じっくりと試聴 iBasso DX220とAMP9のレビュー

DAP

amahikasです。
DX220のレビューを公開したばかりですが、AMP9との組合せで聴く機会もいただいたので、感想を書きたいと思います。
DX220のレビューは以下の記事を参考にしてください。

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試聴環境

DX220+AMP9

DX220+AMP9

AMP9はメーカー推奨で200時間のバーンイン(エージング)が必要とのことです。私が聴いたAMP9は時間の関係もあって80時間くらいしかバーンインができませんでした。しかし、箱から出したばかりの状態と比べると80時間でも随分と良くなりました。
AMP9は以下の環境で試聴をしました。

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試聴に使った機器

以下の機器を試聴に使いました。

各種設定

DX220は7つのデジタルフィルターから選択することができます。一通り聴いてみましたが、あまり違いは感じなかったので、デフォルトのSlow Roll-Off(Minimum)を使うことが多かったです。イコライザー類はすべて無効にしています。GAINはHighで最大音量は150です。(DX220は最大音量が調節可能)

試聴曲

音源は主にCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)です。
たまにFLACの96kHz/24bitの音源も聴きます。
試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。

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音の感想

時間も限られているので早速音の感想を書いていきます。

DT 1770 PRO

DX220+AMP9とDT 1770 PRO

DX220+AMP9とDT 1770 PRO

まずはメインで使っている密閉型ヘッドホンのDT 1770 PROからです。音量は135から145で聴きました。AMP9は少し出力が弱くて音量が取りづらいんですね。ケーブルですが、ORBの Clear forceを使っています。

基本的な音の傾向はAMP1 MKIIと似ています。AMP1 MKIIとの違いは全体的にすっきりとした聴感になることと、高域の量が増えて開放的になる点、低域の表現力がすこし落ちる点です。AMP1 MKIIを聴いた感想として、高域は普段使っているCayin i5 DAPOPUS #3のほうがよく出ていると思いましたが、AMP9だとこの2製品と比べても遜色ありません。OPUS #3とは良い勝負ですが、Cayin i5よりも開放的で伸びやかな高音が出ています。
箱から出したばかりの状態だと高域が粗く感じたんですが、80時間鳴らしたおかげで滑らかになりました。また、空間も広がって表現力が上がっているように感じます。
AMP1 MKIIの低域が非常に印象が良かったのはレビューの前編に書いたとおりですが、AMP9はAMP1 MKIIほど空間が広がるということはありません。解像力と表現力が高いのは相変わらずですが、AMP1 MKIIのほうが空間はやや広いと感じました。とはいえ、ここの差はかなり注意をして聴かないとわからないレベルです。
中域はやや量が減るだけで質はほとんど変わらないように聞こえました。

全体的にすっきりとした聴感になるのと高域の質が上がることを考慮すると1770ではAMP9のほうが好みです。シンバルだけではなくアコギが出す高い音がきれいですし、音の響き方や余韻の残り方がナチュラルです。
ジャンルは特に問わないですし、情報量が多くても問題ありません。バックグラウンドの静けさもAMP1 MKIIとほぼ同じですね。

DT 1990 PRO

DX220+AMP9とDT 1990 PRO

DX220+AMP9とDT 1990 PRO

次に開放型ヘッドホンのDT 1990 PROで聴きます。音量は145から最大の150で聴きました。試聴用に音量を大きめにしているとはいえ、曲によってはもう少し上げたいと思うこともあります。DT 1990 PROを鳴らすにはギリギリってところです。ケーブルは1770と同様にORBの Clear forceを使いました。

1990だとさらに高域が開放的になります。中域の量感もさらにすっきりとした聴感になりますね。メタル系の曲で迫力が出ないということはなく、むしろスピード感があって疾走感が強調されて良いです。ためを作り出す部分では低域の表現力が活きますし、シンバルやギターのディストーションは高域の表現力が活きます。女性ボーカルは曲によって刺さります。音源通りと感じるので私は気になりませんが、刺さるのが絶対にイヤという方は注意が必要です。

