amahikasです。
Pinnacle P1を購入してから半年が経ちました。
購入前にも何度か記事を書いているので、P1の記事はもう良いかなと思っていたんですが、想像以上に気に入っているので、この記事を書くことにしました。
なお、P1購入の経緯などは以下の記事にまとめましたので参考にしてくださいませ。
視聴環境
この記事についてはOPUS #3と直接接続した感想を書いていこうと思います。
OPUS #3はハイゲインでイコライザ類は無効にしてあります。
P1のケーブルはORBのClear forceに変更してあって、OPUS #3とは2.5mmのバランス接続としています。
P1を購入してからいろんな環境で使っていますが、このOPUS #3→Clear force 2.5mm→P1という環境が一番気に入っています。
イヤーピースはortofonのLサイズです。Spinfitも引き続き使っていますが、最近はortofonの出番が増えました。
音源は主にCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)です。
試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。
視聴結果
Bisso Baba / Bob James
低域の量感が心地良いです。フワッと包み込むような低音を聴かせてくれます。解像力とキレの点では多少ぼんやりとしています。さすがにキレキレというわけにはいきません。
中域は全体のバランスをよくとっていて、厚すぎず、薄すぎずという印象です。標準ケーブルだと中域が一番厚くなるんですが、Clear forceの影響が出ていると感じます。
標準ケーブルと比べて気に入っているのが高域です。
やや人工的にも聞こえるんですが、量が増えるのと解像力が上がります。最近はこれくらい高域が出ているほうが好みです。
もう少し滑らかな高音だとより良いのですが、この価格だとこれ以上を望むのは難しいかなと思います。
Flesh and The Power It Holds / Death
この曲との相性は良いです。中域と低域に量感が出るので迫力は申し分ないです。低域も標準ケーブルに比べて定温の低いところが出るようになりますね。量感も増えてます。
ドラムのアタック音はキレよりも重さ重視という印象の音です。キレがないわけではないのですが、重さのほうが強調されているように思います。
この曲では高域は気になりませんでした。
スピード感については上位の製品に比べるとやや物足りないものがありますが、許容範囲です。
At The End Of The Day / Les Miserables
こちらも迫力は十分です。オーケストラの演奏が映えます。特に低い弦楽器の響き方が好きです。標準ケーブルだと少し聴きとりづらい冒頭のパーカッションがClear forceに変えることによってしっかりと聞こえます。
スピード感とキレ、解像力は上位の製品には及ばないものの、低域の広がり方と響き方がP1の魅力だなと改めて感じます。
Master of Puppets / Metallica
メタル系は本当に得意ですね。(笑)
ディストーションがかかった歪んだ音もうまく鳴らしてくれます。クリア過ぎて違和感を感じることがありますが、P1の適度なクリア感が合うという印象を持っています。
Crush / Kelly Sweet
包み込むベース音と女性ボーカル、アコギの音がうまく調和しています。
ひとつひとつの楽器が正確と言うよりも魅力的に、優しく鳴ります。
中盤以降のシンバル音は少し粗くなりますが、価格を考えればこの程度はいいかなと思うレベルです。
P1の音について
P1の音について標準ケーブルとORB Clear force、それぞれのケーブルについて特徴と気に入っているところを書いていきたいと思います。
標準ケーブル
標準ケーブルではなんと言っても中域の量感が魅力です。
元々、ロック、ポップスで音楽を聴き始めてメタルに行き着いた私ですが、どれだけ低域と高域の品質が良く量があっても中域に量感がないと全体的に音楽が軽く聞こえてしまって物足りなさを感じてしまいます。
P1と標準ケーブルの組合せだと最初の試聴時から中域の量感と厚みに魅力を感じてきました。
