ポタフェス2018冬 レポート3 FAudio Y(試作機)、STAX CES-A1、Spinfit CP360、JVC 試作イヤーピース

アクセサリー

amahikasです。
ポタフェス2018冬のレポートその3です。
この記事ではイヤホン(IEM)とイヤーピースについて書いていきます。
ポタフェス2018冬の記事はこれで最後になります。

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試聴環境

本題に入る前に今回のイベントの試聴環境を紹介しておきます。
DAP(デジタルオーディオプレーヤー)はメインで使っているCayin i5とOPUS #3のいずれかを使用しています。Cayin i5はLow GainでOPUS #3はHigh Gainです。どちらもエフェクター類は無効にしてあります。
ヘッドホンはメインで使っているDT 1770 PRO、イヤホン(IEM)もメインで使っているAKG N5005を使いました。DT 1770 PROにはORBのClear forceといういつもの私の環境で試聴をしました。

音源は主にCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)です。
たまにHF PlayerでFLACの96kHz/24bitの音源も聴きます。
試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。

オーディオの試聴によく使う曲と聴きどころ(2017年2月版)
amahikasです。 昨年のうちに更新しておきたかったのですが、インフルエンザにかかってしまって更新ができませんでした。 今回は私がオーディオの試聴に使う曲をと聴きどころを紹介します。 ちなみに前回の更新は2015年10月でした。 ...

FAudio Y(試作機)

まずはFAudio社の試作機です。FAudio社といえば、MajorやPassionの評判が非常にいいですね。
今回私が聞いてきたFAudio Yはポタフェスに出品されていた試作機でダイナミック、BA、静電型、三種類のドライバを搭載したハイブリッド構成です。
静電型は最近、流行ってますね。個人的にはまだ煮詰めていない製品が多いのと、高価なので手を出してはいませんが、そのうち安価で良い製品が出てくると期待しています。

FAudio Yの感想

FAudio Y

FAudio YはOPUS #3に直接接続をして聴きました。イヤーピースは標準でついていたものをそのまま使いました。私が常備しているSpinfitやOrtofonのイヤーピースは径が細すぎて合いませんでした。

聴いたのはBisso Baba / Bob James、Rio Rush / Fourplay、Master of Puppets / Metallicaの三曲です。
全体的に落ち着いた上品な鳴り方をするというのが第一印象です。低域の量感は私には少し大きすぎるかなと思いました。と言っても高域も埋もれることなくきちんと聞かせてくれます。好みじゃないと感じたのは質です。はっきりくっきりとした高域が出るんですが、くっきり過ぎて不自然に聞こえました。”Rio Rush”のシンバル音は元々軽めの音ですが、いつも聴いてるよりかなり軽く聞こえました。

中域については必要十分な量で質もいいです。ひとつだけ気になったのはドラムのアタック音です。私には柔らかすぎるかなと感じました。
解像力はそこそこという感じで、私が使ってる中だとPinnacle P1にもっとも近いと感じました。スピード感は普通で特に応答速度が速いということはありませんが、もっさりするというほどでもありません。

音量は86から90でした。鳴らしやすいタイプではないです。全体的に聴くと各帯域のつながりはさほど悪くはないものの、音の傾向が違うので統一感がありませんでした。これも個人的にマイナスポイントでした。まだ試作機なので製品版もまた聴いてみたいと思います。

STAX CES-A1

次はSTAXの密閉カバー+イヤーチップセットのCES-A1です。正式な型番をいうと密閉カバーがCC-A1で、イヤーチップがET-A1です。CC-A1とET-A1をセットにしたのがCES-A1となります。
製品型番をわざわざ分けているのは、密閉カバーとイヤーチップが異なるプロジェクトで開発されたからなのかなと推測しています。将来的に別売りをすることもできますし、今後密閉カバーだけが進化したときなどのためなんだろうなと思います。

で、このCES-A1をなにに使うかというと、STAX社の既存のイン・ザ・イヤースピーカーSR-003MK2とSRS-002を密閉型することを可能にします。SR-003MK2とSRS-002は開放型なので、室内でしか使うことができません。しかし、室内であればイヤースピーカー(他社で言うヘッドホン)でいいじゃんということになり、あまり売れなかったのでしょうかね。ユーザーからもSR-003MK2とSRS-002を外で使いたいという要望が多かったため、密閉型にすることができる密閉カバーとイヤーチップを開発したというわけです。

私自身はSTAXの音が好みであるもののイヤホンとヘッドホンは外で使うのがメインのため、STAXの製品を購入する機会がなかなかありませんでした。いつかはヘッドホンが欲しいと思っていますが、まずは現実的なイヤホンということで、CES-A1の試作機を初めて聴いたときから楽しみにしていました。

CES-A1の詳細については公式サイトを参考にしてください。

CES-A1 | STAX
The Founder of Earspeaker - Since 1938 -

CES-A1の感想

CES-A1の試聴にはCayin i5のラインアウトとSTAX社専用ドライバのSRM-002を接続しました。イヤースピーカーはSR-002です。ちなみに専用ドライバのSRM-002とSR-002のセット型番はSRS-002です。4万円弱で販売されているので、CES-A1(約6,500円)と合わせても約4.6万円で買うことができます。

