じっくりと試聴 イヤホン(IEM)HUM Pristine-Reference (Universal fit)

amahikasです。
今回はTwitterのフォロワーさんからHUMというメーカーのイヤホン(IEM)を貸していただいたので、じっくりと聴きつつレビューをしていきたいと思います。

HUM Pristine-Reference (Universal fit)

HUMは香港を拠点とするオーディオメーカーで私が調べたかぎりでは、イヤホン(IEM)、ケーブル、DAP(デジタルオーディオプレーヤー)を開発/販売しているメーカーです。
イヤホン(IEM)についてはカスタムインイヤーモニター(CIEM)とユニバーサルフィットのインイヤーモニター(IEM)を販売しています。
カスタムもユニバーサルタイプも製品名はPristine-Referenceで統一されています。
国内だとカスタムIEMが162,900円、ユニバーサルタイプが142,900円となっています。

Pristine-Referenceの最大の特徴はドライバ構成にあります。
二つのBAドライバとコンデンサーを搭載している2Way2UnitのIEMとなっています。
コンデンサーというとSTAX社が有名ですね。
コンデンサーの特徴として一般的に言われるのは、歪みが少ない、応答性が良い、繊細で細かい音が得意と言われています。
また、刺激が少ないので聴き疲れがもしづらいと言われています。

一般的な2BAタイプのイヤホン(IEM)と違ってHUMのPristine-Referenceはコンデンサを搭載しているのが特徴となります。
技術的なことはわからないのですが、BAドライバとダイナミックドライバを搭載したハイブリッド型とはまた違う構成になっていると言うことですね。

デザインなども見ていきましょう。

HUM Pristine-Reference

HUM Pristine-Reference

一般的なカスタムIEMと同じようなデザインです。
シェルの透明度は非常に高いです。

HUM Pristine-Reference

ortofonのイヤーピースをつけました。

Westone 4Rと

Westone 4Rと撮影しました。Pristine-Referenceの筐体は小さいほうだと思います。

試聴環境

私がメインで使っているDAPのCayin i5 DAPOPUS #3を使用しました。
二週間ほど普段使いをした結果、OPUS #3との相性が良かったので、OPUS #3の試聴結果をメインに書いていきたいと思います。
Cayin i5はLow GainでOPUS #3はHigh Gainに設定してあります。2台ともいつも通りにイコライザ類は無効にしてあります。

試聴に使う音源はいつもと同じ曲です。
主にCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)で、試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。

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Pristine-Reference (Universal fit)の試聴結果

それでは早速、試聴結果を書いていきます。

Bisso Baba / Bob James

まずはOPUS #3から聴きました。
リスニング寄りでマイルドな鳴らし方をしますね。
ベースが目立つ曲ですが、深くて温もりのあるいい低音が出ています。
ピアノの音が埋もれることなくしっかりと聴くことができます。音色と響き方も良いです。高域のシンバルはやや量が少ないと感じるものの繊細で滑らかな音を聴かせてくれます。

Cayin i5で聴くと低域の量感が少し増します。ブーミーになることはなく適度なキレもありますね。
i5で聴いても高域が滑らかで音が細かいのが目立ちます。

Rio Rush / Fourplay

この曲もOPUS #3から聴きましたが、良いですね。
イヤホン(IEM)でこれだけこの曲のシンバル音を気持ちよく鳴らしてくれた製品は記憶にないです。
BA型のイヤホンであれば細かくて滑らかな音を聴かせてくれるのですが、Pristine-Referenceはもっとヘッドホンで聴いてるのと同じような音を聴かせてくれます。

リスニング寄りではありますが、必要以上にウォームな音になっていないのも好感です。
それなりの解像力ですし、ひとつひとつの音がよく分離されています。

音場については標準よりも少し広いと感じます。小さな筐体からどのようにこの音が出てくるのかはわかりませんが、音空間は広いです。

続いてi5で聴いてみましたが、こちらも違和感はなく、聴きづらい音を出すこともありません。

Master of Puppets / Metallica

音の密度を上げてみました。
小音量で聴く分には問題はないのですが、私が満足する音量だとスネアのアタック音が刺さります。
また、シンバルも力強く叩く場面では少し聴きづらくなります。
中域の中でも高域に近いHigh Midの量が強調されているようです。

i5で聴いてみました。基本的にOPUS #3と同じ傾向なんですが、低域の量感があるからか、i5のほうが合いますね。
スネアのアタック音は強いと思いますが、OPUS #3ほどではありません。

