気ままに試聴 オリオラス真空管ポタアンBA10 (OAK)

ヘッドフォンアンプ/DAC
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暑い日が続きますね。そろそろうんざりのamahikasです。
今日はオリオラスのBA10(OAK)のレビューです。
これまでBD10(CEIBA)+BA10(OAK)の組合せとBD10(CEIBA)単体のレビューを書いてきました。どちらの環境もいいのですが、今のところはBD10(CEIBA)+BA10(OAK)の組合せが気に入っています。

自宅でヘッドホンやイヤホン(IEM)を使う習慣がなかった私ですが、開放型ヘッドホンのDT 1990 PROを購入してから、自宅でも使う機会が増えました。
DT 1990 PROはポータブル製品ではないのでメインで使っているDT 1770 PROに比べても音が取りづらく鳴らしにくいです。
最近は、ALO社のContinental Dual MonoAlgoRhythm社のPicollo、Analog Squared PaperのTUR-06、TR-07hpなどを聴く機会があり、やはりアンプがあったほうが良いかなと思うようになりました。
メインで使っているCayinのi5 DAPあたりだとDT 1990 PROもしっかりと鳴るんですが、MacBook ProやOPUS #3だともう少し中域と低域に量感が欲しくなります。

そんなわけで今日はオリオラスの真空管ポタアンBA10 (OAK)を単体で鳴らしてみることにしました。

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Oriolus BA10 (OAK)

BA10(OAK)

簡単にBA10の紹介を書きますが、以前に書いたBD10(CEIBA)+BA10(OAK)の記事と同じ文章なので以前の記事をすでに読んだ方は飛ばしてください。

真空管アナログアンプのBA10はフルバランス入力とアナログライン入力端子を搭載し、出力は2.5mmバランス端子と3.5mmアンバランス端子を搭載しています。
真空管のほうはデュアルチャンネルで2基搭載しています。

詳細は公式サイトを参考にしてください。

BA10 (OAK)
ポータブル真空管ヘッドホンアンプ バランス転送対応 BA10 (OAK)至高の音創り、ついにアンプの世界へ到達 フルバランス真空管アンプが奏でる至高のサウンド 至高の音創りを追求するOriolus。...

BD10のバランス出力端子とBA10のバランス入力端子ですが、6Pinの専用端子となっています。バランス接続にはあまり詳しくないのですが、専用ケーブルでBD10とBA10を接続することを想定しているようなので、他社製のDACやアナログアンプとバランス接続をするのは難しそうです。

試聴環境

試聴環境は以下の通りです。

・OPUS #3→BA10(OAK)→DT 1990 PRO
・MacBook Pro→HERUS+→BA10(OAK)→DT 1990 PRO

この組合せは自宅で私がよく使用している組合せです。
iPhone用に購入したHERUS+はここのところ出番が減っていますが、DAP(デジタルオーディオプレーヤー)のバッテリーがなくなってしまったときのためにカバンの中に入れていることが多いです。
また、MacBook ProのUSB DACとして使う方法もあると思って今回聴いてみました。
HERUS+は小型で小回りが利くのでなんだかんだで手放すことができません。
ちなみにHERUS+はBD10(CEIBA)と同じESS社のDACチップを積んでいるので相性も良いのかなと期待しています。

OPUS #3はLine Outモードで使用します。OPUS #3とBA10(OAK)はSAECのSUPRA MPケーブル:3.5mmミニプラグ-3.5mmミニプラグで接続しました。
MacBook ProとHERUS+はいつものWireworld社のUltraviolet7で接続しています。HERUS+とBA10(OAK)はSAECのSUPRA MPケーブルで接続しています。
MacBook ProではAudirvana Plusで再生をしています。
Audirvana Plusはいつも通りの設定ですが、余分な要素は省きたかったのでアップサンプリングは無効にしました。

ヘッドホンはDT 1990 PROがメインですが、DT 1770 PROMezeの99 ClassicsELEARでも聴いてみます。

音源はいつも通り、主にCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)です。
試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。

オーディオの試聴によく使う曲と聴きどころ(2017年2月版)
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それでは試聴結果にいきたいと思います。

OPUS #3とBA10(OAK)の試聴結果

Rio Rush / Fourplay

OPUS #3の特徴とBA10の特徴がうまく混ざり合ってる感じですね。
具体的に言うとOPUS #3のアナログ的な鳴り方は健在ですが、ウォームさは少し減少しています。
かわりにBA10の特徴である乾いた音の傾向が強くなってます。
解像力はOPUS #3単体で聴いたときと変化はなく、BD10+BA10のほうが細かいなと言う印象です。

この組合せで好みだなと感じるのは高域ですね。OPUS #3とBA10の相乗効果だと思いますが、全体的に良く目立つようになっています。また、ひとつひとつの音の粒が細かく、ハッキリクッキリとした音像になります。

