ポタ研 2018冬のレポート1 STAX SR-L300、Final D8000

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amahikasです。
昨年は所要があって行けなかった冬のポタ研に行ってきました。
各製品とも短時間での試聴でしたが、簡単に感想を書いていきます。

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試聴環境

試聴に使った機器は各製品の項目で記載していきますが、音源は主にCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)です。
試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。

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STAX SR-L300

2018/02/11注記

写真に写っている製品を聴いたのですが、この製品はSR-L300 LimitedではなくSR-L300だとのことです。
今さら確認をする術はないのですが、これ以降の感想はSR-L300のものと思っていただければと思います。

 

STAX社創立80年を記念して発売されたコンデンサー型ヘッドホン(イヤースピーカー)です。
同時にリリースされたドライバーユニットのSRM-353XBKと組み合わせて聴くことができました。

試聴環境は私がメインで使っているDAP(デジタルオーディオプレーヤー)のCayin i5のラインアウトからSRM-353XBKに接続しました。SR-L300 Limitedは専用のケーブルでSRM-353XBKと接続をします。
STAXのコンデンサ型ヘッドホンは基本的にSTAX社のドライバーユニットと接続をする必要があります。

SR-L300 Limitedの詳細については公式サイトを参考にしてください。

http://www.stax.co.jp/produ/SRL300Limited.html

SR-L300 Limited

SR-L300 Limited

SR-L300 Limited

SR-L300 Limitedはこれまで私が使ってきたヘッドホンとは外観が異なります。
家電店の奥のほうに高価且つごつい製品群と一緒に置かれているのをよく目にしましたが、ポータブルメインでヘッドホンを使う私には無縁の製品だと思ってきました。
最近は自宅で開放型のヘッドホンを使うことも増えてきましたので、興味が湧いてきました。
STAXは一度は聴いておきたいというタイプのメーカーじゃないかなと思います。

SRM-353XBKとCayin i5

SRM-353XBK

こちらがSR-L300 Limitedと同時に発売されたSRM-353XBKです。
Cayin i5と並べてみましたので大きさはわかるかなと思います。
STAX社のドライバーユニットはいくつか販売されていますが、基本的にSTAX社のヘッドホン(イヤースピーカー)であれば接続が可能です。
逆に言うとSTAX社のヘッドホン(イヤースピーカー)はSTAX社のドライバーユニットがないと使うことができないということになります。
やろうと思えば社外品のドライバーユニットでも鳴るんでしょうが、保証の対象外となるので注意が必要です。

試聴結果

Flesh and The Power It Holds / Death

デスメタルで試聴をするのが申し訳ないほど、クリア且つ上品で落ち着いた音が出てきました。
全帯域にわたって解像力が高く、上も下も満遍なく出てるなと感じます。全体的なバランスもフラットに近いです。
中域が少し厚めのかまぼこタイプのバランスを好む私なので、中域は少し物足りないと感じました。
この曲の迫力がもうひとつ表現できていないかなと感じますが、明確に迫力不足と感じるほどではありませんでした。
落ち着いた鳴りっぷりではありますが、ライブ感も同時にうまく表現できてると感じました。音の抜けも気持ちがいいですね。

At The End Of The Day / Les Miserables

この曲は非常に良かったです。この手のオーケストラものには非常に合いますね。
細かい所がどうでも良くなるほど快適だったんですが、特に印象が良かったのはクラッシュシンバルの音で、細かくて滑らかでした。
オーケストラの迫力はもう少し欲しいところですが、必要十分の量感で、各楽器がよく分離されていることのほうに軽く感動しました。

Bisso Baba / Bob James

この曲も非常に合いますね。
特にピアノの響き方が上品です。アコギも繊細な音がよく表現されていますね。
シンバル音はこれまで聴いた中でトップクラスに良かったです。

Rio Rush / Fourplay

この曲も良かったです。
着色が無くて音源に対して素直、且つ上品に鳴らすなという印象です。

Master of Puppets / Metallica

もう1曲メタルを聴いてみました。
中域が少し物足りないですね。特にタムのアタック音が弱く、スネアが少し軽めに聞こえます。とは言え、必要十分な量感なのでこの手の音楽も問題なしと感じます。
ギターソロの部分ではギターの音色と響き方、余韻がきれいでした。

Carnatt / Felix Martin

軽快で金属的な音色のシンバル音と重厚なベース音がうまく調和しています。
こういう曲でも真価を発揮しますね。
正確且つ素直な音を出すという印象です。

SR-L300 Limitedの試聴結果

中域の量感がすこーし足りない程度で全体的に非常に好印象でした。
私がメインで使っている開放型ヘッドホンのDT 1990 PROに比べると細やかで繊細な表現がワンランクアップするという印象でした。ただ、中域の量感はDT 1990 PROのほうが勝ります。
私がよく聴く音楽の中だとメタルや激しいロックよりも、ジャズ、フュージョン、オーケストラ、しっとりとした女性ボーカル、プログレ系、カントリーを含むアコースティック系の音楽との相性が良いと感じました。