OPUS #3、i5どちらで聴いてもシンバル音は問題ありませんでした。
イヤホンで聴くとこの曲がなかなか思ったように鳴らないのですが、Pristine-Referenceは高域に関しては非常によく鳴らしています。

Last Train Home / Pat Metheny Group

シンバル音を再度確認してみました。
i5、OPUS #3ともに問題ないです。
どちらかと言えばOPUS #3のほうが繊細に聴かせてくれるのでこの曲には合います。
OPUS #3で聴くと中域の中でも高域に近いHigh Midが目立ちますね。低域もしっかりと出ているんですが、全体的に高域寄りになって開放感があります。
音場も中域や低域ではなく、高域が広がります。

At The End Of The Day / Les Miserables

まずはOPUS #3から聴きました。高域のパーカッション、オーケストラの迫力と下まで沈み込む弦楽器の低域もよく表現できています。スピード感も申し分なくて音の立ち上がりも良いです。
難を言えば、この曲でもHigh Midが強調されるので、女声コーラスが目立ちすぎるという点ですかね、

i5でも聴きましたが、この曲はi5のほうが合います。High Midが目立つことに変わりはないんですが、i5はLow Midもしっかりと出すので、こちらのほうが自然な音に感じます。
聴きやすいのもi5のほうですね。

Flesh and The Power It Holds / Death

この曲はi5から聴きました。
高域がもう少し目立つと良いなと思うくらいで、問題はありません。
音の密度が上がっても苦にしないですし、スピード感もよく表現出来てます。
ひとつひとつの音はよく分離されているんですが、それだけでなくデス・メタルの迫力や勢いも表現できてます。

OPUS #3で聴くと高域が目立つので、こちらのほうが好みです。
中域と低域はi5のほうが得意と感じますが、OPUS #3は高域の量が多いので、ヒステリックなギターやシンバル音がよく聞こえます。

Crush / Kelly Sweet

OPUS #3から聴きました。低域はベース音の量感がもう少し欲しいところですが、キレは素晴らしいです。ベーシストの指の動きがよく伝わります。
シンバルを多用する中間部でも聴きづらくなることはなく、細やか且つ滑らかな音を聴くことができました。
ボーカルについては少し刺さりますが、これは音源通りかなと思います。

i5で聴くと低音の量感が増すのでベース音が包み込むように鳴ってくれます。高域はOPUS #3ほど量はありませんが、必要十分という感じです。
ボーカルはi5もほんの少し刺さる傾向にありますが、気になるほどではありませんでした。

Come Sail Away / STYX

i5で聴いた感想ですが、冒頭のピアノとボーカルの部分はよかったです。ヘッドホンで聴いてるのと近い感覚でした。
ドラムとギターが加わるとドラムのアタック音が強いと感じました。

OPUS #3で聴いてみると冒頭のピアノとボーカルの部分はよりきめ細やかになります。特にピアノの音はOPUS #3のほうが好みです。
低域はしっかりと出ているんですが、やはりスネアのアタック音が目立ちますね、中域の中でも高い音(High Mid)が強調されてるように感じます。

この曲をイヤホンで聴くとシンバル音が粗くなりがちなんですが、Pristine-Referenceでは他の曲と同様に不自然さはありません。
高域の表現力は非常に高いと感じます。

Near The End / Mat Zo

トランス系の曲も聴いてみました。
i5ですが、音の余韻が良い感じに残って音の空間が広く感じられます。
不自然な余韻ではなく、自然な音の残し方と広がり方をしますね。それと音の立ち上がりがよく反応も速いです。どちらの音の出し方もうまいです。
もうひとつ、重低音の響き方も自然で良いです。

