amahikasです。
春のヘッドホン祭2019のレポート2です。
CayinのN6ii DAP(デジタルオーディオプレーヤー)に続いて、FAudioのMinorとWestoneの新しいW40とW60について感想を書いていきます。
試聴環境
本題に入る前に今回のイベントの試聴環境を紹介しておきます。
DAP(デジタルオーディオプレーヤー)はメインで使っているCayin i5を使いました。今回はN6iiという大本命が出ていたので、比較をする上でもなるべくCayin i5の音に耳を慣らすようにしました。Cayin i5はいつも通りLow Gainでエフェクター類は無効にしてあります。
ヘッドホンはメインで使っているDT 1770 PROを使いました。DT 1770 PROにはORBのClear forceといういつもの環境で試聴をしました。
音源は主にCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)です。
たまにHF PlayerでFLACの96kHz/24bitの音源も聴きます。
試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。
FAudio Minor
Major、Passionと人気製品を送り出しているFAudioの新しいイヤホン(IEM)がMinorです。Minorはダイナミック型ドライバーひとつの構成で設計思想はMajorやPassionの流れを汲んでいるといえそうです。
発売は5月を予定していて価格は「Majorの半分くらい」とのことでした。Majorが14万円弱なので7万円くらいで出てくると思われます。
デザイン的にもMajorやPassionと同じ系統の外観になっています。ケーブルはシルバーのものが付属するようです。イヤーピースもMajorと一緒のようです。
音の感想
Minorはi5の3.5mm端子に接続して聴きました。
At The End Of The Day / Les Miserables
音量は35で聴きました。
最初にすっきりとした音で好印象です。高域は滑らかで開放感があり、無理に出してるというよりもナチュラルさがいいですね。低域も量感があってしっかりと出ていますが、決してブーミーにはならずにキレもあるタイプです。中域もそうですが、量感とキレのバランスが良いです。
Bisso Baba / Bob James
この曲も35で聴きました。
冒頭のベース音で低域の量感と深さに驚きました。深さなら私が使ってるN5005も負けてませんし、量感はPinnacle P1もありますが、Minorは両方とも鳴らせると感じます。
この曲も高域が良いと感じました。ピアノの高い音の響き方も自然ですしシンバルは滑らかです。どちらかというと上品で落ち着いた音と感じました。
Master of Puppets / Metallica
この曲は音量38で聴きました。中域はN5005よりも量感がありますが、主張が強すぎるということはなく私の好みの範囲内です。N5005よりも少しウォームな傾向のイヤホン(IEM)が欲しいと思ってRK01とPinnacle P1も共用していますが、この2製品と比べるとワンランクの音と感じます。
ブースが空いていたのでイヤーピースを標準から普段使っているSpinfit CP145に換えて以下の曲も聴いてみました。
「Rio Rush / Fourplay」、「Unspeakable Word / GoGo Penguin」、「Prophecy / Their Dogs were Astronauts」。
スネアのアタック音が気持ちが良くてパンチもありながらキレもあります。もっさりとするようなところがなくスピード感もよく出ますね。
装着感と遮音性
標準のイヤーピースはいまひとつでしたが、N5005に着けているCP145のSサイズにしたら快適になりました。遮音性も高く会場の音は入ってこないです。
FAudio Minorのまとめ
イヤホン(IEM)はAKGのN5005、Ar:tioのRK01、Mee AudioのPinnacle P1で落ち着いてますが、久しぶりに欲しいと思う製品でした。
FAudioの製品は友人にMajorとPassionを貸してもらったり、イベントでYの試作機を試聴したりしていますが、今のところMinorがもっとも好みに合います。MajorとPassionはどちらも良い製品ですが、Majorはややウォームすぎて高域が物足りないのと、PassionはRK01とP1があればいいかなという印象です。
Minorを買うとなるとN5005と同じレベルでウォームタイプのイヤホン(IEM)として使い分けが出来そうです。
Westone W40とW60
