じっくりと試聴 Cayin N6ii DAP/T01 レビュー

ラグビーロスが早くも心配なamahikasです。
ついにCayin N6ii用の新しいオーディオマザーボード『T01』が発表されました。私はESS社のDACを予想していましたがCayin N6と同じTI社のPCM1792Aのデュアル構成となりました。PCM1792Aといえば、N6だけでなく私が愛用しているOPUS #3、そして個人的に憧れているCOWONのPLENUE Sにも搭載されています。既存のオーディオマザーボードA01はいまひとつ私の好みに合いませんでしたが、T01には大いに期待しています。

さて、今回もN6ii DAP/T01をコペックジャパン様にお借りしてじっくりと聴くことができました。

Cayin N6ii DAP

Cayin N6iiについては以前にも紹介をしたので、以下の記事を参考にしてもらえればと思います。

Cayin N6ii レビュー前編

Cayin N6ii レビュー後編

Audio Motherboard T01

新しいオーディオマザーボードのT01も簡単に紹介しておきます。Texas Instruments社のDAC、PCM1792を二つ搭載していてオペアンプはA01と同じくOPA162を四つ搭載しています。
T01を単体で購入したときの価格は3.5万円強、N6iiとのセットは13.5万円弱です。T01単体価格は予想していたよりも安い価格でしたが、N6iiとのセット価格は予想に反してA01よりも高いです。価格についてはさておき、オーディオマザーボードの単体販売、A01とT01両方のセット販売は消費者にとって嬉しいですね。iBassoのDX220やDX200、DX150はアンプの種類が多いので難しい面もあると思いますが、こういう選択肢もあるといいなと思います。

試聴環境

今回は以下の環境で試聴をしました。

試聴に使った機器

以下の機器を試聴に使いました。

主に外で使用をしたのでメインで使ったのは1770です。1990を使用しました。ゲインはLow、Mid、Highから選択できますが、Highで聴きました。イコライザ類はいつも通り、すべて無効にしてあります。再生アプリにはNeutron Music Playerを使用しました。最近はCayin i5、OPUS #3、DX220で使っている再生アプリで設定も合わせています。
それと、コペックジャパン様がA01も一緒に貸してくださいましたので、A01との比較を中心に感想を書きたいと思います。

デジタルフィルターの設定

デジタルフィルタは以下のふたつから選択することができます。無効という設定はありません。

  • Sharp Roll-off
  • Slow Roll-off

A01に比べると少ないのです。この記事では「Sharp Roll-off」で聴いた感想を書きます。

試聴曲

音源は主にCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)です。
試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。

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音の感想

A01との比較が目的なので、DT 1770 PROで聴いた感想のみ書きます。音量は最大値が100のうち、63から67で聴きました。

Rio Rush / Fourplay

A01では中域と低域が支配的で全体的にウェット且つ濃厚な音と感じましたが、T01だと高域の量感が増えます。全体的にもウェットというよりもドライな傾向にあります。中域は主張が少し控え気味になっています。低域はあまり印象は変わりませんが、ややタイトに聞こえます。
この曲では特にシンバルの切れ味とピアノとギターの響き方が良いと感じました。低域の表現力はA01とほぼ一緒と感じますが、キレが増していて交換です。

Bisso Baba / Bob James

底の方で雄大なベースが鳴る一方、天井は開放的でシンバルがしっかりと鳴っています。A01に比べると中域の主張が減っていてよりフラットな傾向にあります。そのおかげで高域と低域をしっかりと細かく聴くことが出来ます。
Cayin i5と比べると表現力が増してると感じます。よりリスニング向けの音にはなってると思いますが、DX220と比較すると素直で着色の少ない音と感じます。

At The End Of The Day / Les Miserables

オーケストラの演奏も余裕で鳴らしてますね。余分な付帯音が削り落とされているので細部が非常に聞き取りやすいです。特に低い弦楽器と高域を担当する楽器の表現力が上がってます。A01と比較すると縦のレンジが広がってるように感じます。

Flesh and The Power It Holds / Death

音の密度が高くて情報量の多い曲も余裕で鳴らしますね。A01と比べると強弱の表現力も上がっています。Cayin i5と比べると少し低域の量感が増えて、全体的にやや肉厚な印象を受けます。着色が多いとまでは感じないので絶妙なバランスだと思います。

Master of Puppets / Metallica

古めの音源でもそれなりに聴かせてくれます。A01のほうが古めの音源を気持ちよく聴かせるのは得意ですね。私は音源の粗さもそのまま聴きたいほうなので好みが分かれるところだと思います。迫力についてはA01のほうがよく出ていますが、スピード感はT01のほうが上と感じます。ギターリフが乾いた音になるのもT01が好みと感じる点です。

Crush / Kelly Sweet

音源の良さをさらに引き出すのはA01と一緒ですね。特にいいと感じたのはアコギの繊細な表現がうまいところです。ボーカルの位置も適切で息づかいまで細かく聴きとることができます。この曲は素晴らしいの一言です。