OPUS #3でも同じような感想ですが、i5と比べると全体的に音が柔らかい印象を受けます。
この曲に関してはソリッドに鳴らすi5のほうが好みです。

装着感

普段常用しているSpinfitとortofonのイヤーピースを試しましたが、最終的にortofonのイヤーピースに落ち着きました。
面白いことにortofonのイヤーピースはPinnacle P1だとLサイズがちょうど合うんですが、Pristine-ReferenceはLサイズだと大きすぎてフィット感がいまひとつでした。Mサイズだとちょうど良いです。

装着感は非常にいいです。
私の耳だとWestoneとShureが今でも一番よくフィットするんですが、Pristine-Referenceは同等の装着感でした。
Westone 4Rとの写真でもわかるとおり、筐体が小さいのとステムが短いのが良いのだろうと思っています。

難点がひとつだけあってステムが微妙に太いことです。
Spinfitとortofonのイヤーピースが着けづらいです。浅く着けてしまうとすっぽりと外れることがありました。
イヤーピースを奥までしっかりとステムに押し込むと問題ありませんでした。

遮音性と音漏れ

カスタムIEM並の遮音性でした。
また、かなり音量を上げても音漏れはしてませんでした。
遮音性についてはもう少し外の音が聞こえたほうが安全なんだけどなと思うくらいに遮音してくれます。

音量

音量はOPUS #3で70から85、i5で25前後でした。
iPhone Xでも半分程度の音量で十分なので、鳴らしやすいほうだと思います。
ちなみにiPhone XにはALACではなくAAC256の音源を入れてるんですが、なかなか良い音が出ますね。

ケーブル

ケーブルは標準ケーブルで聴きました。
コネクタは2Pinです。
かなり固く装着されているため、持ち主も外したことがないとのことでしたので、私も外しませんでした。
ARES II+でも聴いてみたかったんですが、標準ケーブルもそれなりに質の良いものであると感じました。
ゴム素材で覆われているので、タッチノイズは皆無です。柔らかくて取り扱いもしやすいのですが、少し絡まりやすいのが難点です。

おわりに

HUMのPristine-Referenceは実際に一週間ほど外に持ち出して日常的に使いました。
これまで書いてきたように音質と使い勝手の点で非常に優秀です。
持ち主が50時間ほど鳴らしているのでバーンイン(エージング)も十分かなと思いますが、朝の鳴らし始めは5分ほど鳴らしたほうが本領を発揮するという印象を受けました。

魅力はなんと言っても高域です。
イヤホンでここまできれいにシンバル音を鳴らす製品にはほとんど出会ってません。
最近試聴をした中だとHIFIMANのRE2000が良かったです。ただ、シンバルを強く叩くような音楽だと粗くなりがちでした。HUM Pristine-Referenceはジャンルを選ばずにきれいな高音を出してくれるので印象が非常にいいです。
私がメインで使っているVision EarsのVE5もきれいに鳴らしてくれますが、中域と低域の量感で少し不満が残ります。特に最近はダイナミック型の音に慣れてきていますのでね。
HUM Pristine-ReferenceはBAドライバとコンデンサのハイブリッドですが、ダイナミックドライバに近い中域と低域が出ると感じました。

中域の中でも高い音(High Mid)が強調されるのが私の好みから外れるところですが、すべての曲で気になるわけではなく、一部の曲で気になる程度でした。
店頭やイベントでの試聴と違って、一週間自分のお気に入りの曲をずっと聴いていたので大丈夫でしょう。
店頭試聴と違ってじっくりと聴くことができるのは本当にありがたいです。

ということで、HUMのPristine-Referenceは私が理想とするイヤホンの音に近いと感じました。
現在、イヤホン選びをしていますので候補に入れるかどうか悩みますね。
新品だと14万、中古でも10万前後というのが現在の価格ですので、少し予算オーバーなんですよね。Mid Highに問題がなければ少し予算を超えても良いかなと思いますが、非常に悩ましいところです。
他の候補と聞き比べたりしてみたいと思います。

今回は以上です。
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