気ままに試聴 イヤホン Custom Art Ei.XX CIEM

amahikasです。
Twitterのフォロワーさんからお借りした製品を聴いてみるシリーズその11はCustom ArtのIEM(インイヤーモニター)です。

Custom Art

Custom Artは初めて聴くメーカーです。
簡単に紹介しておくと、2012年にポーランドのワルシャワで設立されたポータブルオーディオメーカーです。
主力製品はIEM(インイヤーモニター)で、アクセサリーなんかも開発/販売しています。

歴史は浅いものの海外のオーディオコミュニティーであるHead-Fiでユーザーと交流をしながら製品を開発しているようです。
当ブログで扱ったことのあるメーカーで言うとMezeに似ていて、大きな資本をバックに既存メーカーと対等に渡り合うと言うよりも草の根的な活動で徐々にユーザーを増やしていくという今時の新興メーカーに見られる特徴を持っているという印象です。

最近はこの手のメーカーが増えてきて面白いなと思います。中には品質もサポート対応もお粗末なメーカーもありますが、既存の老舗メーカーを脅かす製品を出してくるメーカーもあって驚くことがあります。

Custom Artに話を戻しましょう。
Custom ArtはFIBAE 1というBAドライバひとつのモデル、BAドライバ二つのFIBAE 2、BAドライバ三つのEI.3とPRO330V2、8つのBAドライバを搭載しHarmony 8.2というモデルがあります。シリコン素材を採用しているのが特徴だそうです。

価格はFIBAE 1が300ユーロ、Harmony 8.2が1100ユーロなのでカスタムIEMとしては安価なほうです。
日本国内からだとeイヤホンで購入が可能です。

eイヤホンだとFIBAE 1がMUSIC ONEという製品名になってるようですね。

Ei.XX CIEM

今回レビューをするEi.XXはCustom ArtがMassdrop用に開発をしたモデルでカスタムIEMとユニバーサルタイプの両方が選べるようになっています。
6BA、4Wayのモデルで、2 super-low、 2 low、 1 mid-high、 1 super-highという構成になっています。

すでにMassdropでの販売は終了しているんですが、599〜625米ドルで販売されていたようです。

試聴環境

Ei.XXをOPUS #3と直接接続して試聴しました。
OPUS #3の設定は、ゲインをノーマル、イコライザはオフにしてます。
Ei.XXは標準ケーブルではなく、Effect Audio社のThor Silverをつけています。また、2.5mmのバランスケーブルなので、OPUS #3のバランス端子に接続しています。
イヤーピースはなかなか合うものがなくて苦労しましたが、最終的にはSpinfitがもっとも装着感が良く、音が好みでした。この記事ではSpinfitで聴いたときの感想になります。

音源は主にCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)です。
試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。

amahikasです。 昨年のうちに更新しておきたかったのですが、インフルエンザにかかってしまって更新ができませんでした。 今回は私...

試聴結果

Bisso Baba / Bob James

低音域に量感があります。この曲だとやや出すぎかってくらいでてますね。
高域は解像力、滑らかさ、開放感とどれをとっても高いレベルにあります。
中域は強く主張をしないタイプですが、しっかりと音楽を支えていて、軽く聞こえるようなことがないです。

バランスは低音寄りです。だからといって高域と低域が犠牲になることなく気持ちよく鳴らしているという印象です。
音場はどの帯域も広いんですが、ゆったりとした低域の広がり方が気持ちいいです。

Flesh and The Power It Holds / Death

この曲もかなり高いレベルで聴かせてくれますね。
不快と感じる音を出さずにこれだけ細かく、気持ちよく聴かせるイヤホン(IEM)にはなかなか出会うことができないんですが、Ei.XXは迫力、細かさ、聴きやすさの点で非常に優秀と感じます。
低音がこれだけ出ているのに高域もしっかりと鳴らしているのがすごいですね。

Rio Rush / Fourplay

この曲も非常にいいです。もう少し低域が控えめになって、高域が目立つと良いのですが、そうなると私がメインで使っているカスタムIEMのVE5に近い音になってしまいます。(笑)

At The End Of The Day / Les Miserables

冒頭のパーカッションと歓声は細かく表現できてますし、オーケストラのパートでは迫力が出ています。

Master of Puppets / Metallica

イヤホン(IEM)の試聴では鬼門となっているこの曲もなんなくクリアです。
ギターとベースがシンクロするリフの迫力と歪みもよく出ていますし、ドラムのスネアやバスドラのアタック音も鋭さがあります。粗く聞こえがちなシンバル音はやや目立たないものの、音量を上げていっても滑らかな音を維持しています。

