気ままに試聴 FOCAL 開放型ヘッドホン ELEAR

ヘッドホン

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デザインと質感

ELEAR本体

ELEAR本体です。FOCALのロゴが映えます。
グリルの部分はむき出しになっているのですり傷がつきやすいようです。

ヘッドバンド部

ヘッドバンド部です。シンプルな作りですが、高級感があり、質感もいいです。

イヤーパッドとスピーカー部

イヤーパッドとスピーカーです。

ケーブル接続口

ケーブルの接続口です。LとRの刻印があり、量出しとなっています。端子は3.5mmです。

全体的に高級感があり質感もいいです。
DT 1990 PROは業務用に作られていますが、多少荒く扱っても傷などがつきにくいのはDT 1990 PROのほうです。
質実剛健とした作りのDT 1990 PROに比べてELEARは高級感がありますが、扱いやすさについてはやや難があるという印象。
ベイヤーでいうとAmiron Homeと似たような設計しそうかなと思います。

ケーブル

標準ケーブル

標準ケーブルは4mの両出しで、プラグは6.3mmとなっています。ポータブル製品で使用する場合は、6.3mmから3.5mm変換プラグが必要です。
今回の試聴には安定のFURUTECH ADLブランドのロジウムメッキ変換プラグを使用しました。

装着感

適度な側圧があります。1990よりも少し強いくらいです。
イヤーパッドは1990や1770についてくるものよりも少し柔らかいです。側圧は強いのですが、イヤーパッドのおかげもありきついと感じることはないでしょう。

装着感に大きく影響を与えると思うのは重量で、公式サイトには450gと記載されています。DT 1990 PROは370gなので80gも重たいです。
手に持ってみるとELEARと1990の重さの違いを実感することができるんですが、装着してみると意外と気になりません。
ただし、私は1770を外で使っていますので、一般的なユーザーよりもヘッドホンの重さには耐性があると思います。気になる人は気になると思いますので、店頭での確認をお勧めします。

なお、お借りしているものなのでイヤーパッドの交換はしていません。
それとELEARを貸してくれた友人やTwitterのフォロワーさんからの情報によると、ELEARの交換用イヤーパッドは200ドルを超えるそうです。上位機種のUTOPIAのイヤーパッドも装着できるそうですね。

音漏れ、装着感

開放型なのでよく漏れます。
遮音性も無音状態だと人の話し声や環境音が遠慮なく入ってきます。
ただし、それなりの音量で音を出すと人の話し声や環境音も気にならなくなります。
私が試聴をするときの音量だと完全に小型スピーカーだねと言われたので、外での使用は厳しいです。
これは開放型なので仕方がないですね。

音量について

今回はi5とOPUS #3で聴きましたが、i5をローゲインにした状態で67から75で聴くことができました。
OPUS #3はハイゲインで130から140でした。

DT 1990 PROに比べると音量は取りやすいという印象です。

まとめ

最初にはっきりと言っておきたいのはELEARが欲しいということです。(笑)
ELEARは私がイメージする開放型らしく音の抜けが良くて全体的に開放感があります。
解像力や音の粒の細かさ、分離感は1990のほうがやや上かなと思いますが、中域と低域の量感はこれまで私が聴いてきた開放型ヘッドホンにはない魅力です。
音のバランスもフラットに近いですし、どのようなジャンルも魅力的に鳴らす万能なところも好印象です。
解像力は1990のほうが高いものがあるのと、音源通りに鳴らすという点も1990のほうが上かなと思いますが、ELEARは聴きやすいのがいいです。かといって音源を大きく変えることもないですし、解像力も一定のレベルはクリアしています。

ELEARの最大の特徴と感じるのはスピーカーに近い鳴り方をするところです。
スピーカー用のフルレンジドライバを搭載していますので、ここは設計陣の思惑通りに仕上がっていると感じます。
スピーカーイヤホンや、スピーカーヘッドホンと言われる製品はいくつか市場にありますが、感心するのはELEARがあくまでもヘッドホンとして作られていることです。
見た目や重量、装着感もヘッドホンそのものですよね。
実用するにも問題がないので、この点は大きなアドバンテージだと思います。

私はスピーカーからオーディオに入った人間なので、ヘッドホンにしてもイヤホンにしてもスピーカーに近い鳴り方を求めます。
ELEARはそういう意味で理想的な開放型ヘッドホンです。
ただし、最近はスピーカーよりもポータブルオーディオを多く体験しているユーザーも増えているので、そういったユーザーにはピンと来ないかもしれませんね。それはそれで全然問題がないというか、個人個人で自由に好きな音を求めていいと思います。

個人的にはELEARは一聴して好みの音だと判断しました。
好みの音と判断した決め手は、この「スピーカーのような音を鳴らす」という点に集約されます。
B&WのP7を気に入った大きな理由も「スピーカーのような音を鳴らす」という点でした。
ポータブルオーディオとは言え、私はどこかでスピーカーの音をポータブルオーディオにも求めてるんだなと改めて自覚しました。

ちなみにTwitterのフォロワーさんがiPhone直でELEARを聞いてもいいと言っているので、試してみました。
さすがにiPhoneの音量は最大まで上げましたが、確かにこの組合せでもELEARの良さが損なわれないです。
iPhoneも現在はそこそこの音を出しますので、下手なDAPと組み合わせるよりも、シンプルにiPhone直で聴くのも有りだなと感じました。

前述の通り、ELEARは私が愛したB&W P7とも似た音を出します。
スピーカーのような音というだけでなく、メリハリのある音という点でも似ています。
密閉型のせいかP7のほうがわかりやすい音になっていますが、ELEARはより自然で落ち着いた音になっています。
最初にELEARを聴いたときはDT 1990 PROとDT 1770 PROのいいとこ取りじゃんと思ったんですが、今回じっくりと聴いてみてP7の要素もあるんだなということに気がつきました。
ELEARはELEAR独自の製品ですが、私の好きな要素がつまっている製品というところです。

これまで書いてきたようにELEARは私にとって理想的な音を鳴らす開放型ヘッドホンと言うことがわかりました。
こういう時に必ず考えるのが現在メインで使っている製品を売ってでも欲しいかと言うことです。
私はコレクターではないので、いくつも同じような製品を所有する趣味はありませんし、経済的な余裕もありません。
となると、DT 1990 PROを売ってでも欲しいかということが重要になります。

結論から言うと、欲しいんですが(笑)、現状は価格が高いのですぐに買うというわけにはいきません。
少なくとも今年は年末まで大きな買い物はできないことが決まっていますので、年末か年明けあたりに検討したいなと思っています。
それまでに少し安くなっているといいんですね。

今回は以上です。

以下の記事もあわせて参考にしてくださいませ。

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コメント

  1. Shinya より:

    こんにちは。
    私もFocalのElearの音はとても好みです。
    これにもっとも近いのは(密閉型で意外ですが)DENONのAH-D7200だと思います。
    昨年秋に公開された際の試作機をお聞きになられたようですが、そのときとは大きく変わっていますので、改めて製品をお聴きになれれてみてはいかがでしょうか。
    http://pansaku.exblog.jp/25115394/

    • amahikas より:

      Shinyaさん、コメントありがとうございます。
      ブログも拝見しております。(^^)

      D7200ですが、おっしゃる通り私が昨年聴いた印象ではあまり良くなかったです。
      ELEARとは開放型と密閉型で方式も違うのでまったく別物という気がしてますね。
      ただ、MM400を使ってるように好きなメーカーでもありますので、D7200はもう一度聴きたいと思ってました。
      機会を作って聴いてみますね。

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