B&W CDM1NTとSPARK 884Aのファーストインプレッション

アンプ

amahikasです。
二年ほど前に自宅のスピーカーオーディオ環境を新規に構築しました。音も機能も満足して使っているんですが、実家のアンプとスピーカーを使ってないとのことで引き取ることになりました。(「使ってないならくれ」と言った気もしますw)

実家にあるアンプはSPARK 884Aという真空管アンプで、スピーカーはB&WのCDM1NTです。2000年頃に親が新居祝いに頂いたものなんですが、実家に帰る度に聴くのが楽しみでした。884AとCDM1NTの組合せは、自分が思っていた以上に好みの音だったのと、2000年頃から聴き始めた女性ボーカルやカントリー音楽を非常に気持ち良く聴かせてくれました。
自分自身が数十年かけて構築したスピーカーオーディオ環境を2006年頃にすべて手放したこともあって、いつしかスピーカーオーディオ環境を作り直したいと思いながら884AとCDM1NTの組合せを聴くようになりました。

実家の884A

そんなわけで1月4日に884AとCDM1NTが我が家に届きました。既存のマランツ M-CR611とDALI MENUETの環境も気に入ってますが、自分の耳が確かであれば884AとCDM1NTのほうが好みに合うはずなので環境を整備していくのが楽しみです。
884AとCDM1NTの紹介をしつつ、感想を書いていきたいと思います。

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B&W CDM1NT

自宅のCDM1NT

CDM1 SE(スペシャルエディション)の後継機として2000年に発売されました。2Wayのブックシェルフ型で価格はペアで12万円でした。
低域用には当時、よく流行っていたと記憶しているケブラーコーンを採用しています。高域はノーチラス800シリーズに採用されたチューブローディングツィーターを搭載しています。
当時のB&Wの技術をコンパクトに詰めこんだのがCDM1シリーズで有り、CDM1NTが最終形態だったと記憶しています。
スピーカー上部の傾斜も特徴のひとつで、ツイーターが露出されるようになっています。このおかげで開放的な高音が出るのかなと思っています。

詳細については以下のサイトを参考にしてくださいませ。

B&W CDM1NTの仕様

設置

我が家のCDM1NT

スピーカーの設置場所を確保するのが難しくてDALIのMENUETを選んだという経緯があるため、CDM1NTは設置できない可能性もあると思っていました。その場合、リビングでは引き続きMENUETを使って、CDM1NTは寝室ででも使おうかと考えてました。
スピーカーを2セット接続できるM-CR611の特長を活かして、まずはMENUETとCDM1NTを聞き比べてみました。ちょっと聴いただけでもCDM1NTのほうがいいと判断できたのでなんとか工夫をしてCDM1NTをリビングに置こうということになりました。

自宅のCDM1NT

結果的にMENUETとほぼ同じ場所に置くことができました。テレビ台もよりしっかりとしたものを購入したので耐震上もいいかなと思います。最適な音が出るセッティングという意味では限界がありますが、満足のできる音が出ているのでいったんはこれで良しとします。

ケーブル

QED PERFORMANCE ORIGINAL

最初は実家で使っていたスピーカーケーブルを使ってみたんですが、HotとColdの区別がつかなかったため、QEDのPERFORMANCE ORIGINALというケーブルを新調しました。実家で使っていたケーブルに比べると音の粒と輪郭がはっきりとしています。しばらくはこのまま使ってみます。

この作業きらい・・・

まず、MENUETとの最大の違いについて書きたいのですが、CDM1NTの重量が10kgに対してMENUETは4kgです。CDM1NTのサイズは幅220x高さ393x奥行290mmで、MENUETのサイズは幅150×高さ250×奥行230mmです。オーディオは必ずしも大きさや重量が音質に比例するわけではありませんが、時として様々な工夫は大きさと重量を超えることが出来ないということも教えてくれます。
音は空気を振動することによって発せられるので、特に音の出口は「振動させられる空気量の多さ」が大事と感じてきました。MENUETとCDM1NTを聞き比べて感じたのはこの絶対的な差です。音の深さ、響き方があまりにも違ったので、前述の通りリビングでCDM1NTを使おうと決心しました。
MENUETを選んだときは、サイズの制約があってデスクトップサイズ、ニアフィールドのスピーカーを候補にしましたが、その中でもMENUETは音場が広く、リビングで鳴らしても違和感がない音を聴かせてくれました。しかし、CDM1NTのようにリビングくらいの広さで鳴らすためのスピーカー(言ってみれば本職)と比べるのは酷ですね。
ちなみに解像力についてはMENUETのほうが勝っています。細かく各楽器を分析的に聴くにはMENUETのほうが適しています。