Bisso Baba / Bob James

前の曲と同様の結果ですが、この曲では中域の厚みが増してるように感じました。
高域の目立ち方も一緒なんですが、ハッキリクッキリしてる割に滑らかなのが良いですね。粗くなったり聴きづらくなることがないです。
低域は量感とともに少し深みて余韻が残りやすくなります。

At The End Of The Day / Les Miserables

冒頭のパーカッションと歓声がかなり目立ちます。聴きづらくなりやすいクラッシュシンバルの音も滑らかです。
DT 1990 PROの特性もありますが、やや高域寄りのバランスになりますね。
この曲だともう少しオーケストラに厚みが欲しいところです。

Flesh and The Power It Holds / Death

前の曲と同様、高域の質は良いのですがやや目立ちすぎで、中域と低域の厚みが不足します。
結果的に迫力不足と感じました。
スピード感は非常によく出ています。OPUS #3単体で聴くよりもキビキビと鳴りますね。

Master of Puppets / Metallica

この曲は乾いたギターリフが非常に心地良いのですが、やはり中域と低域は物足りないですね。
高域は申し分ないです。特にギターソロの部分ではギターの音色がきれいに鳴ります。

Days of Wonder (Original Mix) / M6

音源に分厚くて深い低音が録音されているので、この曲では不足しているとは感じないです。
高域の量と質は相変わらずで、良い感じの抜けと開放感があります。

OPUS #3とBA10(OAK)のまとめ

全体的に高域寄りのバランスになりました。高域の質は細かく且つ滑らかで非常にいいのですが、主張が強すぎて中域と低域が物足りなく感じました。
中域と低域がしっかりと録音されている曲だと物足りなくは感じないのですが、比較的フラットに録音されている曲だと物足りなさを感じるという印象です。
それでもOPUS #3単体で聴くよりも中域と低域は少し量感が増えるように感じました。
ただ、最近はダイナミックドライバを搭載したイヤホンのPinnacle P1をよく使っているため、量感のある低域に耳が慣れています。その分、中域と低域が物足りなく感じる結果となりました。

音場は少し広がるという印象です。
高域が目立つ曲の場合は、開放感も増します。
OPUS #3の特徴も残りますが、それよりも全体的にBA10独特の乾いた音になるという結果です。

その他の製品で試した結果ですが、Mezeの99 Classicsが良かったです。
99 Classicsは私が所有しているヘッドホンやイヤホンの中でもっともウォームな傾向の製品ですが、上流(再生機側)によっては少しもっさりとした音になります。
BD10+BA10の時にも書きましたが、BA10の乾いた音質との相性が非常にいいようです。
99 Classicsは中域と低域も得意なので、物足りなく感じることはなく、むしろ出すぎるくらいによく出ています。

DT 1770 PROは相変わらず中庸な音になりました。
基本的には1990と似た傾向にあるんですが、1990よりも中域と低域に厚みがあるので、こちらも物足りなさは感じません。99 Classicsほどの厚みはありませんが、1770のほうが音源に素直と感じます。
またスピード感やアタック音の表現にも優れています。

ELEARは1770と同様で全体的なバランスが良いです。中域と低域が物足りないと感じることがないですね。

OPUS #3とBA10(OAK)の組合せはそれぞれのヘッドホンの特性が出る結果となりました。
その組合せも高域が粗くなったり、聴きづらくなったり、不快な音が出ると言うことはありませんでした。
好みで言うとELEARと1770が良かったんですが、99 ClassicsはELEARと1770に比べてBA10との相性が良く他の環境で聞くよりも良くなりました。
あまりいないと思いますが、ピンポイントで99 Classicsをひとつ上の音で聴きたい場合、BA10はお薦めです。

肝心の1990ですが、もう少し中域と低域に量感が欲しいかなと思います。
そもそも1990は高域が目立ちがちな製品ですが、ここ組合せだとより目立ってしまって私の好みから遠ざかると感じました。

HERUS+とBA10(OAK)の試聴結果

次はHERUS+の出番です。
HERUS+はiPhoneをDAP(デジタルオーディオプレーヤー)として使っている頃に購入しました。

音の特徴については以下の記事に詳しく書いています。

USB DAC Resonessence Labs HERUS+ 購入三ヶ月後のレビュー
HERUS+が購入してから三ヶ月が経ちました。 最近は、後から購入したnano iDSDの出番が多いのですが、身軽でいたいときにはHERUS+を持って外に出ています。HERUS+のファーストインプレッションと購入1ヶ月後の記事については以下

全体的に解像力が高く、音の粒が細かくなります。iPhone直で聴くのと比べるとレンジが広く高域、低域ともにレンジが広がります。
自然で聴きやすいというよりもカッチリとした音像になるのも特徴ですが、やや人工的な味つけをする傾向もあります。

Flesh and The Power It Holds / Death

OPUS #3とBA10でいまひとつと感じた曲から聴いていきます。
中域と低域に厚みが出ましたね。これだと物足りなさは感じません。
高域は控えめになりますがちょうど良い具合です。
ただし、先ほどの組合せに比べると高域の伸びがいまひとつです。もう少し伸びて欲しいのですが、スッと早めに音が消えると感じます。

