amahikasです。
今回はHIFIMAN Japanから試聴レビューの依頼があったので、2週間ほど貸出機を借りることができました。
私自身は読んでくださる方にウソをつくのはイヤですし、なによりも自分自身にウソをつくのがイヤなのでいつも正直に感想を書くように心がけています。当然、レビューの依頼を受ける時はこの前提を依頼主に承諾してもらっています。
私自身もユーザーの一人なので提灯記事みたいなのは昔から好きじゃないですしね。(笑)
そんなブログですが、今回はHIFIMAN Japan社からレビューの依頼がありました。
今回レビューをするRE800は私が探しているダイナミックドライバーを搭載したイヤホンなので私にとっても好都合でした。
HIFIMAN RE800
HIFIMANについて簡単に紹介しておくと、2007年にニューヨークで設立したオーディオメーカーです。ポータブルオーディオ製品が中心で主にヘッドホン、イヤホン、DAP(デジタルオーディオプレーヤー)を開発、販売しています。
私自身はあまりHIFIMANの製品を試聴したことがないのですが、密閉/開放型両対応のEdition Sというヘッドホンを試聴したことがあります。
RE800に話しを移しましょう。
ハウジングに真鍮を使ったイヤホンです。前述の通り、ダイナミックドライバを一基搭載しています。
私はメインでカスタムIEMのVision EarsのVE5、イヤホン(IEM)のWestone 4Rを使っています。スペックや素材、ドライバの種類にはこだわることなく、音で判断するようにしていますが、結果的にBA(バランスドアーマチュア)型のイヤホン(IEM)を選ぶことが多いです。
私が好む音楽と音質にはBA型が合うんだろうなと思っていますが、今回はダイナミック型のイヤホン(IEM)が欲しいので珍しくダイナミック型のイヤホンを集中的に試聴しています。
RE800は今年の5月に発売されたばかりで、価格は約8万円です。すでにRE600 V2(約25000円、RE400(約1万円)という製品も発売されていますのでRE800は上級機という位置づけです。
さらにこの後にRE2000という製品が控えているそうで、こちらはかなり高価になるんでしょうね。
RE800の詳細については公式サイトを参考にしてくださいませ。
試聴環境
RE800はOPUS #3と直接接続して試聴しました。
OPUS #3の設定ですが、ゲインをノーマルにしてます。
音源は主にCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)です。
試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。
お借りしたRE800ですが、念のためいつもの方法で50時間ほどエイジングをしました。
通勤時やオフィスでもよく聴いていたので、この記事を書く頃には100時間くらいは鳴らしたと思います。
試聴結果
Bisso Baba / Bob James
まず、とても上品な音だなと感じます。
全体的なバランスは中域の量が少し少なくて、高域と低域が目立ちます。
高域は開放的で上まで伸びる感じがあります。
真鍮素材だからかシンバルの鳴り方が生々しくて特徴があります。やや人工的にも聞こえますが、粗くなるということはないです。
アコギとピアノは自然で解像力も高いです。
低域も下まで重低音が出ています。どちらかというとキレがあるタイプで解像力が高いです。
音質はモニター系ではありませんが、はっきりくっきりとしています。低域がわずかにウォームなので聴きやすくなっています。
Flesh and The Power It Holds / Death
この曲では高域のギターがよく目立ちます。ヒステリックなギターは少し聴きづらくなるくらいですね。
中域の量が少ないので迫力は出ていません。スピード感はありますが、中域の中でも高い音(Mid High)から高音が強すぎて聴きづらいですね。
重低音はそれほど録音されていない曲なのでどうしても高域寄りに聞こえます。
それと一番気になるのがメタル特有の歪みです。歪んだ音の表現があまり得意ではないようでやや耳障りな音に聞こえます。
Rio Rush / Fourplay
この曲は低音がいい感じに鳴っています。量感たっぷりというわけではなく、キレがあります。
気になるのはシンバルとパーカッション、スネアの音で、人工的な軽い音に聞こえます。
At The End Of The Day / Les Miserables
この曲はよく合っています。
まず、シンバル類が気持ちよく鳴ります。オーケストラの弦楽器もいいです。
女声コーラスが魅力的な曲でもありますが、その女声コーラスも細かくてキレがあっていいです。
全体的にスピード感もよく出ています。
気になるのは、シンバルの中でもクラッシュを強く叩くような音で、誇張されていると感じます。ここはやや人工的に感じますね。
Master of Puppets / Metallica
予想どおり、この曲はいまひとつでした。
ギターとベースリフのユニゾン部分はいいのですが、ドラムが入ってくるとシンバルとスネアの軽さが気になります。
シンバルの余韻はずーっと消えていくというよりも、不自然に膨らんでしまってかなり目立ちますね。
スピード感とキレはありますので、爽快感はあるんですが、中域の量が少ないこともあって迫力が出てないと感じます。
Crush / Kelly Sweet
女性ボーカルが前に出てきて耳元でささやかれてるように聞こえます。ゾクッとするくらいですね(笑)
ベース音は包み込まれる感覚があまりないもののキレがあるのは心地いいです。解像力も高いので、演奏者の指の動きがよくわかります。
中盤でシンバルを多用するパートでは案の定、高域が聴きづらくなりました。
Days of Wonder (Original Mix) / M6
この曲は意外と合っていて面白いですね。
まず、低域が低いところまでよく鳴っています。キレもあるのでバスドラやタムのアタック音が心地いいです。
高域のシンバルとパーカッションはやや人工的ですが、電子音なので不自然さは感じません。低音と高音で音場の広がりも気持ちが良くて、これまでこの曲を聴いていたのと印象が少し変わりました。
The Millionaire Waltz / Queen
少し古い曲も聴いてみましょう。
冒頭のピアノとボーカルだけの部分は非常にいいですねぇ。空気感がよく表現されていますし、とても細かく聴きとることができます。
ベースもこんな音を出してたんだと改めて気がつくくらい細かいですね。
途中までは良かったんですが、ドラムが入ってきて聴きづらくなってしまいました。
それとギターの歪みを表現するのは相当苦手のようですね。音源もあまり良くはないのでかなり粗くなっています。
次ページに続きます。
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