Rangers / A Fine Frenzy

この曲も非常によく合います。シンバルの切れ味とベースのキレが心地良いです。ベースはキレだけでなく包み込むように聴かせてくれます。

Days of Wonder(Original Mix) / M6

トランス系の曲も相性が良いと感じます。高域と低域の音の出方が広めで、特に低域の表現力が上がっているように感じます。全体的に音の広がり方も良くてこの曲でも強弱をうまく鳴らし分けてると感じます。

使い勝手

基本的な使い勝手については前の記事で紹介したので割愛しますが、T01特有の使い勝手について書いておきます。
まず、バッテリーですが100%の状態で自宅を出てから断続的に四時間ほど再生をして12時間後に自宅に着いた状態でバッテリーの残量は58%でした。同じような使い方でA01は72%残っていたのでT01のほうがバッテリーの消費は大きいようです。
発熱はDX220にもインストールしているAntutu 3DBenchとCPU Monitorで計測しましたが、30度を超えることはありませんでした。夏場には60度近くまで上昇したDX220と比較すると優秀です。

細かな使い勝手もN6iiは良いと感じていて、ポケットに入れながら音量の調節がしやすいです。曲送りや曲戻しといった操作の誤操作も少ないです。音量ホイールを押すことで電源のON/OFFやモニターのON/OFFが出来るのも使いやすいです。それとヘッドホン端子を接続するのは底面よりも上面のほうが勝手が良いです。私はポーチやポケットにDAP(デジタルオーディオプレーヤー)を入れることが多いので操作頻度の多い部分は上のほうにあったほうがいいですね。

オーディオマザーボードの差し替え

初めてCayin N6iiのオーディオマザーボードを差し替えたので写真をいくつか撮りました。

A01とT01

A01とT01

A01とT01です。T01のほうにはゴム製の端子カバーがついています。

T01とドライバー

T01とドライバー

T01の箱を撮りました。お洒落な色のドライバーが付属します。個人的にこのドライバーが好きです。右下には予備のネジが4本付属しています。この辺も安心ですね。

オーディオマザーボードの取り外し

オーディオマザーボードの取り外し

オーディオマザーボード挿入口

オーディオマザーボード挿入口

オーディオマザーボードの挿入口はこのようになっています。業務用のIT機器と同じような仕組みなので個人的には違和感はなく、安心して差しかえができます。よほど頻繁に差しかえをしないかぎり故障の心配も無いと思います。

まとめ

Cayin N6ii/A01は基本性能は高いものの好みに合わないと感じました。T01はA01の基本性能を受け継ぎながらも異なる傾向の音で私の好みに合いました。
もっとも大きく違うと感じたのは高域の量感と伸びです。A01では少し高域が控えめなのと天井が低めと感じたのですが、T01は高域寄りと言ってもいいくらい高域の量感が多いです。また、開放感がありよく伸びます。
全体的にカラッと乾いた音質になっているのも好感です。A01はムードたっぷりにゆったりと聴かせるという印象ですが、T01は音源に素直に聞かせるという印象です。比較対象として適切ではないかもしれませんが、開放型ヘッドホンのAmiron HomeとDT 1990 PROの関係によく似ていると感じました。どちらも基本性能はさほど変わらないのですが少し音質傾向が違っているという具合です。
全体的にドライな傾向にある分、繊細な音の表現がうまいと感じました。アコギとピアノの音が顕著に良くなっていると感じました。アコースティックな楽器との相性は良いですね。またディストーションの効いたエレキギターの音もキレが増しています。Cayin N8HA-300でも感じたのですが、Cayin社の製品はギターリフの表現力が高いです。i5ではそれほど感じなかった特徴なので進化してるなぁと思います。

今年新しく購入したiBasso DX220(AMP1 MKII)と比較をすると帯域のバランスはよく似ています。DX220のほうが全体的に滑らかで解像力もやや高いです。録音状態のいい音源だとN6ii/T01も滑らかさでは負けないのですが、音源に対して素直でDX220で聴くとそれなりに聞こえる曲でも粗をそのままに再生してくれます。DX220+AMP9の組合せだとN6ii/T01と似た音質になりますが、それでもDX220+AMP9のほうがリスニング向けのチューニングになっていると思います。
Cayin i5、OPUS #3と比べるとOPUS #3の繊細さにi5の力強さを足したように感じます。i5のフラットで着色のない音は今でも好きですが、N6ii/T01は明らかに表現力が上がってると今回聴いて感じました。N6iiはi5のアップグレードになれば良いなと期待をしていたのですが、N6ii/T01は期待通りの音でした。さらにOPUS #3で気に入っている高域の繊細さも持ち合わせているのがポイント高いです。

そんなわけでCayin N6ii/T01の購入を検討したいと思います。年末までにはE01というオーディオマザーボードも発売予定ということなのでE01も試聴をして最終的に判断したいと思います。まずは予算ですね(笑)

今回は以上です。
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