amahikasです。
雨の日が続いていたせいか筆がなかなか進まず、時間がかかってしまいました。
今回はコペックパジャパン様から正直なレビューをすることを前提にAU-Flex ANCを提供していただきました。
ありがたいことに今回はコペックジャパン様から声をかけていただいてAU-Flex ANCをレビューすることになりました。
Ausounds AU-Flex ANC
AusoundsはアメリカのオーディオブランドでBeats、JBL、Bose、ゼンハイザーなどの開発経験を有してるようです。公式サイトを見ても詳しいプロフィールが載ってないのですが比較的新しい会社のようです。ちなみにAusoundsは「オーサウンズ」と発音するのが正しいそうです。私はついつい「エーユーサウンズ」と発音してしまいます。
AU-Flex ANCはAusounds初のHi-fiイヤホンとして販売されています。平面駆動型とダイナミック型のハイブリッドという比較的珍しい構成で、ハウジングはアルミとなっています。ネックバンド型のBluetoothイヤホンで再生、一時停止、音量調節はネックバンド部で操作可能です。Bluetoothのバージョンは5.0でコーデックについてはLDACの他、SBCとAACに対応しています。アクティブノイズキャンセル機能も有していて前述のネックバンド部で容易に切り替えることができます。バッテリーの持続時間は音楽再生時に15時間でアクティブノイズキャンセル機能を有効にすると10時間になります。充電はUCB Type-C対応で1.5時間でフル充電ができるようになっています。
防水性能も備えていてIPX5に対応しています。水中で長時間使うことはできませんが、汗や雨については問題ないでしょう。面白い機能として左右のハウジングが磁石となっているので、保管時にはくっつけておくことができます。
有線での使用とケーブルの着脱には対応していません。価格は24,420円(税込)です。
L、M、Sサイズのシリコン製イヤーチップの他、ソフトポーチ、USBケーブルが付属します。
詳細については公式サイトを参考にしてください。
試聴環境
試聴にはiPhoneとメインで使っているDAP(デジタルオーディオプレーヤー)のCayinのN6iiとiBassoのDX220を使いました。iPhoneはAACかSBCでのペアリングですが、N6iiとDX220はLDACでペアリングしています。N6iiとDX220はMiddleゲインで再生アプリはNeutron Music Playerです。イコライザー類はすべて無効にしてます。
イヤーピースですが、付属品だと音がいまひとつだったので、SpinFit CP100とCP145を使いました。バーンイン(エイジング)の状況ですが、AU-Flex ANCは70時間以上鳴らしました。
試聴に使う音源はいつもと同じ曲です。
主にCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)で、試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。
試聴結果
Bisso Baba / Bob James
iPhoneと接続したときの感想ですが、低音の解像力と質感の良さに驚きました。メインで使ってるイヤホンほど重低音は出ていませんが、iPhoneとBluetooth接続をした環境なら十分な低域の質です。高域についてもメインのイヤホンほど滑らかというわけではありませんが、「Bluetoothでもここまで出せるようになったのか」と思うくらい滑らかです。DX220とLDAC接続をするとより有線でメインのイヤホンを使ってる音質に近くなります。低域はもう少し下まで出ますし、高域も滑らかになります。解像力は全体的に一段階上がり、音場も広がります。iPhoneと異なるのは中域が少し物足りなくなる点です。おそらく低域と高域の量感が増えるために相対的に物足りなく感じるんだと思います。
帯域バランスはフラットに近いのですが、中域と高域の間に少し物足りなさを感じます。音質的な傾向はドライですが、音の先端が良い具合に丸まってるので刺々しさや聴きづらさは感じません。私が好むモニターとしても使えるけど聴きやすい音になっています。
Golden Faders / Fourplay