装着感は緩めです。側圧がほとんどないので長時間の視聴も問題ないでしょう。私は外でヘッドホンを使うのがほとんどなので側圧を求めてしまうのですが、自宅でのんびり聴くならこれくらいでも良いのでしょうね。

価格は68,000円です。ただし、前述の通り、STAX社のドライバーユニットも必要になります。今回組み合わせたSRM-353XBKの価格は88,000円なので合わせて買うと156,000円とそれなりに高価になります。
私は先日のポタフェス冬で聴いた、同社が開発中のポータブル型の密閉式イヤースピーカーに期待しています。
密閉式イヤースピーカーが良ければ、ドライバーユニットのSRM-002と合わせて買うことになりますので、SR-L300 LimitedとSRM-002を組み合わせるのも良いなと思いました。

2018/02/11 注記

残念ながらSRM-002はSR-L300 Limitedには使えないことがわかりました。
早くも私の計画は崩れたことになりますが、めげずに密閉式イヤースピーカーに期待したいと思います。

ブースの展示員の方に聴いたところ、密閉式のイヤースピーカーは開発が難しくてまだ時間がかかるとのことでした。
のんびりと待ちたいと思います。

Final D8000

つぎはFinal社の開放型ヘッドホンD8000です。

D8000

D8000はCayin i5と直接接続をして聴きました。ケーブルは標準ケーブルと銀素材を使ったケーブルを選択することができましたが、標準ケーブルで聴きました。
Final社のイヤホンはこれまでいくつか試聴をしてきましたが、基本的に高域をきれいに鳴らすメーカーという印象です。
私の好みにはなかなかマッチしないんですが、基本的な音作りはしっかりとしているという印象を持っています。

D8000の詳細については公式サイトを参考にしてください。

D8000
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試聴結果

Rio Rush / Fourplay

中域と低域の圧が高いですね。ドラムのアタック音なんかは力と鋭さがあっていいです。
高域は量的に少し物足りないところがありますが、質はいいです。
全体的なバランスは中低音寄りに聞こえます。上品に落ち着いて聴かせると言うよりも元気に力強くというタイプと感じます。
この価格帯(40万円弱)にしては上品過ぎない音というのが逆に新鮮ですね。(笑)

Bisso Baba / Bob James

この曲についてはCayin i5との相性が良くないのか、低域が出過ぎました。
ビリビリときしむような音がするくらいでした。

Flesh and The Power It Holds / Death

冒頭のギターの音が非常にシャープです。エレキギターの音を聴くのにとても合いますね。
スピード感は少し物足りないところがありましたが、迫力は十分すぎるくらいでした。
やや強調してるところはあるものの、音源の特徴を引き出すのがうまいヘッドホンだと感じます。

At The End Of The Day / Les Miserables

音場が一気に広がりました。音源に合わせて音場の広さも変わりますが、この曲では特に広く感じました。
迫力を出すのがうまくて、この曲ではオーケストラがとてもよく聞こえました。音楽に力を出すのがうまいですね。

Master of Puppets / Metallica

シンバル音の余韻がきれいです。フワッと上方向に広がっていく感じですね。
ギターリフの歪みもうまく表現していてベースとシンクロする時の倍音が良いと感じました。疾走感よりも重さをうまく表現しています。
この曲では音源の悪さもカバーするタイプだなと感じました。

A Kind of Magic / Queen

ノリが大変良く表現されています。ついつ体でリズムをとってしまいました(笑)
フレディーの声もよく映えますね。この曲では少しボーカルが持ち上がるように感じました。

D8000の試聴結果

想像していた音とは違ったので少々面食らいましたが、高域を中心に上品で落ち着いた音を聴かせると言うよりも音楽の持つ力強さを再現し、楽しく聴かせる製品という印象でした。

全体的なバランスは中低音寄りで高域は少し物足りなかったです。
とは言え、高域の質はいいですし、上までよく出ていて開放的です。
解像力も全体的に高いのですが、細かく分析的に聴かせるというよりも滑らかに心地良く聞かせるのがうまいと感じました。
音源が多少悪くてもそれなりに聴かせるタイプですね。また、適度に圧も加えてくれるので深みや奥行きを出すのがうまいと感じました。

時間があれば試してみたかったんですが、銀素材のケーブルを使えばもっと高域が出たのかなと思っています。
またCayin i5よりもOPUS #3のほうが相性は合うんじゃないかと感じました。

音源の特徴をうまいこと解釈して少し強調するのは私が好きだったB&WのP7とよく似ています。
先に聴いたSTAXやDT 1990 PROとは正反対の特徴ですね。

装着感は良かったです。適度な側圧もあるのでズレるようなこともあまりないでしょう。
開放型なので音漏れはあると思いますが、遮音性は意外と良かったです。

音量ですが、Cayin i5をローゲインに設定して80前後でした。
Cayin i5の音量をここまで上げた経験はないのでD8000を鳴らすにはそれなりのパワーが必要です。

今回は以上です。
以下の記事も合わせて参考にしてくださいませ。

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