音質的にはキレや解像度よりもウォームで耳に優しい音だと思います。ただし、必要以上にウォームになることがなく適度に解像力とキレもあります。この「適度な解像力とキレ」がなければここまでP1に魅力は感じなかったでしょう。
P1は低域も得意としていて中域に匹敵する量感があります。
音の傾向も中域と一緒で解像力とキレよりもウォームで聴きやすさを重視しています。
中域ほどキレはなく、やや焦点がぼやけるようなところもあります。
それと低い重低音が出ないですね。ここは価格なりかなと思います。
高域は中域と低域と違って少しカラッとしていて開放的な音です。
あくまでもウォームな傾向にはあるので、中低域とのバランスは悪くありませんが、シンバルの音は少し軽く聞こえることがあります。
それと開放的な音ではありますが、よく伸びるというほどではないです。やはり価格なりに天井は少し低く感じます。
ORB Clear force
ケーブルをORBのClear forceに変えたときの変化は以下の通りです。
- 高域がよく伸びて低域がよく沈む
- 中域は少しすっきりとする
- 全体的にクリアになり、付帯音が少なくなる
- 高域は音源の録音状態でかなり変わる
私が感じた変化は以上です。
もっとも気に入っているのは高域と低域の改善で、高域は上までよく音が広がるようになり天井が高くなったと感じます。
低域も同様で重低音がよく出るようになります。量感は少し減ってキレが増しますが、下まで出るようになるのは私の好みに合います。
キレが増すので、ドラムのアタック音は鋭さが増します。ドラムについては全般的に再現力が高くなります。
中域は標準ケーブルに比べると少し量感が減ってすっきりとした聴感となります。このおかげか全体的にクリアに聞こえます。また、付帯音も少し減ります。
この2点については私の好みの範囲内の違いでどちらが良いとも悪いとも言えないです。
最後の高域に関する変化ですが、音源によって粗くなりやすいのが唯一のデメリットです。
ただ、音源によっては標準ケーブルよりも金属的な響き方が良くなることがあります。
粗くなるというデメリットがあるものの、シンバル音なんかがよく鳴るメリットは捨て難いです。
今のところメインで使っているヘッドホンのDT 1770 PROを基準として考えると、私が満足する高域はどのイヤホン(IEM)でもなかなか出ないと感じています。
P1には多少のデメリットもありますが、気に入って使い続けているのは価格と音質のバランスが良いからです。
そんなわけでPinnacle P1はずっとORB Clear forceと組み合わせて聴いていました。
2017年末にORBのClear force Ultimateという新製品が出ました。このケーブルとP1の組合せも良かったので、最近はClear force Ultimateと組み合わせています。
こちらの感想はまた別の機会に書きたいと思います。
イヤーピース
イヤーピースについてはケーブルと同様にすんなりと決まりました。
Spinfitかortofonで安定しています。
最近はfinalのEタイプ(FI-EPECL2A3)も試しましたが、こちらも良かったです。
イヤホン(IEM)の装着感に悩んでいた私にとって、選択肢が増えたのはとても喜ばしいです。
以前だとWestoneとShureの製品くらいしか装着感が合わなかったので、イヤホン(IEM)選びにはかなり苦労したんですが、最近は系が太めのノズルであればspinfitやortofonが使えるので装着感が合うようになって来ました。
もちろんイヤーピースだけではなくて筐体の形状やケーブルも重要なんですけどね。
装着感
装着感は初めて試聴をした時からいいと感じています。
私の中ではWestone 4Rが理想なんですが、P1はWestone 4Rには及ばないものの問題なく日常的に使えるレベルにあります。
ちなみに標準のイヤーピースでも問題ありませんが、spinfitかortfonにすることによって良くなります。
ORBのClear forceは標準ケーブルよりも装着感が悪くなります。標準ケーブルのほうが耳によく収まりますね。
遮音性と音漏れ
音漏れはWestone 4Rと同じレベルと感じています。
どちらかというと大音量で音楽を聴いている私ですが、妻や友人に隣で聴いてもらっても音漏れはしていないようです。