DX220で聴くとこの曲は中域から高域の不足感はありません。シンバルがよく目立つのと滑らかさ、開放感が心地良いです。低域はどちらかというと上品でものすごく量感があるとか元気というわけではありません。ドライでキレや各楽器の分離を優先するタイプです。中域は相変わらず主張をしないタイプでピアノとギターの音はもう少し前に出てきてもいいかなと感じます。それとこの曲では低域の立体感に比べると高域が少し平面的と感じました。iPhoneで聴くと低域と中域の量感が増します。DX220で聴くほど高音質を追求した音ではないのですが、聞きやすさでいうとiPhoneのほうが上です。
Flesh and The Power It Holds / Death
iPhoneとの組合せですが、迫力が不足します。スピード感とキレは問題ないのですが、メタルにはちょっと合わないです。この曲は逆にDX220のほうが迫力が増していい感じに聴くことができました。前の曲と違って中域と低域はDX220との組合せのほうが量感が出ます。
Master of Puppets / Metallica
DX220で聴くとやや中域が物足りず、結果的に迫力が不足します。iPhoneでもやや迫力が不足すると感じますが、DX220ほどではありません。低域の迫力は十分なんですが、中域から高域にかけた帯域に軽さを感じます。
At The End Of The Day / Les Miserables
iPhoneで聴くとやや高域に軽さを感じますが、おおむねいい感じに鳴らしてくれます。オーケストラの情報量にも対応できてますし、低い弦楽器の音も深くまで鳴ってるのがわかります。スピード感と音場の広さも問題ないです。
DX220でもいい感じです。iPhoneよりもさらに力があって細部が聞き分けやすいです。
Crush / Kelly Sweet
まずはiPhoneから聴きます。この曲は良いです。女性ボーカルの生々しさと瑞々しさがよく伝わってきます。ベース音に包み込まれる感覚もありますし、キレもあります。バックで流れるアコギの繊細な表現もできてます。中盤以降のシンバルを多用するパートも滑らかに表現しています。
この曲もDX220で聴くほうが全体的に良かったです。ベースのキレがさらに増し、音場も広がります。アコギは少し目立つようになりますが、より繊細です。全体的に解像力が向上してると感じます。音の広がり方もDX220の方が上ですね。
Days of Wonder(Original Mix) / M6
iPhoneではやや高域がシャリついて軽くなるものの、他は良い感じに鳴らしてくれます。特に低域の量感と解像力、音場の広さはBluetoothイヤホンとしてはなかなかのものです。
この曲もDX220で聴いたほうが良かったです。低域の音の広がり方が良いのと、バスドラのアタック音も鋭くなります。
デザインと外観
写真で見ていきましょう。
外箱です。わりと大きめですが本体のサイズを考えると妥当です。
箱を開けると左側のプラスチックに本体が収納されていて、右側に付属品が収められています。
付属品のシリコン製イヤーチップ、ソフトポーチ、USBケーブルです。ソフトポーチのロゴがなかなかお洒落です。
ネックバンドの右側が操作部となっています。装着をすると手前から「マルチファンクションボタン」、「音量−/曲戻しボタン」、「音量+/曲送りボタン」、「ノイズキャンセルボタン」となっています。
「マルチファンクションボタン」は長押しでペアリングの有効/無効、音楽再生の一時停止と再開、電話の応答と終了に対応しています。電話がかかってきたときに長押しすると電話を拒否することができます。
本体です。特に奇をてらったところはなくネックバンド型のBluetoothイヤホンとしてオーソドックスなデザインです。
本体はシックなデザインとなってます。個人的にはこういった目立たないデザインが好きです。質感については少々プラスチッキーなところはありますが、ネックバンドを含めても軽量なのが好印象です。
イヤーピース
前述の通り、付属するイヤーピースは私の耳に合いませんでした。装着感は問題ないのですが、音質的に難有りでした。最終的にメインで使っているSpinFit CP100を使うことが多かったんですがこちらは音質、装着感ともに問題ありませんでした。特に低域がなかなか魅力的な製品でもありますのでSpinFitはお薦めです。
音漏れと遮音性、ANC機能