イヤーピースはS、M、Lの三つのサイズがありますが、私にはLサイズが合いました。

SRM-002とSR-002のセットSRS-002

Bisso Baba / Bob James、Rio Rush / Fourplay、Master of Puppets / Metallica、Rock the Blues Away / AC/DCなどを聴きました。

まず音のほうですが、これまでSTAX製品に抱いていた音の印象がベースになっています。
レンジが広く、落ち着いた上品な音です。全帯域にわたって解像力が高く、滑らかです。特に高域は他のイヤホンで聴くのが難しいレベルの音が出てきます。派手で明るく、キラキラというというタイプの高域ではなく自然で開放的というタイプですね。
低域はキレがあっていいです。量感については少なめですが、深いところまでよく出ています。中域は少し物足りません。メタリカは大丈夫でしたが、AC/DCは迫力不足と感じました。

装着感はまあまあでした。頭を軽く左右に振っても大丈夫だったので、なんとか外で使うこともできるかなと思います。それと想像していたよりも軽いです。

全体的には1770の聴感に近いので個人的にはとても好みです。専用ドライバが必要となるので、必然的にDAP(デジタルオーディオプレーヤー)と重ねて持ち歩く必要がありますが、この音が出るならなんとか工夫しようかなと前から思っています。ある意味ポータブルヘッドホンアンプのSoundBombe_CHRGを購入したのもこの日のための準備ということができます(笑)

CES-A1はすでに発売されているので、すぐに購入することもできるんですが、イヤホンを使用する時期ではないのと、SRM-002の後継機も開発中という噂があるので、少し様子をみようと思っています。

Spinfit CP360

愛用しているSpinfitの新製品が出ていたので聴いてきました。型番はCP360です。

左がCP360、右がCP145

試聴にはCayin i5とAKGのN5005を使用しました。普段はCP145のSサイズをN5005につけていますので、CP360のSサイズをN5005につけて聴きました。

装着感がCP100とCP145を比較するとCP145は装着感が柔らかくなったと感じるんですが、CP360はさらに柔らかくなってます。
音は高域がはっきりくっきりと出るようになっていまして、自然で柔らかいというよりもキレとエッジが立っているという印象が強いです。音の滑らかさはあまり変わりませんが、CP145のほうが聴きやすい音かなと思います。

しばらくN5005にはCP145を使って、その他のイヤホンにはCP100でいいかなという感じました。

JVCの試作イヤーピース

最後の製品です。
JVCが試作のイヤーピースを出していたので聴いてきました。JVCといえば、スパイラルドットで有名ですね。私もSpinfitと出会うまではスパイラルドットをよく使っていました。

 

写真を撮り忘れたので音と装着感の感想になりますが、非常に良かったです。
こちらのイヤーピースも試聴にはCayin i5とAKGのN5005を使用しました。赤いサイズのイヤーピースが私には合いました。

音は高域と低域がともによく出ていてレンジが広かったです。CP145よりも高域が少し柔らかいと感じました。
装着感も柔らかくて良かったです。Spinfitは少し硬めなので長時間の装着にはOrtofonのイヤーピースのほうが好きなんですが、JVCの試作イヤーピースもいい感じに柔らかかったです。正式に製品化されるのが楽しみです。

まとめ

STAXは期待通りでした。もう少し中域があるとなおいいので、様子をみたいと思いますが、来年購入できたら良いなと思います。
JVCのイヤーピースは発売されたらすぐにでも買うと思います。

ポタフェス2018冬全体を振り返るとAKGの密閉型ヘッドホンとSTAX CES-A1、JVC 試作イヤーピースが収穫でした。GRADOも2製品とも良かったです。しかし、限定品なので今すぐに購入できる状態にないことを考えるとなくなってしまうでしょうね。開放型ヘッドホンについては急ぐ必要はないのでうまくタイミングを計りたいと思います。
AKGのヘッドホンは海外で既発なのに国内では来春発売なので、ベイヤーの同価格帯の製品も聴いてみたいと思います。

その他の点で気になったのは長く試聴をする人が増えてきたことです。一時期は減ったかなと思ったんですが、全体的に来場者が減ったからかまた悪化してるなと感じました。この点については展示社側でも工夫が欲しいなと思います。空いてるときはいいのですが、混んでると思ったら時間制限を設けるなどするとより多くのユーザーに聴いてもらうことができますし、悪いことはないと思います。
まさか行列ができてることが良いことだと思っていないと思いますが、機会損失になっていると思ってもらえればと思います。

今シーズに限って言うと秋のヘッドホン祭のほうが聴きたい製品が多かったです。昨年あたりからヘッドホン祭とポタフェスで微妙に趣を変えてきてると感じていますが、個人的にはヘッドホン祭のほうが興味が湧くようになっています。
とはいえ、今回のポタフェスもとても楽しませてもらいました。毎度のことですが、主催者と出展社のみなさまには感謝の言葉しかありません。

今回は以上です。

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