中域の量が少ないと軽い音に聞こえるんですが、そう言ったこともないですね。中域も一定の量が確保されていると感じます。

Crush / Kelly Sweet

しっとりとした女性ボーカルを聴いてみましょう。
この曲も基本的に問題はありません。アコギの繊細な表現はもう一歩というところですが、価格を考えると十分です。

Rangers / A Fine Frenzy

もうひとつ女性ボーカルを聴いてみましょう。
うねるようなベース音が表現できてます。低音も包み込むような柔らかさがありますね。
高域は粗くなることもなくシャリつかずに軽快にシンバルが鳴っています。
この曲ではアコギの繊細な音も良く表現できています。下でぶっといベース音が鳴っているのにわずかなアコギの音もちゃんと鳴らしたのにはちょっと驚きました。

Come Sail Away / STYX

古めの音源も聴いてみます。
冒頭のピアノとボーカルパートはもう少し繊細に空気感を表現して欲しいところですが、価格を考えると十分です。私の経験で言うともっと高額でも表現できてない製品もありますのでね。

バンドのパートではややスネアのアタック音が鋭すぎて聞きづらくなりました。音源もそれほど良くはないので音量を上げると仕方がない部分もあります。
シンバル音については聴きやすいように調節できてます。

Days of Wonder (Original Mix) / M6

非常にいいですね。低域が目立ちますが、高域もしっかりと出ています。中域は相変わらず強く主張はしませんが、しっかりと底を支えています。どの曲もそうですが、軽く聞こえると言うことがありません。

デザインと質感

Ei.XX本体

Ei.XX本体

Ei.XX本体はこのような感じです。標準的なカスタムIEMの質感でシェルはきれいです。

イヤーピース装着

イヤーピースを装着しました。
ステム部分がかなり太いのでイヤーピースはちょっとつけづらいです。

サイズ比較

左からEi.XX、Westone 4R、VE5です。
VE5と比較をしてもらうとわかりますが、カスタムIEMとしては比較的小さめです。
私なんかはそうなんですが、小さめの筐体じゃないと耳にフィットしないという方にはお薦めです。

装着感

残念ながら装着感はいまひとつでした。イヤーピースをSpinfitにして安定しましたが、ステムが通常のユニバーサルタイプのイヤホン(IEM)よりも太いので、強引につける必要があります。
径が太いイヤーピースじゃないとつけるのは厳しいでしょう。

とは言え、元々はカスタムIEMメーカーなので、装着感にこだわる場合はカスタム版を購入するという選択肢もあります。
カスタムIEMだからといって必ずしも装着感がバッチリ合うというわけではないのが難しいところですが。

遮音性と音漏れ

Spinfitでしっかりと装着ができたせいか、遮音性と音漏れはWestone 4Rと同程度になりました。
本体が小さく、耳の奥までしっかりとはまるので、それほど難がある製品ではないと思います。

まとめ

最近、ダイナミック型のイヤホン(IEM)を聴くことが多いので、量感のある低域に魅力を感じています。Westone 4Rはそれなりに量感があるんですが、VE5だとやや物足りないと感じる時があります。

今回試聴をしたEi.XXはBA型ながらも量感のある低音域を出す製品でした。
全体的な音のつながりにも不自然さがなく好印象です。解像力についてはVE5と聞き比べをしてみるとさすがに一段階落ちるなと感じましたが、文中にも書いたように価格を考えると高いレベルの解像力と感じました。

モニターと言うよりもリスニング系の音質ではありますが、細かく聴くこともできるという私好みの製品です。VE5のほうがモニター寄りでEi.XXはリスニング寄りといえばわかりやすいでしょうか。
VE5も市場全体で見るとモニター系ではなくリスニング寄りだと思っていますので、Ei.XXはだいぶリスニング側に寄っていると思って良いと思います。

魅力ははやり低音域です。無理やり低音をひねり出すタイプではないので音源にもよりますが、かなり出ます。量感もたっぷりです。
その割に高域もしっかりと聞こえます。低音寄りながらも抜けが良くて開放的な鳴らし方をするのも特徴ですね。
スピード感にはそれほど優れてるという印象はありませんが、必要最低限のスピード感はあると感じます。

難をあげるとすれば音の密度が低く、静かな曲での繊細さに少し欠けるという点でしょうか。
また、VE5と聞き比べると全体的に音が整理されていなくてごちゃっとした聴感になります。これだけ低音が出ていれば致し方ないと思いますが、先日試聴をしたVE8あたりはすっきりと整理された聴感ながらも低域に量感があったので、自分が理想とする音を再確認することができました。また、現時点で私が理想とする音を実現するとかなり高価になるんだろうなということもわかってきました(笑)

ちょっと話が逸れました。
もちろん、Ei.XXとVE8を比較するのは価格的にフェアではないので、結論としてEi.XXは良い製品という結論になります。
個人的な音の好みも合うので他の製品も聴いてみたいですね。

今回は以上です。