音漏れは問題ありませんが、遮音性は少し弱いです。私が所有する中でもっとも遮音性が悪いのはAKGのN5005なんですが、そこまで悪いということはなく、地下鉄で使っても音楽に集中できないというレベルではありません。
ANC機能も試しましたが、いまひとつ効果がわかりませんでした。
装着感
ネックバンド型且つ、耳掛け型だけあって装着感は良かったです。AU-Flex ANCが届いてから自宅でも使っていたのですが、軽量なので違和感なく首にかけておくことができます。また、左右のハウジングが磁石になってるのも便利で、左右を磁石でくっつけておくと首の周りをぶらぶらしないのはよく考えられて設計されてると感じました。
音量
iPhoneでも80%で音量不足とは感じなかったので、音量は取りやすいほうです。DAPなら問題はないでしょう。
バッテリー
いつものように3時間の通勤、8時間の勤務と11時間ほど充電をせずに5時間再生をした結果、バッテリーは50%まで減りました。電車内ではアクティブノイズキャンセル機能を試したりしたので、おおむね、メーカー公称値に近い持続時間だと思います。
ひとつ注意が必要なのはUSBケーブルを本体に接続して充電をすると再生はできなくなります。バーンイン(エイジング)をするのには充電をしながらのほうが楽なんですが、充電と同時に再生ができる仕様ではないようなので気をつけてくださいませ。
まとめ
まずは簡潔にメリットとデメリットをまとめます。
メリット
- Bluetoothイヤホンにしては高音質を追求
- 低域の音質
- LDACに対応
- 軽量
- Bluetoothの接続距離が長い
メリット
- 中域から高域にかけた音の軽さ
- 付属イヤーピース
- 充電が手間
総評
まずは音質について。
DX220ではオーディオ好きをうならせる高音質を追求した音ですが、iPhoneだと一般的なリスナーにもわかりやすい聞き易さを重視した音になります。iPhoneの音の特徴がそのまま音となって出ていると感じますし、Bluetoothコーデックも影響しているでしょう。音源によってはDX220で中高域の軽さが気になることもあって、iPhoneのほうが聴きやすいと感じることがありました。特にメタル系などアタック音が強めの音楽だとiPhoneのほうが安心して聴くことができたと感じています。
これまでBluetoothイヤホンをいくつか試聴してきましたが、その中ではもっとも音質が良く、Ausoundsが初めてHi-fiイヤホンとして開発しただけあると感じたのが正直なところです。しかし平面駆動型はちょっと攻めすぎたかもしれませんね。低域に比べると高域と中域の軽さが音源によっては気になったのでシンプルにBAを搭載しても良かったかもしれません。
次に使い勝手です。Bluetoothイヤホンと言ってもいろんなタイプが発売されています。現状はTWS(完全ワイヤレス、True Wireless)と呼ばれる左右が分離されたタイプが人気のようですが、個人的には今のところ音質的に良い印象はありません。AU-Flex ANCはネックバンド型でありながら軽量なのが好印象です。自宅やオフィスで気軽に首にかけておけますし、リモート会議にも気軽に参加できます。最近は公私ともにリモート会議をすることが多くなったため、リモート会議にも使えるのはありがたいです。
使い勝手のデメリットに触れておくと充電はやはり手間です。私の場合、iPhoneとDAP(デジタルオーディオプレーヤー)と二つのデバイスを毎日充電してるのですが、これに加えてBluetoothイヤホンも充電しないといけないのはちょっと面倒ですね。
DAP(デジタルオーディオプレーヤー)と有線イヤホンの環境もかなりいい音を出すようになってるので、私が「スマートフォン + Bluetoothイヤホン」環境に移行するのはまだ早いと思いますが、AU-Flex ANCはiPhoneと組み合わせると想像以上に良かったのも事実です。iPhoneだけでなくAndroidスマートフォンも音質が上がってますし、LDACが普及してきてるのも大きいですね。そんなわけでAU-Flex ANCは今後も使ってみようと思います。
今回は以上です。
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コメント
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