 8とES100

iPhone 8と比べてもこんなサイズです。携帯するときは胸ポケットに入れたり、背面にあるクリップで洋服に留めています。ES100とイヤホンは有線で接続しますが、さほど距離はないので結構快適です。通常、私は1.2から1.5mのケーブルを使っていますので0.6mのケーブルを使えばもっとすっきりと携帯できると思います。

バッテリー

メーカーの公称値だと14時間の連続再生に対応しています。ちゃんと検証をしたわけではありませんが、90分ほど通勤で使って10%も減っていないのでおおむね公称値の通りかなと思っています。
待機時や電源OFF時にほとんどバッテリーが減らないのもいいですね。うっかり充電を忘れてもバッテリーが残っていたことがあって助かりました。

次ページに続きます。

アプリ

ES100には公式の専用アプリが用意されています。以下からダウンロードしてください。

‎「EarStudio」のレビューをチェック、カスタマー評価を比較、スクリーンショットと詳細情報を確認することができます。「EarStudio」をダウンロードしてiPhone、iPad、iPod touchでお楽しみください。

アプリのスクリーンショットを見ながら機能を紹介していきましょう。

メインメニュー

メインメニューです。ES100の登録や削除、ES100の電源OFF、工場出荷時の状態に戻すなどといったことができます。

ホーム画面

一度、ES100を登録してしまえばメインメニューを見ることはあまりないでしょう。このホーム画面で主に操作をすることになります。
左上にはBluetoothで入力されていることがわかります。その横にはES100のバッテリー残量が表示されます。右側は出力状態が表示されていて、この時は3.5mmアンバランス端子にイヤホンを接続していました。
次にアナログボリュームとソースボリュームが表示されます。アナログボリュームはES100本体で調節が可能です。ソースボリュームはiPhoneで調節が可能です。

Bluetooth入力画面

先ほどのホーム画面でBluetooth入力アイコンをタップするとこの画面に遷移します。ここではどういう状態で入力がされているかを見ることができるのと、バッファの長さ、使用するコーデックを選択することができます。
今はiPhoneにはAAC 256の音源しか入れていないのですが、音飛びが減るということからバッファは少し長めに変更しました。よく音飛びをするという場合は、ここで調節をすると良いでしょう。

出力画面1

先保護のホーム画面で右上にあった出力状態を示すアイコンをタップするとこの画面に遷移します。ここでは両端子からの出力を調整することができます。イヤホンやIEM(インイヤーモニター)を使う場合は、Normal Modeで十分だと思いますが、ヘッドホンを使う場合、High Perfomance Modeにすると良いでしょう。
私がメインで使っているヘッドホンのDT 1770 PROだとHigh Perfomance Modeで80から90%にする必要があります。

出力画面2

こちらは出力画面その2です。2.5mmのバランス端子について設定をすることができます。

イコライザーメニュー

イコライザーのメニューです。私は使っていませんが、プリセットされてる設定とカスタマイズをすることもできます。

Sound Control画面

こちらはES100の音質設定をするメニューです。Digital Filterは同じAKMのDACを使っているCayin i5と選択肢が似ています。
オーバーサンプリングのレートを変えることもできますが、バッテリーも多く使うことになります。

Ambient Soundメニュー

Ambient Soundメニューは外の音を取り込むかどうかです。先ほどマイクが内蔵されていると紹介しましたが、あのマイクを使って外の音を取り込むことができます。音楽と外の音の割合も調節することができるので、電車に乗ってるときにアナウンスを聞き逃したくないというときには便利かと思います。

音質

簡単にいうとiPhoneと直接有線接続をするよりも良くて、DAC内蔵ヘッドホンアンプのHERUS+やnano iDSDより少し劣るという具合です。DAP直とはさすがに差があると感じます。

音質の傾向ですが、Bluetoothの低いレートで転送したものを、ES100でアップサンプリングしているので少し人工的に感じることがあります。ナチュラルさについてはiPhoneと直接有線接続をしたほうがいいです。
ただ、ひとつひとつの音の細かさ、音の分離という点ではES100のほうが上です。iPhoneで直接聞くと中低音寄りのマイルドで聴きやすい音ですが、ES100だと高域も目立ってきてフラットに近い音になります。シャープさとキレも出てくるのでシンバルの音なんかはシャキシャキと聞こえて気持ちがいいです。ベースラインも追いやすくなります。ボーカルは生っぽくなってドラムはアタック音が強くなるという感じですね。

人工的な点とエッジが立っている点を除けばおおむね満足です。将来的にもう少し滑らかな音を出すようになったらもっといいと思います。

まとめ

メリットとデメリットを可能なかぎりわかりやすくまとめておきます。

メリット

  • 携帯性がいい
  • 専用アプリを含めて操作がしやすい
  • iPhoneと直接有線で接続するよりも音がいい
  • 本格的なDAC搭載ヘッドホンアンプにも迫る音を出す
  • 安価(1.5万円弱)
  • ファームウェアが度々更新されるメーカーの姿勢
  • バッテリー持ちが良い
  • 手持ちのイヤホンやヘッドホンをワイヤレスで使うことができる
  • 音楽を聴きながらiPhoneの充電ができる

こんなところです。かなり気に入ってるのでメリットが多くなってしまいました(笑)

デメリット

  • 充電をしないといけない
  • DAPや本格的なDAC搭載ヘッドホンアンプよりは音が劣る
  • ワイヤレスイヤホンよりもケーブルが増える
  • ファームウェアの更新にパソコンが必要

あまり過度な期待をしていなかったせいか、デメリットは少ないです。充電をしないといけないのはDAPも一緒ですしね。

このようにES100はとても気に入っていますが、DAPを捨ててES100に乗り換えるかといったらNOです。私はあくまでも音質を優先しますし、有線接続にさほど不便さを感じていないのでDAPが故障から返ってきたらDAPを再び使うつもりです。

ES100は私にとってDAP(デジタルオーディオプレーヤー)がなくなってiPhoneで音楽を聴かざるを得ない状況の時には非常にいい製品ということです。現在、ありがたいことに友人からCayin i5を貸してもらっていますのでi5を使ってますが、ES100は何かの時のためにイヤホンケースに入れて持ち歩いてます。
他にこの製品をお薦めしたいのは、DAPを持ち歩くほど音質にこだわっていないが、スマートフォンと手持ちのイヤホンで少しでも良い音で聴きたいという人です。
夏場はできるだけ身軽にしたいので小型のDAPを使ってる方にも良いんじゃないかと思います。

今回は以上です。