amahikasです。ポタ研(ポータブルオーディオ研究会)2017冬のレポートその3です。
この記事で今回は最後となります。
この記事ではCayin社の新しいDAP、N3とULTRASONEの新しいヘッドホンSignature STUDIOについて書きます。
それとCayin社の代理店であるコペックジャパン社のブースではCayin i5 DAP用の新しいケースも置いてありました。このケーブについても簡単に紹介します。
試聴環境
今回の試聴環境ですが、DAP(デジタルオーディオプレーヤー)にはCayin i5 DAPを使用しました。
DAPの試聴にはDENONの密閉型ヘッドホンAH-MM400を使用しています。
Cayin i5 DAPですが、最近いろんな製品と組み合わせて試聴をしていますが、感度の高い製品だと高域が粗くなる傾向になりやすいのではないかと思い始めています。
特にイヤホンやカスタムIEMに多いです。ヘッドホンは問題ないです。
音源は主にCDから取り込んだAppleロスレス(ALAC)です。
たまにHF PlayerでFLACの96kHz/24bitの音源も聴きます。
試聴に使う曲や聴きどころについてはこちらを参考にしてくださいませ。
Cayin N3
CayinのN3は同社のエントリーモデルとなります。今年の三月から四月の頃の発売を予定していて価格は二万円弱で調整中とのことでした。
今回試聴をしたのは開発中の製品なので製品版は変わる可能性もあります。
さて、私自身は昨年からCayin i5 DAPをメインで使っています。
iPhoneからの乗り換え且つAndroid用アプリをインストール出来るDAPが条件なのでi5 DAPを購入しました。
今回のN3はi5 DAPと違って専用OSです。Androidアプリなどはインストールできません。
その分、不要な機能やパーツは削られており、N3はi5よりも小さく軽くなっています。
音楽を再生する携帯プレーヤーとしては理想的なサイズになっています。
とは言え、スペックについては妥協をしていないと感じます。
DSD音源はは11.2MHzまでのネイティブ再生に対応してますし、PCM音源も192kHz/24bitまで再生可能です。外部メモリスロットはmicroSDの1基ですが、サイズを考えれば妥当かなと思います。microSDカードの容量も256GBまで対応しますしね。
パソコンとの接続用と充電用にはUSB Type-C端子が用意されています。
USB-OTGでの拡張も可能なのでi5と同じくUSB DACとしても使えるのではないかと思います。
その他は3.5mmのイヤホン端子と、ライン出力端子が共用となっています。
バランス接続には対応していませんが、これはi5と同様です。
個人的にバランス接続は使用しませんが、現在の流れを考えたらi5にはバランス接続端子を用意したほうがいいと感じましたが、N3くらいのサイズならなくてもいいと思います。
価格とサイズを考えるとターゲットとしている層が違うと感じますのでね。
試聴環境ですが、N3に最近購入した密閉型ヘッドホンのAH-MM400を直接接続しました。
microSDカードはi5に使用している200GBのものを挿しました。問題なく認識してくれました。
それでは試聴結果を書いていきます
音
通常はi5 DAPに入れている再生アプリから試聴曲を集めたプレイリストで再生するんですが、N3には普段使っている再生アプリが入っていないので思ったように再生できませんでした。
仕方がないのでハイレゾ音源を保存しているフォルダから再生をしました。
聴いたのはMumford & SonsとBob James / Nathan Eastの共作アルバム、The Lake Poetです。
この3曲を聴いたかぎりではi5 DAPとの違いを感じませんでした。(笑)
音質的な特徴もほぼ一緒ですね。
芯のしっかりとした音で高域、低域ともにレンジが広いです。
解像力と温もりのバランスが絶妙でどちらかというとリスニング向けの音になっていますが、分析的に聴くことも可能なくらいの解像力はあります。
全体的に音源に忠実で、音場は音源によって変わります。無理やり広げる類の製品ではないです。
i5とN3の違いを上げるとすれば、芯の太さです。N3のほうが少し細く感じました。
また音の深さも少し浅いと感じました。
結果的にN3のほうがすっきりとした音に聞こえました。
今回はいつも聴いている試聴曲とは違うので、正式なレビューは再度店頭でN3を聴きたいと思いますが、音の感想についてはそれほど外してないと思います。
なんにせよ本当に驚きました。三万円以下の廉価版で評判の良い製品をこれまでも何度か試聴してきましたが、ほとんどの製品は価格なりで自分が欲しいと思うほどの音ではありませんでした。
Cayin N3は明らかにこれらの製品とは違うレベルの製品であると感じました。
音に妥協しない点はCayin社らしいとは感じますが、ここまでやるのはすごいですね。
市場でどのように評価されるかが楽しみです。
Cayin N3のまとめ
サイズやデザインについては写真を見てくださいませ。
i5との比較だとこれくらいの差があります。
i5も大きいとは感じませんがかなり違いますね。
USB Type-C端子とイヤホン/ラインアウト端子です。
まだ十分に普及していないUSB Type-Cですが、個人的には使いやすいと感じていますのでもっと普及して欲しいですね。
デザインと質感は普通でこれと言って目立つ点はありませんでした。
ただし、傷がつきづらい素材と感じましたのである程度大ざっぱに扱っても問題なさそうです。
個人的にはきれいなデザインや素材も好きですが、高価なものはやはり気を遣います。
毎日、携帯して使うという点ではN3くらいのほうが気兼ねなく使うことができていいかなと思います。(笑)
なお、製品には同じ色のシリコンケースが付属するようです。
操作性ですが、ここは悪かったです。
操作は基本的に本体の液晶パネルの下にある丸い決定ボタンと左右のボタンで行うのですが、左右のボタンの感度がいまひとつでした。
さらに左右のボタンでカーソルを上下したり、メニュー画面の「進む」と「戻る」を行うのですが、しょっちゅう操作ミスをしました。
私自身は手先が不器用なので余計にミスをしたんだと思いますが、iPod ClassicやFiiOが採用しているホイールやCayin N5のダイヤルのほうが使いやすいと感じました。
発売までにどこまで改良できるか楽しみです。
後はバッテリーですね。現状では連続再生時間が12時間となっています。
再生していない間にバッテリーが漏れないことも重要ですが、i5と同等の連続再生時間は少し物足りないと感じます。
やはり20時間程度は確保しないと一般層には訴求しづらいのではないかと思います。
Cayin N3は価格やバランス接続がないという仕様を考えるとオーディオマニアのサブ機として良いのではないかと思います。音だけでいえば十分に満足できるレベルにあるでしょう。
メインのターゲットはWalkmanのAシリーズやiPod Touchを購入してる層にCayinという名前を知ってもらうことらしいので、どこまで知名度を伸ばすことができるか楽しみです。
操作性が改善されることが必須条件ですが、これだけの大人ので個人的には面白い存在になるんではないかと思います。
最後にCayin i5の音については以下の記事を参考にしてくださいませ。
i5と変わらないレベルの音でN3は発売されると思ってます。
次ページにUltrasoneのSignature STUDIOの感想とポタ研の感想を書きます。
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