1990は最近聴いたCayin N6iiとの相性がとても良かったのですが、DX220 + AMP9の組合せも相性は良いです。Cayin i5とOPUS #3に比べると中域と低域に量感があるので少しリッチな音になります。ただし、DX220はリッチ且つ濃厚すぎないのが好みです。これはAMP1 MKII、AMP9ともに感じるところです。

N5005

N5005とDX220

N5005とDX220

N5005もCayin N6iiとの相性が良かった製品のひとつですが、DX220 + AMP9との組合せでも非常に良かったです。N5005は再生機器(上流)から出てくる情報量がどれだけ多くても足したり引いたりせずに素直に出すという印象なので、DX220 + AMP9が出す高域も低域も余すところなく出してますね。あ、高域は少し量感をプラスしてるかもしれません。(笑)
情報量が少ない曲では丁寧且つ上品で繊細に聴かせることもできますし、万能で良い組合せだなぁと感じます。中域が妙に膨らまないのも私の好みと合うところです。
N5005は音量130から135で聴きました。ケーブルはAKG製のアップグレードケーブル(3.5mm)を使用しています。

RK01

RK01とDX220

RK01とDX220

最後にRK01です。こちらはORBのClear force UltimateにALO社の2.5mm→3.5mm変換プラグを使いました。
この組合せでは中域の量感が増えて音が近くなります。Cayin i5やOPUS #3と比べると濃厚な音になっています。音が近くなるせいか曲によっては高域が少しつぶれたりします。AMP1 MKIIの時にも感じましたが、RK01はCayin i5とOPUS #3のほうが相性は良いですね。

まとめ

AMP9はKORG社が蛍光表示管技術を応用して真空管アンプのNutubeを採用しています。前に試聴をしたCayin社のN8 DAPも搭載していたものです。普段から真空管アンプを聴いているとAMP9の音が真空管っぽいかどうかと言われると少し違和感があるんですが、AMP1 MKIIの良さを継承しつつ高域が開放的で伸びやかに聞こえる点が気に入りました。特にシンバル音の細かさと滑らかさ、ギターの突き抜けるような伸びやかな音が良かったです。

N5005も良かったのですが、DT 1990 PRODT 1770 PROとの相性が抜群でした。特に1770との組合せでは密閉型ヘッドホンを聴いてるとは思えない感覚を味わうことができました。OPUS #3でも似たような感覚を味わうことができるんですが、DX220 + AMP9の場合は中域と低域がさらに充実します。
RK01はいまひとつという結果になりました。耳に近い所で音が鳴るのと音が前に迫ってくる感覚が強いのでDX220 + AMP9の空間の広さが活かされないと感じました。そういう意味では空間に余裕のあるヘッドホンのほうがDX220 + AMP9の特性は活かされるように思います。

デメリットがひとつあります。バーンイン(エージング)が足りないせいか、たまにノイズが乗ります。AMP1 MKIIではなかったことなのでAMP9特有と思われます。頻繁に乗るわけではないので個人的には許容範囲ですが、バーンインで改善されるといいなと思います。

DX220 + AMP1 MKIIを聴いたときはCayin i5の代わりになると思いました。DX220 + AMP9はOPUS #3の代わりになるという感じです。ただ、Cayin i5とOPUS #3はDX220ほどリッチな音ではなくすっきりとした聴感が気に入っているので買い換えとなると判断が難しいですね。

AMP1 MKIIも良かったのですが、高域の量感が増して開放的になるのと全体的にすっきりとした聴感になるのでAMP9のほうが好みでした。AMP9は200時間まで鳴らして本領を発揮するということなので、さらに良くなると思うと個人的にはかなり惹かれるという結果になりました。
AMP9のおかげでDX220は買う気満々になっていますが、問題はいつ買うかですね。

今回は以上です。
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