我が家に来た884A

肝心のCDM1NTの音について書きましょう(笑)
実家で聴いてたときから感じてたんですが、密閉型ヘッドホンのB&W P7によく似ています。中域と低域はウォームで耳心地のいい音を聴かせてくれます。解像力はそこそこで、分析的に聴くというよりも気持ちよく音楽を聴かせるチューニングとなっています。
高域は量感もあって派手な響き方が特徴です。特にシンバルを始めとした金物の鳴り方にクセがあります。ナチュラルという感じではありませんが、P7でもっとも魅力と感じたのがこの高域なのでCDM1NTも必然的にここが一番気に入っています。
MENUETに比べると下まで深い低音がでます。MENUETもサイズとしてはすごい低音を出すなぁと感心することがあるんですが、CDM1NTはさらに低いところまで出ますね。
中域もP7によく似ていて量もあってウォームです。女性ボーカルやギターを魅力的に鳴らしてくれます。
MENUETともうひとつ違うのは小音量の時でも聴きやすいという点です。MENUETよりもどの曲が鳴っているのかを認識しやすいです。
個人的な好みでいうともう少し寒色系の音でも良いのですが、これくらいのバランスも好きです。おそらく派手で明るめの高域がなかったらウォームすぎて好みから外れたんじゃないかと思います。

SPARK 884A

お次は真空管アンプのSPARK 884Aです。
SPARKというメーカーの名前を聞かなくなって久しいと思って、今回色々と調べました。やはり最近は新製品を出していないようです。しかし、SPARKというのがメーカー名ではなくブランド名で、SPARKというブランドのメーカーは「Zhuhai Spark Electronic Equipment」というところまで調べたところで、友人がTwitterでCayin i5 DAPの背面を見よと教えてくれました。

なんとCayin i5 DAPの背面にZhuhai Spark Electronic Equipmentと刻印されていました。

SPARK 884AとCayin i5

SPARKというのはZhuhai Spark Electronic Equipmentという会社が過去に使っていたブランド名で、現在はCayinというブランド名を使っていることがわかりました。
オーディオはあくまでも音楽を聴くための道具なので、必要以上にロマンや特別な感情を抱かないタイプなんですが、この事実を知ったときは心が震えました。
それなりに期間は空いていますが、基本的に私はZhuhai Spark Electronic Equipmentの音作りが好きのようです。2000年頃からSPARKの音が気に入っていたわけですから、2016年に聴いたCayin i5 DAPとC5 DACを気に入るのも必然だったわけですね。

さて、SPARK 884Aに話を戻しましょう。
おそらくSPARKもしくはCayin社としてはエントリーモデルの部類に入るアンプかと思います。出力管はEL84(6BQ5)、12AX7を一本と12AU7を二本というプッシュプル構成です。入力はシンプルに2系統のみ。いずれもRCA端子です。出力はスピーカーのみで4Ωと8Ωを選んで出力ができるようになっています。

884Aの清掃

真空管の清掃

ちなみにSpark 884Aとほぼ同じ仕様でCayin MT-35 MK2という製品が今でも販売されています。

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見た目もそっくりですね(笑)
Spark 884AとCayin MT-35 MK2の大きな違いは、ヘッドホン端子がMT-35 MK2にはあることです。884Aにはヘッドホン端子すらないので、本当にシンプルな構成になっています。

設置

昨年、コペックジャパン様Cayin HA-300をお借りして設置をしたので、884Aの設置はそれほど大変ではありませんでした。
しかし、常設するとなるとある程度は発熱対策をしたいなと思っていたので、M-CR611とMENUETの環境をさらに改良しました。

まだ仮置き

仮置き

このようにちゃんと設置ができない環境なので、もどかしく感じることもあるんですが、今ある環境の中でベストを尽くすしかないですね。

スピーカーのCDM1NTはM-CR611とも接続をして聴いたので、SPARK 884Aの音を把握することができました。
M-CR611に比べると884Aは解像力がそこそこ高くて、ひとつひとつの音が細かいです。ウォームというよりも少し寒色寄りの音だと思いますが、全体的に音の輪郭が滑らかなので、聴きづらくなるほどの細かさではないです。
SPARK(またはCayin)の特徴なのか、あまり色つけをせずにスピーカーに音を伝送すると感じています。CDM1NTがウォームな傾向にあるので出音はウォームになりますが、884Aは中庸な音を出すという印象です。

まとめ

前の環境

前述の通り、M-CR611とMENUETの環境も満足していましたが、884AとCDM1NTの環境はさらに満足です。80点が88点になったという感じですかね。オーディオって80点までは10万〜20万の投資で済むことが多いと勝手に思ってるんですけど、80点を超えるには倍以上の投資が必要になったりするんですよね(笑)
今回は実家で気に入っていた884AとCDM1NTを我が家に持って来てどうなるんだろうという不安もありましたが、想像以上によく鳴っています。小さいなりにMENUETはかなり頑張っていたと思いますが、もう少しサイズが大きいスピーカーのほうが我が家のリビングには合ったということなんでしょう。
M-CR611から884Aに換えた効果も大きかったです。M-CR611とMENUETの組合せだとウォーム過ぎると感じることがあったんですが、884Aはあまり色づけをしないほうなので、CDM1NTと組み合わせてもウォームになりすぎないのが気に入っています。

今回は以上です。

以下の記事も参考にしてくださいませ。

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