遮音性はWestone 4Rほどではなく、少し外の音が入ってきます。
遮音性が高すぎると外で使うには危ないこともあるので、この程度なら気にならないという程度の遮音性です。
音量
最初に試聴をした時はiPhoneに直接接続をして聴きました。この時は音量がとりづらいと感じました。
現在は、出力の強いDAPのCayin i5を使っていますので問題ありません。
また、Cayin i5と並行してメインで使っているOPUS #3でも問題はないです。
iPhoneでP1を使う場合は注意が必要ですが、前述の通り、私は比較的大きな音で聴きますので、人によっては問題ないということもあると思います。
要試聴ですね。
耐久性
中古で譲っていただいたP1を半年使っていますが、耐久性の面で特に問題は感じていません。
P1は初めてのMMCX端子で、試聴をするのにケーブルも頻繁に変えたりしていますが、今のところP1のMMCXコネクタは接触不良などはおこしていません。
まとめ
ShureのSE215からWestone 4Rに移行してからBAドライバのイヤホン(IEM)が好みに合っていたので、ダイナミックドライバを採用したイヤホン(IEM)は積極的に買うことはなかったんですが、Pinnacle P1を所有してみてダイナミックドライバにすっかり魅了されました。
最初は雨の日用のダイナミックドライバ型イヤホンと思って購入したんですが、いままでメインで使っていたカスタムIEMのVision Ears VE5、Westone 4Rよりも使用頻度が高くなっているのが正直なところです。
もちろん、VE5と比べるとP1は縦のレンジも広くないですし、高域の鳴りっぷりはVE5のほうが滑らかで細かいです。解像力もVE5のほうが上なので本来であれば比較対象にならないのですが、P1で聴くほうが快適と思うことがしばしばあります。
主な要因は中域と低域の量感だと思っています。VE5はいろんなカスタムIEMを聴いた中でも中域と低域に量感があって、解像力も高いと感じたので私にとっては理想的なカスタムIEMなんですが、ダイナミックドライバが出す量感と質はひと味違います。
特に違うと感じるのは量感と深みです。P1の場合は、同じ低域でも手前で鳴る音と奥で鳴る音の違いがわかりやすく感じられます。
私自身はイヤホンよりもヘッドホン、ヘッドホンよりもスピーカーで音楽を聴くのが快適なタイプなんですが、P1はよりヘッドホンに近い鳴り方をするイヤホンなのかなと感じています。
そして、よくよく考えてみるとWestone 4RもVE5もイヤホン(IEM)の中ではウォームかつ中域と低域に量感がある製品だなと気がつきました。
私はイヤホン(IEM)歴は短いのでようやく自分の好みに合うイヤホンがわかってきたのかなと思っています。
P1に話を戻しましょう。
音質的な面でP1を気に入った点について書きましたが、P1に魅力を感じているもうひとつの点は、ケーブルによって表情を変える点です。
標準ケーブルでも買いたいと思うほどに魅力的な製品ですが、ORBのClear forceと組み合わせたときに違う一面を見せてくれました。単純にポテンシャルの高さを感じたんですよね。
VE5も標準ケーブルからEffect AudioのARES II+にリケーブルして音が好みに近づきましたが、VE5の変化よりも大きかったです。
現在は、ORBのClear force Ultimateと組み合わせて聴いていますが、この組合せもとても良いです。
これまではあんまりリケーブルをすることはなかったんですが、P1用のケーブルにはだいぶ投資しちゃってます(笑)
今回は以上です。
現在、イヤホン(IEM)選びをしていますが、P1のおかげで「これは!」と思うイヤホン(IEM)に出会えていません。それだけ気に入っています。
P1よりもいい音を出すイヤホン(IEM)はいくつか聴いているのですが、P1は2.5万円程度で買えてしまうので、費用対効果を考えるとなかなかP1よりもいいと思う製品を購入できていません。
最近はSTAXの密閉型イヤースピーカーやRHAのCL1を聴いて好印象だったので、4月までに決めたいなと思っています。
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