デザインと質感
デザインは正直に言ってあまり好きではありません。特に厚みはもう少し薄くてもいいんじゃないかなと思います。
この独特の厚みが音に良い影響を及ぼしてるとしたらこのままで全然かまわないんですけどね。
質感は非常に良いです。触り心地も良いですし、傷がついたりコーティングがはがれたりするようなこともなさそうです。
K10U本体
赤がとてもきれいです。
写真のようにステムが太いのでイヤーピースは選ぶと思います。
私が気に入って使っているSpinfitは無理やり着けたという感じで、常用は厳しいと感じました。スパイラルドットのLサイズは問題ありません。
標準イヤーピース
標準のイヤーピースです。
赤がきれいだったので
VE5との比較
最後に私がメインで使っているカスタムIEMのVision Ears VE5と比較写真を撮りました。
K10Uは厚みがあるのがわかると思います。
装着感
5日間ほど外に持ち出して試しました。
私が使っているカスタムIEMのVision Ears VE5やWestone 4Rほどの装着感ではありませんが、実用上は問題のないレベルでした。
歩きながら装着をしているとたまにいちを調整する必要があるんですが、私の中では許容範囲でした。
遮音性と音漏れ
遮音性と音漏れは両方とも優秀でした。
音漏れは妻に確認をしてもらいましたが、VE5やWestone 4Rとほぼ同等でした。
遮音性は常識的な範囲で、それなりに大きな音で聴いていると電車内でも快適ですが、音を小さくすると車内のアナウンスが聞こえてくるという感じです。
まとめ
K10Uは四日ほど外に持ち出して聴いてみました。
前述した試聴結果は自宅でじっくりと腰を落ち着けて聴いた感想ですが、外で聴いた感想も交えてまとめとしたいと思います。
K10Uは基本性能が非常に高いと感じました。
まず、驚いたのは解像力です。全域にわたって細かく聴かせてくれます。また音に不自然なところがなく、滑らかなのも良いです。
VE5とも聞き比べをしてみましたが、VE5よりも細かいですね。
全体的な傾向はモニター系とリスニング系の中間と感じました。どちらとも言えない中庸な存在であると思います。そういう意味では私が愛用している密閉型ヘッドホンのDT 1770 PROとキャラクターは似ています。
どのようなジャンルでも素直に音源通りに聴かせるという点でもよく似ています。
ただ、ディストーションが効いていて歪んだギターの音は少し苦手なのかなと感じました。
高域は最近試聴をした中ではもっとも魅力的に聴かせてくれました。量も十分ですし、よく目立っています。
粗くはならないのですが、やや軽く聞こえる曲もありました。ただし、外で使っている分にはさほど気になりませんでした。この辺は聞く環境によって聴感や印象が変わると感じました。
私の場合、イヤホン（IEM）はほとんど外で使うので、あまりシビアにならなくても良いのかなと思いました。Pinnacle P1でも曲によっては高域が粗くなったりしますが、耳も慣れてきたのかさほど気にならなくなってきました。
全体的なバランスは、フラットに近いと感じました。
感心したのは低音域の量感です。VE5よりも少し厚みが増しますね。
中域はVE5ほど厚みがないのでメタル系の音楽はVE5のほうが合うと感じましたが、低音域に量感があるのでK10Uも迫力不足となることはありませんでした。
むしろジャズや女性ボーカルなどはK10Uのほうが好みに合いますね。もちろん、VE5にはVE5なりの良さもあるんですが、K10Uの正確で落ち着いた鳴らし方に魅力を感じました。
高域以外でひとつ気になったのは、特徴がないことです。
高いレベルで素直に鳴らすのですが、音場が広いとかウォームで聴きやすいとか、メリハリがはっきりしているといった特徴がないので、人によってはつまらないと感じるかもしれません。
私の場合、こういった中庸な音を出す製品と、個性的な製品を最近は使い分けているので、K10Uに魅力を感じますが、これ1本だとちとつらいかなというのも事実です。
最後にケーブルも標準以外でいくつか試してみたんですが、やはりEffect AudioのARES II+がちょうど良かったです。
解像力を損なうことなく少しウォームになる感じでVE5と同じ効果が得られました。
VE5を購入したときにK10Uを聴いていたら結果はわからなかったかもしれませんね。
あの時はカスタムIEMを探してましたし、15万が上限でしたが、装着感もこのレベルだとどうなってたかなと思いました。
そんなわけでNobleの製品を二つほど続けて聴きました。
K10Uクラスは高くて買えないのですがDulce Bassを一度聴いてみたいと思っています。
今回は以上です。
コメント