Doom Metalにもだいぶ慣れてきてamahikasです。
さて、今日はDAP(デジタルオーディオプレーヤー)に乗るWi-Fiノイズについて書いてみたいと思います。音響やWi-Fiチップなどのハードウェアの専門家ではないので、あくまでもいちユーザーが体験した内容と思ってください。
DAPとWi-Fi
昨今、DAP(デジタルオーディオプレーヤー)に無線LAN(以降、『Wi-Fi』と表記)やBluetoothといった無線通信機能が搭載されるのが珍しいことではなくなってきました。私が観測しているかぎり、Tidalなどロスレス音楽ストリーミングサービスを利用する海外ユーザーらの要望によって各社がWi-FiやBluetooth機能を搭載することが多くなりましたが、最近は日本のユーザーも同じ使い方をする方が増えてきました。
この時に問題になるのがWi-Fiのノイズです。Bluetoothでも同様のノイズが発生する可能性はありますが、そもそもデータ通信をメインとして開発されてきたWi-Fiと音声データを伝送することも考慮されてきたBluetoothとでは対策に違いがあって、Bluetoothのほうがノイズは発生しづらいのではないかと推察しています。(裏付けはありません)
DAPにWi-Fiが搭載されるのは個人的に大歓迎というか、必須なのですが、「Wi-Fiを有効にするとノイズが乗る」という超えも多く見かけるようになったのも事実です。私が初めてWi-Fi搭載のDAPを購入したのはCayin i5で、2台目のOPUS #3にも搭載されています。現在、メインで使っているiBassoのDX220とCayinのN6iiにもWi-Fi機能は搭載されています。しかし、これまで5年以上Wi-Fi搭載のDAPを使ってきてWi-FiやBluetooth関連のノイズが気になることはありませんでした。しかし、私自身が気にならないからといって本当にWi-FiのノイズがDAPに乗らないのか確証はありませんでしたので、Twitterのフォロワーさんにも協力をしてもらってDAPに乗るWi-Fiノイズについて検証をしてみました。
検証に使った環境
検証には以下の機器やアプリを使いました。
- DAP = DX220、N6ii
- アンプモジュール = AMP9、AMP1 MKII
- オーディオマザーボード = E01
- 再生アプリ = Youtube、Spotify、Neutron Music Player
- イヤホン = IE 400 PRO
- ネットワーク = YAMAHA NP-S303
- 無線ルータ = Netgear Orbi RBR50
無線ルータとDAPは5GHzで接続しています。
各種DAPで検証
先述のフォロワーさんにノイズが乗るときの構成や使用アプリについて詳しく教えてもらいました。おかげでどういう時にノイズが乗るのかが少しわかってきたので紹介をしたいと思います。
早速、それぞれの環境でどのような結果になったかを書いていきます。
環境1
- DAP = DX220
- アンプモジュール = AMP9
- 再生アプリ = Youtube、Spotify、Neutron Music Player
- イヤホン = IE 400 PRO
YoutubeとSpotifyはストリーミング再生をしました。DAPに音源をダウンロードしたオフライン再生ではありません。YoutubeとSpotifyアプリでノイズが乗りました。ノイズは比較的わかりやすくてブーンという低周波ノイズと「ブツ」とか「チリ」というノイズが聞こえます。音源は特に無関係で音楽ではなくてもノイズは聞こえます。
次にWi-Fiを有効にしたまま、microSDカードに保存してあるNeutron Music Playerで再生をしました。この場合、ノイズは聞こえません。ただし、DX220にインストールしてあるwebブラウザでwebを閲覧するとノイズが乗ることを確認しました。
普段、DX220+AMP9で聞くときはWi-Fiを有効にしたままmicroSDカードに保存してあるNeutron Music Playerで再生しています。Wi-Fiは自宅じゃないとつながらないようにしてるのでどのアクセスポイントにもつながっていません。前述のノイズが乗る使い方とは違うのでノイズを知覚しなかった理由がわかりました。
環境2