Master of Puppets / Metallica

この曲も前の組合せよりも良いです。迫力がしっかりと出てます。
HERUS+の特徴は中域と低域の厚みだけでなく、カッチリとした音も出ていますが、BA10がうまく中和しているようであまり気になりません。
スピード感についても前の組合せと遜色がないですね。

やはり気になるのは前の曲と一緒で高域です。HERUS+のほうが控えめで、伸びも少ないと感じます。音の細かさはさほど変わりませんが、滑らかさについては前の組合せのほうが上ですね。

Rio Rush / Fourplay

この曲では全体的に解像力が劣ると感じました。一般的なレベルでいうと問題はないのですが、前の組合せと比べると音の分離や細かさは一歩譲るという印象です。
結果的に前の組合せのほうがまったりと聴くことができました。

Bisso Baba / Bob James

前の曲と同じ感想ですが、ベース音に量感が出る反面、シンバルやピアノの音は少しぼやける感じがあります。
全体的には中域と低域の厚みが増しますが、集中をして聴くと細かい部分が気になると感じました。ぼーっと聴いてる分には問題のない範囲です。

At The End Of The Day / Les Miserables

この曲はHERUS+との組合せのほうが好みです。
オーケストラの迫力がしっかりと出ます。細かく聴くと気になる点もありますが、それ以前にHERUS+の組合せのほうがこの曲の魅力を引き出してると感じます。

Days of Wonder (Original Mix) / M6

この曲もHERUS+との組合せが良いですね。
低音がしっかり出ているのと、ドラムのアタック音が強くて心地良いです。
中域に厚みがあるので音場もより広く感じられます。音の余韻や奥行きもよく表現できています。
HERUS+はカッチリとした音なのでこういうトランス系との相性が良いように感じます。

HERUS+とBA10(OAK)のまとめ

全体的にフラットに近いバランスになりました。
高域が控えめになるので1990で聴く分にはHERUS+との組合せのほうがしっくりとはまります。
ただし、高域だけでなく中域と低域の質についてはOPUS #3との組合せのほうがいいように感じました。
特に音の滑らかさはOPUS #3の組合せのほうが上で、全体的に整っているため聴きやすいと感じました。
ただし、中域と低域の厚みを要求される曲ではHERUS+との組合せのほうが、音源の魅力が伝わってきました。いくら良い音でも出るところが出てないと音楽として楽しく聴けないなと改めて感じました。

音場については曲によりますが、中域に厚みが要求される曲ではHERUS+のほうが広がりがありました。
一方、開放感は高域のよく伸びるOPUS #3のほうが良かったです。

1770で聴いた感想ですが、さすがに低域がよく出ますね。基本的には締まっていてキレのある低音ですが、適度にウォームさと量感があります。iPhoneとHERUS+の組合せでも感じたことですが曲によっては暴力的な低音が出ますね。(笑)

99 Classicsは中低音寄りのバランスに変わりました。高域がいまひとつ出ないのでOPUS #3との組合せのほうがいいと感じます。

ELEARはとても良かったです。というか、ELEARが悪く聞こえる環境を作るほうが難しいでしょうね。(笑)
ELEARの場合、BA10(OAK)との相性が非常にいいなと感じるのは高域の開放感です。お互いの強みがうまくマッチしているように感じます。

まとめ

BA10(OAK)単体でもいい真空管アナログアンプだなと感じました。DACをHERUS+にして聴いてみた感じではやはりBD10(CEIBA)との組合せのほうがいいと思います。
ただし、BD10+BA10の記事にも書いたようにBD10とBA10の組合せだと多少クセはあります。HERUS+と組み合わせることでクセは少し緩和されたので、OAKを単体で購入するのも悪い選択ではないと思います。

残念ながらOPUS #3とBA10の組合せだと1990が好みの音では鳴りませんでした。逆にHERUS+との組合せだと良い感じに鳴ったので、前段にどのようなDAC(もしくはDAP)を持ってくるかで印象も変わってくると思います。
Cayinのi5 DAPとBA10(OAK)の組合せでも聴いてみましたが、この組合せが一番良かったです。1990もしっかりと鳴りますし、メタルやハードロック系の音楽でも物足りなさを感じませんでした。
i5とBA10それぞれの良さが出ますね。普段聴いてるi5よりも高域がさらに目立つようになり、質も上がりました。この2製品は音の傾向も似ているので悪いようにはならないだろうなと思っていましたが、想像以上に良かったのでちょっと驚きました。

結論としては自宅で使用するアンプにはいいかなと思いました。
1990が思うように鳴らないのはOPUS #3との組合せだけでしたし、他のヘッドホン(1770、99 Classics)はいい感じに鳴ってくれました。
ただ、前述した通り、i5があれば十分と考えることもできるので、買うとしても自宅で使用するアンプについてはもう少し時間をかけて選びたいと思います。

今回は以上です。
以下の記事もあわせて参考にしてくださいまし。

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