じっくりと試聴 DAP SHANLING M3s

amahikasです。
今回はSHANLING社に声をかけてもらって、同社のM3sというDAP(デジタルオーディオプレーヤー)の感想を書きたいと思います。
レビューをしたからと言ってM3sがもらえるということはなく、2〜3週間使ってみてお返しするという条件なので、いつも通りに良いことも悪いことも遠慮なく書きたいと思います。

SHANLING M3s

SHANLING社の製品は今回が初めての試聴となります。
創業は1988年で、据え置きのアンプが最初の製品だったようです。
その後はアンプだけでなくCDプレーヤーやDAC、スピーカーを開発し、数年前からポータブル製品も始めたそうです。
私がメインで使っているDAPのCayin i5のCayin社と同じような歴史を持っているメーカーですね。

SHANLING社はこれまでにM1、M2、M3、M5といったDAPを開発しています。
いずれも高評価で、私もメーカー名はよく聞いていました。
今回試聴をするM3sはM3の後継機となります。
国内では4万円弱で販売されています。
詳細については公式サイトを参考にしてください。

コンパクトながらもDACにAK4490をデュアル搭載、2.5mmのバランス端子を装備、BluetoothはaptXに対応、USB端子はType-Cなどハイエンド製品に見劣りしないスペックとなっています。
ほとんどの音源フォーマットにも対応しているので、よほどこだわった使い方をしないかぎりは十分なスペックだと思います。

DACに採用しているAK4490は私がメインに使っているDAPのCayin i5と同じものです。
また据え置き用のヘッドホン用DACとして使っているGrace Designのm9XXとも同じDACです。
SHANLING M3sはAK4490をふたつ積んでいるのがCayin i5とm9XXとの違いとなります。

試聴環境

数週間貸してもらったので、いろんな環境で試聴をしました。
この記事では主にM3sとDT 1770 PROを直接接続した音の感想を書きます。
DT 1770 PROはORBのClear forceにリケーブルしています。
M3sの設定ですが、イコライザはオフにしています。ゲインはHIGHで、デジタルフィルタはSlowです。
AK4490は私がメインで使っているDAPのCayin i5とDAC/AMPのGrace Design m9XXと同じDACです。経験上、デジタルフィルターはSlowのほうが私の耳に合います。

試聴に使った音源は主にCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)です。
試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。

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試聴結果

Rio Rush / Fourplay

冒頭のシンバルは軽快に鳴ります。滑らかというよりも少しエッジが立っていてハッキリクッキリとした音です。
解像力が高くて細かく聞かせるというよりもまったりと気持ちよく聴かせるという傾向にあります。
切れもそこそこありますが、ベース音なんかは包み込む感じになるのでリスニング寄りと感じます。

Bisso Baba / Bob James

ベース音が柔らかいですね。この曲でもキレよりも気持ちよく聴かせることを重視してるのかなと感じます。
全体的にはウォームな傾向なんですが、高域が少しカラッとしてるのが面白いです。
他の楽器も気持ちよく鳴っているので、全体的に違和感や変な音を聴くことがありません。
とにかく気持ちがいいなぁという印象です。
その分、解像力はいまひとつかなと思います。分析的に細かく聴くタイプではないと思いますが、そこそこの解像力は備えているので違和感はないです。

Crush / Kelly Sweet

この曲も良いですね。
i5やOPUS #3といった私の普段の環境に比べるとボーカルが目立ちます。
中盤以降のシンバルを多用する部分ではもう少し高域が出て欲しいと思いました。
特に天井が低く感じることと開放感に乏しいです。

At The End Of The Day / Les Miserables

冒頭のパーカッションと歓声の部分ですが、歓声のほうが目立ちますね。
中域の量が多いのでボーカルは必然的に目立つのかなと思います。
この曲もいい感じに聴くことが出来ますが、細かいことを言うと高域の開放感がいまひとつと感じました。
オーケストラの迫力は出ていますが、スピード感はいまひとつです。また、小さな音を出してる楽器の音は聞こえてきません。

Master of Puppets / Metallica

比較的、鳴らすのが難しいと感じるこの曲ですが、良い感じですね。
多少、音源が悪くてもうまく鳴らしてくれるタイプの製品だなと感じます。
疾走感はいまひとつですが、メタルの迫力はよく出ています。

Flesh and The Power It Holds / Death

これまでの曲と同じように高域に少し物足りなさはありますが、全体的には良い感じに鳴らしてくれます。
低域ですが、量はあるものの下まで重低音が出るとより良いでしょうかね。

Near The End / Mat Zo

この曲もおおむね気持ちよく聴くことができますが、高域の天井の低さと低域の沈み込みが足りないと感じました。
基本的に耳障りな音を出さずに気持ち良く鳴らすのはこれまでの曲と同じなのですが、音源に録音されている音を丁寧に出しているというわけではないと感じます。

音質について

全体的なバランスは中域と低域が強く、高域は必要十分という印象です。特に中音域が目立ちます。
高域はカラッとした面もあるんですが、全体的にはウォームでリスニング寄りの傾向が強い音と感じました。

ジャンルを問わずに気持ちよく聴くことができるのが特徴です。
ジャンルだけでなく、音質があまりよろしくない曲でもそれなりに聴かせてくれます。
私がメインで使っているCayin i5とOPUS #3だと音源の悪さをそのまま出すんですが、M3sはうまい具合に音源の悪さをカバーしてくれます。
逆に言うと、いい音源では少々物足りなく感じました。気持ち良く聴くことができるものの音源の良さを十分に伝えることはできておらず、全体的に解像力が不足していたり、高域は天井が低く感じました。
低域については量感があって「こういう音も有りだな」と思う反面、キレやアタック音にこだわる方には向かないと思います。

高域の量が少なくて天井も低めなのは不満ですが、高域の質は気に入っています。
ウォームな中域と低域に比べるとカラッとしていて歯切れが良いです。
この音の組合せは好きなんですよね。

Bluetooth接続の音質

Bluetooth接続も試してみました。
M3sとペアリングしたのは最近購入したbeyerdynamicのAventho wirelessです。
M3sはaptX対応なのでaptX HD対応のAventho wirelessのBluetooth性能をフルに活用することはできません。
しかし、aptXで接続することはできるので外を散歩しながらM3SとAventho wirelessをaptXでつないでみました。
結論から言うとまだ有線でつないだほうが良いと感じるものの、無線ならではのお手軽さもあるので、悪くない選択肢だと思いました。
前にB&WのP7 Wirelessを1ヶ月ほど使いましたが、あの時の印象よりは良いです。
とは言え、P7 Wirelessは主にiPhoneとBluetooth接続をしていたので当然の結果だと思っています。Bluetooth接続は意外と再生側機器の音質影響が大きいんですよね。

ともかく個人的には早くaptX HDを聴いてみたくなりました。
それくらいM3sとAventho wirelessの組み合わせは良かったです。

次ページに使い勝手などを書いていきます。