amahikasです。
今回もTwitterのフォロワーさんからお借りした製品を聴いてみるシリーズなんですが、今回のKaiser 10Uは異なるフォロワーさんからお借りしております。
Noble Audioの製品はつい最近もNoble Xの感想を書きました。
その時にも書いたようにNobleの製品は総じて良い印象を持っています。
Kaiser 10 Universal Aluminium
Kaiser 10 Universal(以下、「K10U」と略します)は2014年にNoble Audioが販売を開始したユニバーサルタイプのインイヤーモニター(IEM)で、すでに販売されたいたカスタム版のKaiser 10のユニバーサル版となります。
片側BA10ドライバのモデルでNoble Audioのフラグシップとなります。
K10Uにはいくつかのバージョンがあって、オリジナルのK10Uの他に国内限定の「midnight blue sparkle」、「Aluminium」と限定発売だった「Aluminium Black and Rose Gold」です。
今回レビューをするのは後発の「Aluminium」となります。
現状は製造がすでに終わっていますが、販売在庫はわずかにあるようで、約21万で販売されています。中古だと14万円弱のようです。
なお、現在は後継機としてKaiser Encore Universalも販売されています。
試聴環境
K10UをOPUS #3とCayin i5と直接接続して試聴しました。
OPUS #3の設定は、ゲインをノーマル、イコライザはオフにしてます。i5はゲインをロー、イコライザをオフにしました。
K10Uには標準ケーブルと標準イヤーピースを装着しました。
音源は主にCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)です。
試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。
試聴結果
Bisso Baba / Bob James
これまでのNoble製品らしく上品な音を鳴らしますね。
高域、低域ともによく出ていて縦のレンジは広いです。やや高域寄りのフラットに近いバランスと感じます。
高域はイヤホンながらも開放的で解像力も高いです。シンバルの音も滑らかで良いですね。
ピアノの音色がきれいで印象的です。
低音域はこれまで聴いてきたNobleの製品よりも量感があります。ただし、どちらかというとキレのあるタイプで私がメインで使っているカスタムIEMのVE5の低音によく似ています。
V5よりも量感は少し多めです。
中域の量がやや少なく感じられます。
i5の組合せだと中域と低域の量感が増えました。この曲に関してはi5のほうが好みです。
全体的にウォームな聴感ですが、OPUS #3とi5だと聴いた感じが変わったので、DAPの特徴に合わせて素直に音も変わるという印象です。
Flesh and The Power It Holds / Death
どちらかというと上品な音になる傾向にありますが、迫力は出ていますし、問題なく聴かせてくれますね。
冒頭のギターのヒステリックな音が特によく表現できていますが、ギターリフの歪んだ音も表現できています。歪んだ音に関しては得意とはいいませんが、必要十分だと感じます。
スピード感もしっかりと再現されていて暴力的にたたみかけるリズムをうまく表現しています。この辺は能力が高いなと感じます。
この曲はi5、OPUS #3とどちらも良かったです。
OPUS #3では中域の量が少し物足りないと感じますが、迫力が失われるほどではないですね。
Rio Rush / Fourplay
高域のシンバルは少し軽い音になりますが、粒が細かくて滑らかなのであまり気にならないです。下まで沈み込むベースの上でシンバルとピアノが気持ちよく鳴るという感じですね。
グルーブ感もよく表現できているように思います。
解像力はやっぱり全体的に高くて、ベースのうねるような音が良く再現されています。低域は下までよく出ていますし、キレと量感もいいバランスで鳴らしています。
最近は量感がたっぷりのダイナミック型を聴くことが多いので、最初は少し量感が足りないと感じましたが、何日か聴き続けているとこれくらいのバランスがちょうどいいなと思うようになりました。
量感のある低域も好きですが、個人的にはキレも適度にあったほうが好みに合うんだなと再認識しました。
i5とOPUS #3の比較ですが、i5では高域が少し聴きづらくなります。粗くはなるところまではいかないんですけどね。
低域はどちらで聴いても好みに合います。OPUS #3のほうがやや音場が広がる聞こえ方で、i5はまっすぐに低音を鳴らすという印象です。
At The End Of The Day / Les Miserables
これまでいろんなイヤホン(IEM)を聴いてきていますが、この曲についてはほぼ完璧ですね。
パーカッションもきれいで細かく聞こえますし、オーケストラは迫力があります。
ボーカルやコーラスは前に出すぎることもなく違和感なく演奏に溶け込んでいます。
i5とOPUS #3の比較ですが、この曲に関してはOPUS #3のほうが好みです。
一番の違いはオーケストラに奥行きが感じられることです。音場も広がりますし、この手の音楽OPUS #3が得意とするところかなと思います。
Master of Puppets / Metallica
音源がいまひとつということもありますが、この曲は少し聴きづらくなりました。高域はうまく表現できているんですが、中域から低域が迫力不足です。逆にいうと音源に忠実なんでしょうね。
それと解像力が高すぎて音源の粗さが余計に目立っていると感じます。
中間のソロパートは音の密度も低くなり、歪んだ音もないので、非常にクリアに聞こえます。
ギターソロはとても良いですね。
この曲についてはi5のほうが良かったです。中域の低い音(Mid-Low)から低域の迫力がよく出ます。
逆にOPUS #3では高域が目立ちすぎると感じます。また、歪んだ音はi5のほうが気持ちがいいです。
Crush / Kelly Sweet
しっとりとした女性ボーカルものを聴いてみました。
これは非常にいいですね(笑)
ボーカルは生々しいですし、アコギやベースといった楽器も解像力が高く、細かく聴くことができます。
低域も量感とキレのバランスが好みです。
この曲はOPUS #3のほうが好みでした。ボーカルの聞こえ方がより生々しくなりますし、音場も広がるので、この曲の魅力がより伝わります。
Rangers / A Fine Frenzy
もうひとつ女性ボーカルを聴いてみます。
この曲も非常に魅力的に聴かせてくれますね。特に高域と低域のバランスが良いです。
下ではベースがうなって、上ではボーカルが気持ちよく歌っているという感じです。
この曲に関してはi5とOPUS #3は甲乙つけがたいです。
音場はOPUS #3のほうが広いのですが、i5のほうが低域に厚みがあります。アコギの音もi5のほうが聞こえやすいです。
Days of Wonder (Original Mix) / M6
低域よりも高域が目立ちますね。他の曲でもそうだったんですが、ドラムのアタック音が鋭いです。
スピード感はi5のほうがよく表現できています。音場はこの曲でもOPUS #3のほうが広いですね。
次ページに続きます。
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