久しぶりにWestoneのWシリーズとUMシリーズがリニューアルして新発売となりました。
WシリーズはW10/20/40/60/80、UMシリーズはBシリーズと名前を変えてB30/50というラインナップになりました。W50はなくなりましたね。
W40とW60の付属ケーブルは「High-Definition Silver MMCX Audio® Cable」に変わりました。Bluetoothケーブルも付属するとのことです。
個人的には安価に本体のみというパッケージがあってもいいんじゃないかと思います。
WestoneはWestone 4Rの頃からの付き合いです。一度、手放したのですがあの音が忘れられず買い戻しました。最近は出番がめっきり減りましたが、新しいWシリーズは低域が改善されているとのことでW40とW60を聴きました。
W40の感想
見た目はあまり変わってませんが、少し本体が縦長になっています。質感もあまり変わりませんが、少し高級感が出たかなと思います。
4月12日に発売済みで代理店の想定価格が59,800円です。
i5の3.5mm端子に接続をして聴きました。
聴いたのは「Rangers / A Fine Frenzy」、「At The End Of The Day / Les Miserables」、「Bisso Baba / Bob James」の三曲です。
全体的に抜けが悪くこもりを感じました。開放感もないです。
低域が強化されてるのは感じられますが、帯域バランスが中低域寄りになって高域が物足りないですね。
音量を上げると「Bisso Baba」では落ち着いてゆったりと聴くことができました。
Westoneの音は健在ですが、音の抜けが悪いことには変わりなく全体的にこもった印象を受けました。
Westone 4Rとは帯域バランスがかなり違うのでもしかするとエイジングが足りないのかもしれませんね。
音量は36から41で聴きました。
装着感と遮音性は相変わらずで最高レベルでした。本体が軽いのもいいですね。
W60の感想
続いてW60です。
こちらもi5の3.5mm端子に接続をして聴きました。
聴いたのはAt The End Of The Day / Les Miserables」、「Bisso Baba / Bob James」、「Rio Rush / Fourplay」の三曲です。
W60は音抜けが良く、私の知ってるWestoneサウンドだなと感じました。高域も量感があり、しっかりと出ています。特にシンバルがきれいでよく目立ってます。
メインで使っているN5005にはかないませんが、RK01やP1と比べても帯域の狭さは感じません。価格帯を考えるともう少し広くてもいいかなと思います。全体的にウォームで滑らかですが、キレもそこそこあって音の分離も良いです。
前のW60を試聴したときと同じような感想ですが、低域は確かに強化されていて最近、BA多ドラ製品に感じる中域から低域の間の谷がありませんでした。N5005を選んでいろんな製品を試聴していたときにひょっとして気に入るかもとW60も聴いてみたんですが、この谷が気になったのが懐かしいです。
レ・ミゼラブルでは冒頭のパーカッションと歓声の再現度が高く解像力もそこそこと感じました。スピード感の表現も高く、基本性能がとても高い印象です。
同価格帯と比べると高域の開放感はもう少し欲しいところですが、遮音性が非常に高いので仕方が無い面もあると思います。
装着感と遮音性はW60も最高レベルです。Wシリーズのサイズ、形状、イヤーピースは私の耳に本当によく合います。
Westone W40とW60のまとめ
W40はないなと思いますが、W60は非常に良かったです。前モデルもそうですが、ウォームさとキレのバランスが良く、全体が見渡せるすっきりとした音に仕上がっています。
代理店の想定価格が124,800円なので買うのは難しいですが、いつかチャンスがあればと思います。
まとめ
FAudioのMinorが好みに合ってました。FAudioの製品はウォーム過ぎたり、高域に物足りなさがあったんですが、Minorはちょうど良いバランスでした。Majorと比べるとちょっとの違いですが、長く聴いてると結構大きな差になってくるんですよね。
Majorほどではありませんが、約7万円とそれなりに高額なので発売が開始されたらのんびりと試聴をしてみたいと思います。
ちなみにMinorは今回のイベントで一番良かった製品です。
WestoneについてはW60が気に入りました。長年のWestone 4RファンとしてはW40の本領はあんなものではないと思いたいです(笑)
今回は以上です。
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