- DAP = DX220
- アンプモジュール = AMP1 MKII
- 再生アプリ = Youtube、Spotify、Neutron Music Player
- イヤホン = IE 400 PRO
本体は同じDX220でアンプモジュールをAMP1 MKIIに変えて同じ検証を行いました。結論から言うとどのパターンでもノイズは知覚できませんでした。
環境3
- DAP = N6ii
- オーディオマザーボード = E01
- 再生アプリ = Youtube、Spotify、Neutron Music Player
- イヤホン = IE 400 PRO
次にDAPをN6iiに変えて同じ検証を行いました。こちらもどのパターンでもノイズは知覚できませんでした。
環境4
- DAP = DX220
- アンプモジュール = AMP9
- 再生アプリ = Spotify、Neutron Music Player
- ネットワークプレーヤー = YAMAHA NP-S303
- 無線ルータ = Netgear Orbi RBR50
最後にノイズが知覚できたDX220+AMP9の構成でDX220からWi-Fiを使ってNP-S303に音を伝送しました。この構成ですとAMP9を経由せずにデータが伝送されるためかノイズは知覚できませんでした。DX220でwebを閲覧してもノイズは知覚できません。
ちなみにこの環境ですとアンプの回路を通らないのでバッテリーの持ちもいいですし、発熱も少なくなります。
検証結果
検証から以下のことがわかりました。
- DX220+AMP9でWi-Fi通信をしながらだとノイズを知覚できる
- Wi-Fiを有効にしただけではノイズを検知しない
- DX220+AMP1 MKII、N6ii/E01だとノイズは知覚できない
- ネットワークプレーヤーと通信をする場合、アンプを経由しないのでノイズは検知出来ない
ノイズを知覚できたのはDX220+AMP9の環境のみで「Wi-Fi通信をしながら」音楽を聴く場合に限定されます。すなわちmicroSDカードや本体に保存された音源を再生する分にはWi-Fi通信をしないかぎりノイズは知覚出来ません。また、Wi-Fiを有効にしただけの状態でもノイズは知覚出来ませんでしたのでWi-Fi通信をしながらというのがポイントのようです。それとWi-Fi通信をしたとしてもAMP9を経由しない場合もノイズは知覚出来ませんでした。
考察
以上の結果から見えてくるのはAMP9モジュールがWi-Fiノイズに弱いのではないかということです。AMP1 MKIIでは発生しませんし、フォロワーさんのAMP8でも発生しないとのことです。また、AMP9に搭載されているNutubeがWi-Fiノイズに弱いという可能性もあると思います。現在、Cayin社がNutubeを搭載したN6ii用のオーディオマザーボードを開発中とのことなので注目をしたいと思います。
まとめ
どういう時にWi-Fiノイズが乗るのかがわかりましたので非常に有用な検証になりました。私の使い方だとWi-Fiノイズの心配はしなくていいことがわかったのも幸運です。私の場合、Wi-Fi機能は音源データをMacからDAPに伝送するのに必須ですが、音楽を聴くには必須ではありません。音楽を聴くときにWi-Fiが必要なのはネットワークプレーヤーに伝送するときで、頻度は少ないです。この使い方はBluetoothで代用できますし、iPhoneで代用することも可能です。
日本でも浸透してきた音楽ストリーミングサービスですが、私はiPhoneかMacで使うことが多いです。がっつりと音楽を聴くというよりも試聴で使うのが相変わらず多いです。ストリーミングサービスは便利ですが、音質的な問題と急に配信が停止されてカタログからなくなったりするリスクがあるので、メインで使う気にはなりません。ちょっと聴いてみたいという時は非常に便利なので、引き続き試聴メインで使っていきます。
DAPとWi-Fiノイズについて検証をしましたが、専門的な知識に乏しいので、客観的に判断できるデータや裏付けがなくて申し訳ないです。あくまでも私が聴いた印象での検証結果となりますことをご承知おきいただければと思います。
今回は以上です。
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